「詠坂雄二」を知ってほしい
4/20放送のアメトーーク!に出ました。本屋で読書芸人。
はじめましての人も多いでしょう。カモシダせぶんというピン芸人です。普段芸人でご飯が食えないので、10年ぐらい書店でも働いています。
そんなことはどうでも良いです。
皆さん、小説家「詠坂雄二」先生の本を読んでください。
僕は、この「詠坂雄二」先生の小説に出会えたから、アメトーーク!に出れたんです。
遡ること12年前、僕は5年組んでたコンビを組んでて途方に暮れてました。
そのコンビでは僕は「じゃない方」で。何の長所もないやつだと思われてたんです。
ピンになってすぐはネタも平場も特技も上手くいかない、周りはどんどん結果を出していく。焦ってる僕にある日松竹から本のプレゼン対決企画「ビブリオバトル」に出ないか?と打診が来ました。昔から僕は読書が趣味。だけど、読書が趣味の芸人もそこまで珍しくはない。書店で働きはじめてましたが、それも特にプラスにはなってない時期でした。
そこで、僕は当時、そして今も一番好きな短編小説集『インサート・コイン(ズ)』を紹介して
松竹の他の若手芸人も多数いる中、優勝できました。当時髪あるなぁ。
芸人になって、僕1人がスポットを浴びることなんて1つも無かったので、とても鮮明に覚えてます。何故か商品はやずやの香酢でした。
この日から「本に詳しい書店員芸人」という名刺で活動できるようになり
アメトーーク!に出れました。
アメトーーク!という超メジャー番組は普通、ネタが認められてる芸人さん、トークが認められてる芸人さん。そうじゃないと出れない番組だと僕は思ってます。だけど僕は両方違うんです。ネタのコンテストもR-1、M-1の3回戦がMAXだし。しかもだいぶ前だし。
僕がアメトーーク!に出れたのは
面白い本に出会えたから
この一点だけで行けました。詠坂先生のおかげで背負えた看板。だからこそ僕は恩返しのつもりで詠坂雄二先生の『5A73』をゴリ押ししました。
番組の打合せでもスタッフの方から「最後に何かありますか?」と聞かれて、今までの芸人人生僕から番組に強く意見することなんて無かったんですが
一番大きい番組で
「詠坂雄二先生の本だけは紹介させてください……」
と頼みました。一番テレビの知名度の無い僕の願いを叶えてくださったアメトーーク!のスタッフさんに本当に感謝です。
収録本番、ケンドーコバヤシさんはじめ、他の共演者さんからも「5A73面白そうっ」と声が上がったのが本当に嬉しかったです。
アメトーークさんの反響はやはり凄く、5A73がアマゾンランキング、ジャンル別で1位になったり、書店さんで売切れたり……ホント夢みたいで、ようやく詠坂先生の面白い話が沢山の人達に届く……と涙が出ました。
5A73もそうですが、過去作も是非読んでほしい。紙が絶版で、電子書籍でしか今読めないものもありますが……(また再版して……)
入門には『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』『電氣人間の虞』が良いかな~と。
また詠坂先生の小説はミステリだけじゃなくて『君待秋ラは透き通る』や『人の町』などSFっぽい話もありますし、歴史小説好きな人は「偽歴史小説」の『日入国常闇碑伝』もオススメです。
でもこういう「ジャンル」に縛られてない話が多いのも詠坂先生の大好きなところ。
ミステリかと思ったら「えっ、こっちの方向??」とかもあって
詠坂先生の小説は常に
読んでるこちら側に「挑戦」してるように思えます。奇抜な設定や展開。捻くれることに全力をつくしてくれてる。人間の持つ暗さを暗いまま肯定してくれる。
だからこそ、読んでて、僕も芸人として
発想で戦わなくては
と思わせてくれます。アメトーーク!に出れて「読書芸人」として僕のお仕事が今後増えるかもしれません。そうなったら本当に嬉しいです。嬉しいですが。
増えたとしてもネタに全力を尽くすことは変わりません。「挑むこと」の大切さを詠坂先生はいつも教えてくれてるから。ネタでもテレビいっぱい出れるよう、頑張ります。
何度も芸人辞めそうになった。でも、詠坂先生の小説で何回も蘇れた。今の僕が芸人続けられてるのは、詠坂雄二という小説家と、その小説のおかげです。
長々書きましたが、こんなこと、全く覚えなくていいから、とにかく
詠坂雄二先生の小説、買って読んでみてください。
面白いんで。