人生を変えるビジネススキル①「リサーチ力」
はじめに
自己紹介
皆さん、こんにちは。かもめと申します。
東大▷新卒公務員▷メンタルダウン+転職大苦戦▷外資コンサルという経歴で、現在は外資コンサルに勤めつつ、自分で会社役員もしている30代です。
かもめをはじめ、鳥が大好きなのでこの名前でやっております(笑)
働きすぎとやりがい搾取でメンタルを壊してしまった公務員時代の経験から、
自分にあったワークライフバランス(以下、WLB)を追求する!
なるべく好きなことだけ追求できるように経済的余裕を早期に実現する!
周囲に流されず、置かれた環境の良いとこ取りをする!
これを人生の3か条に掲げて日々試行錯誤しております。
「外資コンサルと会社役員の兼務なんて、WLBから程遠いじゃん(笑)」
「WLBと超余裕の金銭事情の料率なんて無理に決まってるじゃん(笑)」
こう思われる方もいるかもしれません。
それは仰る通りです(笑)
私も、0からいきなりWLBと豊かな暮らしを両方手に入れられるなんて、ちっとも思っていません。
むしろ、若いうちに頑張っておかないと、
長期的に大きな成果や資産を得るのは難しいと思っています。
ではどういう意味で言ったか?
圧倒的な土台を作るまでは辛抱し、そこからWLBとお金を一気につかむ
これです。
そのため、20代でコンサル業界に転職してからも、
とにかく必死に色々がんばってきました。
ビジネススキル、英語力、コミュニケーション、副業・・・
やれることは一通りチャレンジしてきました。
そしてその甲斐もあり、
コンサルではサラリーマンとしてそれなりの高年収
会社役員として、そこそこ大きな収入
この2つの柱をなんとか作ることができました。
note執筆のワケ
そして大変ありがたいことに、
コンサルとしての本業(副業?笑)と役員を務める会社での副業(本業?)の相乗効果もあり、
これまで多数のコンサル転職希望者の相談に乗らせていただきました。
コンサルティング業界は、もうかれこれ10年くらいは最人気業界のひとつとなっています。
このトレンド自体はまだまだ続きそうですが、
残念ながらコンサル業界は比較的狭き門なのです。
高学歴も多いですし、コンサル未経験で目指す場合は、学歴がなくてもかなりのポテンシャルを示さないと厳しいのです。
「じゃあ学歴も仕事での実績もないから無理ですね、サヨナラ👋」
そう思った方はもう少しお時間ください。
実は、私の勤める外資コンサルにも、
必ずしも高学歴でなかったり、前職で輝かしい実績がない人も一定数いるのです。
つまりどういうことか。
これからの準備でどうにでもなる🔥
こういうことです。
そこで、これまでコンサル業界で働いてきた経験から、
どういうスキルを持っている人が受かるのか
そのスキルってどうやって身に着けるのか
普段の仕事の取り組み方をどう変えれば良いのか
これを徹底的に考えました。
<<コンサルに必要なスキル>>
これのご紹介はもちろん、どのように習得していけばいいかを余すことなく伝えたいと思い、このnoteを書くことにしました。
読者の皆さまへのメッセージ
もちろん、コンサルのスキルはすべてのビジネスマンにとって使えるスキルですので、結果的にコンサルに転職しなくても全く問題ないです。
ここで身につけていただいたスキルは、
いまのお仕事でも必ず役立つものばかりですので、
安心して取り組んじゃってください(笑)
このnoteを手に取ってくださることで、
一人でも多くの方の転職成功とスキルアップに貢献できたら、これ以上にうれしいことはありません。
本記事をお読みいただき、もしGood!と思っていただいた場合は、
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コメント
どちらでもかまいませんので、いただけると幸いです!
それでは本編にまいります!
1. 人生を変えるスキル:リサーチ力
シリーズ「人生を変えるビジネススキル」の栄えある第1回目のスキルは、
ずばり<<リサーチ力>>です!
リサーチとは、日本語で「調査」を意味する言葉で、どんな方でも多かれ少なかれやったことはあると思います。
ビジネスに限らず、
・旅行先を調べる
・デートで行くレストランを調べる
・どのマッサージ屋の評判が良いかを調べる
これらもすべてリサーチになります。
つまり、人間なら誰しもやる超汎用(はんよう)的なスキルなのです。
じゃあ簡単なのかというと、全くそんなことありません
むしろとても奥が深く、明確にクオリティに差が出るのが、このリサーチです。
なぜリサーチをするのか?
それは、リサーチというものが、
情報の正確性と信頼性を担保し、意思決定の根拠を提供するために不可欠 だからです。
特にコンサル業界では、
クライアント(顧客となる企業)の課題解決が仕事です。
その課題解決のために、様々な意思決定が必要となりますが、ひとつひとつの意思決定には、経営陣や事業部の承認が必要なのです。
この承認を得るには何が必要か?
→その意思決定が信頼に足るものかを示す根拠があるかどうか、です。
この支えとなる根拠を収集するのが、リサーチ作業の真髄なので。
2. リサーチの基本プロセス
次に、リサーチの進め方について、ご紹介していきます。
リサーチ作業は、以下のプロセスに従って進めるのが基本です。
2.1. 目的の設定
リサーチの最初のステップは、
「明確な目的を設定すること」
これです。
この言葉が示す通り、目標設定が具体的であればあるほど、目標までのプロセスを最短距離で走りきることができます。
私の大好きなイチローさんは、このように仰っていて、回り道をも肯定しています。
たしかに、最短距離で常に走ることが正解ではないこともあります。
しかし、リサーチという業務に関しては、すべての作業の基礎となる作業のため、スピーディかつ正確に行うことが求められます。
回り道は人生のほかの場面でしていきましょう(笑)
余談(回り道)をはさんでしまいましたが、
目的が曖昧
→リサーチの方向性がぶれてしまう
→無駄な時間やリソースを費やす
こういう負のスパイラルに陥ってしまいます。
そしてなにより、リサーチはかけようと思えば、無限に時間をかけられてしまいます。
そのため、ダラダラ調べるクセがついてしまいますので、これは避けてほしいことです。
じゃあ適切な目的設定を行うにはどうすればいいか?
この点について、ぜひ以下のポイントを意識してみてください。
具体的で明確な「主語」を設定
悪い例:自動車業界の主要企業の調査
良い例:自動車市場における国内の主要部品メーカーの財務健全性の調査
悪い例との違い
自動車業界だと広すぎるので、「部品」に絞っている
世界中の企業ではなく、まずは「国内」に絞っている
各企業の何を調べるかがあいまいなので、「財務健全性」に特定
リサーチの完了度合いを可視化するためのイメージを作成
上記1. で設定した具体的な目標を調べた結果、どんな情報/示唆を得られそうかを簡単に成果物としてイメージしてください(図1参照)
そうすると、リサーチが複雑だったとしても、迷子にならず、「自分がいま何を調べているか」を見失うことなく進めることができます
また、周囲(特に上司)に何を調べるか共有する際にも、伝わりやすく、途中から協力を得る場合でもスムーズに進めやすくなります
2.2. 情報の収集
目標を設定したら、いざ情報収集のフェーズです。
とはいえ、目標設定までで8割勝負が決まっていると言っても過言ではありません。
ですので、とにかく「2.1. 目的の設定」は繰り返しチャレンジし、いつでも超具体的に設定できるように習慣化していきましょう!
情報収集もリサーチの核となるステップです。
信頼性の高い情報の効率的な収集方法は、主に以下に分類されますので、簡単にご紹介します。
なお、細かい情報収集方法を把握することももちろん大事ですが、
情報収集方法はどんなのがあるか?
これを把握することの方が大事です。
私もかつてそうでしたが、コンサル未経験で転職してこられる方の多くから、このような声をいただきます。
「がんばってリサーチしてるのに全然有用な情報を得られなくて苦しい」
それに対し、私はこう問いかけます。
「業界団体に電話して聞いてみましたか?」
「図書館で過去のレポートを見てみましたか?」
「ChatGPTに聞いてみましたか?」(←最近多いのはこれです)
するとほとんどの場合の返事がこちらです。
「あっ!その方法はまったく頭になかったです!」
そうなんです、ひとつの媒体から得られる情報量には限界があります。
そして人間は自分自身で情報は生み出せません。
じゃあどうするか?
答えはひとつ。
「情報収集の手段を可能な限り幅広く心得ておくこと」
これに尽きるのです。
さて、その情報収集の手段ですが、以下をまずは押さえましょう。
一次情報の収集方法
インタビュー: 専門家や業界関係者へのインタビュー
アンケート調査: 調査対象へのアンケート実施
フィールド調査: 現地訪問や観察を通じた直接的なデータ収集
二次情報の収集方法
公開データベース: 政府機関や国際機関の公開データの活用
業界レポート: 市場調査会社が提供する業界レポートの参照
学術論文: Google ScholarやPubMedなどで関連する研究論文を参照
繰り返しになりますが、大事なのは、
「XXで無理ならYYで調べる方法もあるなあ」
このように手段を頭にストックしておくことです。
2.3. 情報の分析
情報の収集が終わったら、次は情報を分析/加工です。
この分析/加工プロセスを行うことで、
単なる情報が「洞察」に昇華するのです。
情報の分析/加工方法は無限にあり、かつ難易度が高いため、また別の機会にまとめたいと思いますが、以下のような手法があります。
定量分析
統計分析: データの平均、標準偏差、相関関係などを計算し、データの傾向を把握
回帰分析: 複数の変数間の関係をモデル化し、予測を実施
定性分析
テーマ分析: インタビューやアンケートの回答をテーマごとに分類し、共通のパターンを見つける
SWOT分析:強み、弱み、機会、脅威を評価し、戦略的な洞察を得る
ちなみに、一般的なコンサル業務では、定性分析が主となり、定量分析はデータアナリスト系のコンサルが実施する傾向が強いです。
一般的な事業会社についても、定性分析がメインとなりますので、
分析/加工プロセスを練習する際は、定性分析から始めてみましょう!
2.4. 結果の報告
データの分析/加工が終わりましたら、いよいよ最後のステップです。
① リサーチ結果の整理
② 関係者への報告
かの有名なジョブズも言う通り、
あなたがどんなに良いリサーチを行い、どんなに示唆のある発見をしても、それが周囲に共有できなければ意味がありません。
そしてあなたの素晴らしいリサーチ結果を適切に伝えるのに必要なのは、
分かりやすい報告書
分かりやすいプレゼン
これだけです。
あなたがどんなに性格が悪かろうが、どんなにタバコ休憩に行こうが、報告書とプレゼンさえ良ければ、周囲は理解してくれるのです。
以下が報告書を分かりやすくするための方法論の一例です。
エグゼクティブサマリーを最初に持ってきて、結論が一目でわかるようにする。各論はそのあとの各章で記載
エグゼクティブサマリーとは、リサーチの目的・方法という大前提を共有した上で、リサーチの結果得られた主要な発見と結論を簡潔にまとめるセクションです
分析結果は、言葉で詳細に報告するだけでなく、図表やグラフを用いて視覚的に分かりやすくする
「百聞は一見に如かず」。図表で示せば複雑な帰結でも一目で分かるようになるため、必ず使用しましょう。
逆に図表がなくても容易に理解できてしまうことだらけの場合は、そもそも示唆の少ないリサーチである可能性すらあります。
数値の客観的な分析結果だけでなく、あなたの見解を示す
データの客観的な整理だけでももちろん価値はあります。しかし、企業はそのリサーチの結果何をしたいか思い出してみてください。
そうです、「意思決定をする」ことです。つまり、その情報を得られた結果、どういうことが言えるのかが最も重要なのです。
リサーチをしたあなただからこそ気づいたことを通じて、次のステップに向けた見解を示すことで、あなたの価値は最大化されるのです。
分かりやすく整理した客観的情報を伝え、その結果何をするべきか。
これをセットで提供できるようになれば、あなたはリサーチだけでご飯を食べていける可能性を持っているでしょう。
2.5. 【まとめ】リサーチを行うコツ
さて、これでリサーチのプロセスを一通り見てまいりました。
一気にすべてを意識することは難しいと思いますので、
何度もこのnoteを見返しながら、ひとつひとつのステップを確実にマスターしていきましょう!
本章の締めとして、リサーチを行うコツをキーワードベースで総ざらいします!
分からない箇所があれば、さかのぼって見てみてください!
目標の設定
具体的な質問を設定(リサーチの目的を明確にし、具体的な質問を設定することで、情報収集の範囲を絞り込み、無駄な時間を削減)
スコープの限定(リサーチの範囲を狭め、必要な情報に集中)
情報の収集
情報収集方法を幅広く心得る(「XXで無理ならYYで調べる方法もあるなあ」とすぐ頭を切り替えられるストックを作る)
情報の分析
定性分析(収集した情報の共通のパターンを見つけたり、特定のフレームワークを活用して分類することで示唆出しをしやすくする)
結果の報告
分かりやすい報告書(結論を先に示し、図表を用いて視覚的にわかりやすい工夫を施す)
分かりやすいプレゼン(情報の整理だけでなく、あなたの見解を示す)
3. 効率的な情報収集のために
「2.2. 情報の収集」では、繰り返し幅広い情報収集方法を頭に入れておくことを申し上げてきました。
これこそが短時間での情報収集を助けてくれるからです。
しかし、最近はこれに負けないくらい強力な助っ人が登場しています。
3.1. 生成AIの活用
それが、生成AI(例:ChatGPTなど)です。
生成AIがなぜそんなに強力な助っ人なのか?
それは、リサーチの初期段階で全体像を把握し、論点を抽出するために感動するほど有効だからです。
リサーチというのはほとんどの場合、知らないことに関して調べると思います。
事業会社であれば、まだ自社に関連することに関するリサーチも多いです。
一方、コンサルの場合は、まったく畑違いの業界等について短時間でリサーチし、示唆を求められることが非常に多いのです。
こういう状況におかれたとき、生成AIは真価を発揮します。
今までは、未知の領域に関してリサーチをすることが決まった時、
「XX業界の商流」
「XX業界の成長性」
などと検索エンジンで調べて、そこで出てきた情報源に片っ端からあたって何となくの全体像をつかむ必要がありました。
しかし、生成AIがあれば、
「XX業界の業界構造と、国内に限ったときの成長性を評価してください。評価の根拠となる情報についても教えてください」
こう打ち込むだけで、ものの10秒で結果が表示されるのです。
生成AIによって、
まったく未知の領域でも、数分もあれば何となく全体像をつかんでいる
こんな世界が実現してきているのです。
皆さまもぜひ、ChatGPTなどの生成AIには積極的に触れていきましょう。
実は生成AIも、使い方が奥深いのです・・・(笑)
こちらに関しては、別の機会でまたご紹介したいと思います。
3.2. 生成AIの弱点
ここまで絶賛してきた生成AIですが、残念ながら弱点もあるのです。
それは、情報の正確性が不確実ということです。
生成AIはとても忠実で努力家です。
なので、質問者のどんなに雑で稚拙な質問に対しても、「分かりません」と答えることが少ないのです。
何とか質問者の意図をくみ取って仮説を立て、一定の答えを出そうとするのです。
するとどうなるか?
当然、正しくない回答も一定出てくるのです。
ですので、生成AIを活用する際は、
提供されや情報の正確性の確認は常に必要です。
私は上述にも記載しましたが、主に以下の作業について生成AIを活用しています。
全体像の把握
論点の抽出
アイデアのブレインストーミング
情報の要約(長文のレポートや記事の要約)
とはいえ、情報の正確性の確認は生成AIに限らず、
外部レポート等についても常に行うようにしましょう。
具体的には、クロスチェックといって、
複数の情報源を比較して、同じ情報を複数の信頼できる情報源から確認することを通じて、データの一貫性を確かめる方法が有効です。
4. おまけ:コンサルのリサーチツール
ここまでリサーチの真髄にどっぷり紹介して参りました、大変お疲れ様でした!
最後におまけとして、コンサル業界で使用されているリサーチツールをご参考までにご紹介して終わりたいと思います。
※特に後半は有料の媒体が多いので、気になる方は契約してみてください^^
4.1. オンラインリサーチツール
Google Scholar:学術論文や研究資料
PubMed:医療・生物学分野の論文
Statista:統計データ
4.2. 業界特有のリサーチツール
Factiva:ビジネスニュース、企業情報、業界レポートを提供
IBISWorld:業界調査レポートと市場分析を提供
Euromonitor:市場調査と消費者インサイトを提供
Bloomberg:金融市場データとニュースを提供
Hoover's:企業情報と業界レポートを提供
おわりに
お読みいただきありがとうございます!
ここまで読まれた方は、きっと周囲にリサーチ力で一歩以上リードできたかと思います。
しかし、何事もそうですが、理論よりも実践です。
ここで学んだことを明日から活かして、小さなことでも効率的にリサーチする習慣を身につけていきましょう。
おそらく1か月も続けていれば、あなたは立派なリサーチマスターの世界に足を踏み入れていると思います。
そして口酸っぱく恐縮ですが、
リサーチは、ビジネスの意思決定を支える重要なスキルです。
日々のリサーチを、「調べるだけ」で終わらせず、
「で、その結果自分/会社はどう動けばいいの?」
これを常に考え、答えを出すことを怠らないでください。
コンサルに転職する/しないにかかわらず、
この習慣を身につけることが、あなたを意思決定層に近づけ、ひいては理想の待遇・環境に引き寄せてくれるのです。
改めてですが、本記事をお読みいただき、
もしGood!と思っていただいたようでしたら、
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コメント
いただけると今後の励みになります!
次回は、会社の経営分析に重要な「金融指標の理解」についてご紹介したいと思います!
お読みいただきありがとうございました!