鴨々文庫、はじめました。
ちょうど、今から7年前。
私は、ススキノの外れに流れる鴨々川の畔に建っていた
古い民家を改修し、保存することに奔走していました。
その民家は、大正末期~昭和初期に建てられた5軒長屋で、
芸者さんの置屋として使われていた建物でした。
当時、私は古民家の鑑定士をしており、北海道内にある
古い建物の保存や、利活用のアドバイスをしていましたが、
建築工学を専攻していたこともあり、環境工学的な視点でそうした活動を
行って来たのですが、この芸者置屋と出会った頃から、
建築物というハード面だけではなく、
何故、その建物がそこに建っていたのかというソフトの部分も、
保存する中で、重要な意味を持つという事を意識するようになりました。
ススキノという街は、歓楽街としてのイメージが強く、
その街の成り立ちを知る人は、余り居ませんでした。
当然のことですが、学校で教えて貰えるような事でもなく。
でも、どうして此処に芸者の置屋があり、
この街は、どのような変遷をしてきたのだろうか。
嘗ては、300人以上いたと言われていた芸者さんたちは、
今は、どうなっているのだろうか。
一度、興味を持ってしまうと気になって仕方がなく、
私は、この建物を、事務所兼Galleryとして使いながら、
ススキノの歴史を調べ始めたのでした。
残念ながら、鴨々堂は再開発の波と老朽化の為、2019年の10月末に
解体となり、実際に見たり触れたりすることは、もう叶わないのですが、
本ブログにて、ススキノの歴史から始まる民衆史、
北海道の花街の歴史や、古建築物の話しなどを綴りたいと思います。
今日の所は、この辺で・・・。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?