おかあさんじゃないわたしが「あたしおかあさんだから」について考えてみた。
「女性は結婚することで幸せになるものなんです」
社会学を専攻していた大学生のころの、同じゼミの女の子の発言。
「え、本気ですか・・・?」と、ポカーンとしたことを思い出す。
じぶんの視野を広げていろんな価値観を学んでいる最中のできごと。
ずっと前から、社会で「良し」とされているものの見方について「いやいや、みんなそういうけど、『絶対いい』なんていうものなんてないと思うんだけどな」と思っていました。
くだんの発言についても、「『結婚することで幸せになれる』と思っている人はそうだと思いますが、自分の幸せがイコール結婚でない人は、そうではないと思います。」と返しました。
今回の「あたしおかあさんだから」の歌詞について、ナースあさみさんの記事や、ハッシュタグを追って、いろんな意見を目にしました。
最初に歌詞を見たときのわたしの正直な感想。
「うわぁ、気持ちわるい・・・いまだにこんな古い価値観を押し付けるような歌詞アリなの?製作陣は疑問を持たなかったの?」
呪いの歌、と言われるのも頷けます。
わたしは基本ずぼらなのですが、根がマジメ思考なんです。
「結婚したらこうしなきゃ」「妻ならこんな風に家事もご飯も仕事もがんばらなきゃ」。そんな風に自分の首を絞めていた新婚時代を思い出します。
あのまま「だれかの価値観」に溺れたままだったら・・・
もしも今、子育てで行き詰まっているお母さんの立場になっていたら「呪いの歌」に追い詰められていたかもしれません。
だって「あたしおかあさんだから」、がまんしなきゃいけないし、自分のこと後回しで子どもが優先だもの。
たしかにそういう一面もあります。結果的にそうなってしまうことに苦しんでいる人は多くいますよね。だからこそ、苦しまないで過ごせる世の中になればいいのにな、と思っています。
わたしのまわりの子どもがいる友人を見渡してみると、この歌詞のおかあさんのように「自分のこと」を我慢して押し殺しているタイプがあまりいません。
無理をせず「母親ならこうしなきゃ」と、どこかの価値観にあてはめるのではなく、子どもをのびのび育ててる人が多い。(もちろん、我慢していることは山ほどあると思います。それこそライブに行けないだとか、自分の時間が作れないとか。)
その友人たちは、おそらくこのニュースすら知らずに(SNSやテレビを必要以上見ずに)「自分の価値観を大切にする暮らし」を守っている人。
「自分が不快と感じるものは遠ざける」
必要以上に気持ちを揺さぶられてしまう人(わたしも)は、見ないことでNOをつきつけているような気がしています。
価値観を押し付けるような歌に聞こえましたが、Twitterのハッシュタグ検索を見ていく間に、こうも考えました。
「もしも今、『あなたが幸せに生きてくれればそれで十分。わたしのことは二の次で。』とだけ思っているお母さんがいるなら励まされるのかも?」
自己肯定感を強める歌として作用するのかな?と。
うーん、かなり少数派かな。
わたしたちの親世代ならば、「母親ってそういうものよね、よし、頑張る!」と起爆剤になったのかもしれません。
受け取る側の立場やものの見方によって、ものすごく変わるな、と改めて気付かされた件でした。
ただひとつ感じたこと。
「がんばってるお母さんへの励ましソングならいいかもしれないけど(今の世の中の風潮とは相反してるとは思います。)、良し悪しを判別できない子どもに聞かせる歌詞じゃなくない?」
子どもはどう感じるんだろう?
散々悩んで、ひとつの答えを見つけようとしましたが、たぶん見つからないことがわかりました。
個人的にはあんまり好きじゃない。
アラサーマガジン唯一のおかあさんである「みてみて」さんはどう感じたんだろう?
金曜日のあんじゅ先生・土曜日のみてみてさんの意見を参考に、もう一度考えてみたいと思います。