#9 本当は楽しい世界の終末
ツイッターで「#こんなときこそ本を読もう」というタグを見かけた。休校や自粛が蔓延しているときにどんな本がいいか考えて思いつくのは、ヴォネガット「猫のゆりかご」だ。
凍りついてしまった世界にひとり取り残される男の話だけど、食べ物は全部冷凍されていていくらでも手に入るし、暮らしてみたら意外と楽しいじゃん、終末世界。という小説だ。
「ユーモアは人生の辛いときに作動するエアバッグみたいなものだ」というのは大好きなエトガル・ケレットの言葉だけど、ヴォネガットのユーモアにも同じような姿勢を感じる。