YOUTH TODAY, YOUR STORIES
●Dear young people,
9月12日午後10時、BTS official Twitterにこんな投稿があがった。
9月21日にアメリカで開かれる国連総会にBTSが出席・講演することが発表され、ツイッターでは渡米に関する推測が飛び交っていたころだった。
今回のツイートも、United Nationsとあるし、国連に関係するものだろう。
このツイートを見た瞬間、私は
「またこの人たちは「若者」への言葉を準備してくれているのだな」と思った。
そして、きっとその言葉は今の私に刺さって仕方がないだろうな、と予想がついたし、ツイートに書かれている「明日」を私は心待ちにしていた。
そして、翌日13日の午後13時、次のような投稿があった。
Dear young people,
What were the past 2 yrs like for you, and what's your world like today? Express the precious things that make up your world or show who you are now with an image, an emoji or a word
At the UN, your stories will begin.
Sincerely,
親愛なる若者たちへ、
あなたにとってこの2年はどのようなものでしたか、今日の世界はどうですか?あなたの世界を作る貴重な物を表現したり、あなたが今どんな人なのか、画像や絵文字、言葉で表してください。
国連で、あなたの物語が始まります。
心から、
(英語がそれほど得意ではないので、間違っているかも)
その後には、メンバーたちがそれぞれの「この2年」を綴った文章・写真が公開され、親切なARMYの方々が彼らの韓国語を訳してくださった。投稿にはそれぞれの個性が光っていて、メンバー直筆の言葉はどれも嬉しく、心温まるものだった。
今回はその中から個人的に印象に残った2つの投稿について書いていく。
●ナムさんの「The past 2 years」
特に私の心に残ったのが、BTSのリーダーであるナムさんの言葉だ。
最初に目に入ってきたナムさんの言葉に私は、大学の図書館にいたにも関わらず涙ぐんでしまったし、また大事な言葉が出来てしまったな、と思った。
ナムさんの「この2年」について。
ワールドツアーの中止を余儀なくされ、突然できてしまった空白の時間と規則的な毎日のなかで、中断していた読書と本格的な運動を始めたという。
この2年の時間が、これからの僕にどう影響するのかはまだ分からないけども、自分の見つけたルーティンと自分の仕事をこれからも続け、そうやって生きていく、と。
ナムさんはいつもそうだ。この状況に対して、無理にポジティブなことを言ったりしない。分からないことは、分からないと正直に言う人だ。
BTSの世界的な人気の理由を聞かれたときも、「台風の中にいるときは、何が起きているのか分からないでしょう」というようなことを答えていた。
私は正直、この2年(約1年と6カ月)に起こったことを、一度もポジティブに捉えられたことがない。
自分の大切な場所が失われていった、少しの望みにかけて行った努力は、「大人」の世間体を守るために踏みつぶされた。心が少しずつ壊れていっている気がする。
この期間にBTSと出会って、今の私にBTSがいて良かったとは心の底から思うが、出会わずに、自分が今まで掴んできた幸せだけで生きていけるのなら、その方がずっと良かった。
どれだけBTSを好きになっても、今はそう思ってしまう。
一時期流行った「おうち時間」という言葉も、「コロナ禍だからこそ~できた」という言葉も、(そういった言葉はその人のほんの一部しか表していないと頭では分かっていても)すべて疎ましく、拒絶したかった。
現状を肯定的に捉えようとする人々に、反発心を覚える自分が嫌で、これ以上傷つきたくなくて、テレビもSNSも見なくなっていった。この経験が自分のこれからの糧になるとは到底思えなかった。周りの大人が良かれと思ってかけてきた、「出来ないことばかり考えても仕方ない、明るく生きようよ」というメッセージに、なぜか深く傷ついて、泣いた。
誰もこれからのことなんて分からないのに、おかしな世の中はまだ継続中なのに、変に物分かりが良いみたいに振る舞い、同じような行動を私に求めるのはやめてほしかった。そして、他人からの善意をそんな風に考える自分が嫌だった。
自分の話が長くなってしまったが、そんな私にナムさんは
「この2年の時間がこれからの僕をどこへ連れて行ってくれるか、まだよく分からない」と率直な気持ちを教えてくれた。
何も飾っていない、この人の本心だろう。
それが嬉しかった。私は、ずっと誰かにそう言ってほしかったんだと思う。正直な気持ちを、自分の中にある不安な気持ちを、誰かと分かちあいたかった。
私はよく想像する。
「今を生き抜いたら、私はどんな人間になっているだろう」と。
とても強く、前向きな人間になっているのか?もしかすると、疲れ切って、何事にも無気力な人間になっているかもしれない。
就活を控え、自分のやりたいことについて沢山考えるようになった。そして、やりたいことがあったとしても、必ずしもその仕事を出来る訳では無い、ということも。
また、他人から評価されて、傷つくのかな。
一年後の私は笑えてるだろうか。
大学生活はどうなってる?
分からない。
何も分からない。未来は未だ来ないものなのだから、考えたって分からないし、ネガティブになるくらいなら想像しない方が良いだろう。
「それでも、ただ生きていく。」
そのことを最初に私に教えてくれたのもナムさんだった。そして今日もまた、もう一度私に話してくれた。
「そうやって生きていく」と。
自分が見つけたルーティンと、ほんの少しでも私の今を照らしてくれるBTSと一緒に。
忘れそうになったとき、めげそうになったとき、何度でも教えてくれるあなたの言葉に、また救われたなと思った。そうやって生きていくんだ。
なによりも、「YOUTH」へ向けたコンテンツの中で、もう一度そのことを教えてくれたことが嬉しくて、有難かった。
●ジンくんの「The past 2 years」
少し違う目線で、もう一人印象に残ったのが、我が推し、ジンくんの「この2年」だ。
BTSのパンデミック前の忙しさも、Dynamiteを経たジンくんの苦しみも、私が何かを語る権利はないと思うし、ここで深く言及することは無い。
ただ、「とても忙しかったんだ」「辛かったんだ」と思った。そして、今は「これからもっとポジティブに生きたい」と思ってるんだな。
最後に自分になのか、読んでる人に向けてなのか、「힘내(頑張って)」と。
私はジンくんの発信してくれる考え方が好きだ。考え込んでしまう自分とは真反対のように思える淡泊さで、そしてとても誠実だから。
彼は辛い思いをして、そして心の整理をして、前より笑顔で仕事が出来るようになったらしい。そして今、ポジティブに生きたいと思っている。
「ああ、それでいいんだ、そうやって考えてもいいんだ」と思った。私はジンくんのこれまでの苦労も辛さも少ししか知らないから、自分にとってかなり都合の良い解釈だと思う。
ただ、いつもジンくんのあっさりとした前向きな言葉に、無理に背負い込もうとしていた荷物を一つ降ろしてもらうことがよくあるから。今回もそうだったから。
なんだか最近、自分は幸せになっちゃいけないように思ってたな、「幸せになりたい」とか、「ポジティブに生きたい」とか、言う資格が無いような気がして。
よく分からない未来をどうにかしたいと望むより、今を戦わないと、生きないと、と必死になっていた。
ジンくんが誰かに向けて書いた「힘내(頑張って)」に、背中を押された気がした。丸っこい可愛らしい文字と、☻マークに、ぎゅっと固くなっていた心が少しほぐれた気がした。
今すぐは無理でも、私も幸せになりたいな、もっとポジティブになりたい。
久しぶりに素直にそう思えた。
それって、悪いことじゃないはずだ。
●私の「The past 2 years」
「ハッシュタグをつけて、あなたのストーリーを表現して」とのことで、21歳の私はきっとYOUTHだろうと思ったから、いそいそとお絵描きをして、久しぶりの英語と格闘して、こんな投稿をした。(楽しくお絵描きしたので、画力は気にしないで)
I want to get back my happy life.
「幸せになりたいな」と思えたから、そう書いた。
I'll continue to live in this situation.
「生きていこう」と思えたから、そう書いた。
いつもBTSは私の心の中で、一緒にいてくれるから、大好きで大切なお兄さんたちだから、
BTS is always my friends.
と書いてみた。
今日の黒スーツ姿、めちゃくちゃかっこよかったなーとか、ナムさんのセンイルVエプ色々刺さりすぎてやばー、とか思いながらこのnoteを書いている。
BTSは近々出国し、アメリカに渡って、国連に出席するらしい。
今度は何を話すのだろうか。
今回の「Youthtoday , Yourstory」はどんな物語に繋がっていくんだろう。
考えても分からない、これもまた未だ来ない未来だ。
でもきっとまた、私は嬉しくなったり、心動かされて泣いてしまったりするんだろうな。スーツを着てとってもクールな彼らに「かっこいい…」しか言えなくなったりするんだろう。
それって、幸せだな。
情勢的に色々なプレッシャーがあるかもしれない。
スピーチに向けて、英語の練習もしているのだろうか。
どうか無事に行ってきて。そしてまた何かを教えて。私に見せて。
大好きな人たちが今日も明日もこれからも健康で笑っていられますように、と願いながら。
私はまた明日も明後日もちょっとだけ笑顔になれる、そんな何かのために、
自分のために、
周りの人たちのために、
生きていこうと思う。
(かっこよすぎる…)
※写真はBTS official twitterからと、自分で撮影したものです