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神様待っています
さてさて、薄野という街なのですが、
地下鉄「すすきの」駅を降りても、
地番表記で「すすきの」という場所は、
実は存在しないのです。
地域の通称が「すすきの」という事になりますが、
この「すすきの」とは、一体どこを指すのでしょうか。
北海道警察では、南北が南3条から南7条で、
東西が西2丁目から6丁目の間を「すすきの」と
指定しているそうです。
古くから住む地元の人々の中では、
南北が南2~3条から8~9条。
狸小路の南側から中島公園の前を走る
9条通り辺り位まででしょうか。
東西は、西1~2丁目辺りから8~9丁目辺りと
認識している方が多いようです。
私が、鴨々堂として事務所を構えていた場所は、
南7条西2丁目なので、「すすきの」の中でも
場末といった所でしょうか。
屋台などは、とっくに消えていましたが、
神様を待っている若い女性たちは、
鴨々堂の界隈で、よく見かけました。
神様を待っているというのは、
家出などといった理由で、寝ぐらを無くした
若い女性たちが、
電子掲示板に「神様、待っています!」と掲示する
サイトがあり、救いの手を差し伸べてくれる
男性が現れるのを待っているのだそうです。
彼女たちの存在は、昔、「立ちんぼ」とか、
「辻姫」(つじひめ)などと呼ばれていた、
街角に佇んでいた街娼を彷彿させます。
何気に話を聞いてみると、
札幌駅から大通りまで地下の歩行空間は、
雨風を凌げるので、格好の神待ちスポットだったそうです。
それがいつしか、縄張りのようなものが出来き、
新参者は、薄野にある古寺の周辺や、
屋根のない場末に追いやられているとの事でした。
2020年師走の薄野は、新型コロナウイルスの影響か
神待を待つ少女たちの姿を見る事が減りました。
彼女たちは、一体どこへ消えたのでしょうか。