第一回地域学び会 「社会的処方」

本日、第一回目の地域学び会を鴨川健メンバーで行いました!

Vision「誰もが健康に過ごせる地域を医療側が主体的に地域と関わりながらつくっていく」

そのための活動目標のひとつ

・地域/地元を「知る」/「学ぶ」

どんなことをやっていこうか、健メンバーで話し合っていたところ

現地で体験し、交流して「知る」ことの後、実際に何を考えるかの種として「学び」が必要となる。現在、活動を通して少しずつ地域に出ていくことが増えたが、次のアクションに繋げるための学びがほしい

どのような活動が地域を盛り上げるのか考える素地を作る。勉強会を通じて更に活動のアイデアを増やすために

地域医療やコミュニティデザインに関係する本を読み、意見を交わそう

という「地域学び会」が発足いたしました。
月イチペースでやっていこうと思います!
以下、本日の学びです。


【社会的処方】(西智宏)
◯Key word:孤立、孤独、通いの場、まちづくり

 例えば、高齢男性が「眠れない」という主訴で医者にかかったとする。普通の医者なら睡眠薬を処方して終わるかもしれないが、もしその医者がその人の生活習慣を聞き取って、不眠の原因が日中の引きこもりによる活動不足と考えたら。そして、もともとの仕事が花屋だということまで聞き取ることができたら。その医師は、知り合いが参加している、地域美化や花壇整備に取り組む市民グループとつなげて見るかもしれない。〜中略〜。ボランティアを契機に積極的に外に出るようになり、薬がなくとも夜は眠れるようになり、食事も美味しくなって体重も増えた。そして地域でともに過ごす仲間と笑顔が増えた・・・


 社会的処方とは既存の医療の枠組みでは解決できない問題に対して、社会のつながりを持って対処する方法。孤立による健康問題をなくすために様々な取り組みが紹介されている。その取り組みを研究している社会処方研究所がどのようなことをしているかも紹介されている本です。
 
 地域学び会第一回として、地域のことを知ろう・働きかけようという時に、「医療従事者」としてはどんな手段があるのか。最近ホットになっている社会的処方というキーワードをしっかり読んでみようと思いました。今回は、社会的処方が持つ意味、孤立・孤独について、体験型・地域一体型教育としての鴨川健のありかたを話し合いました。

 ディスカッションポイント

・社会的処方に対するイメージ

 本を読む前の社会的処方のイメージとして持っていた意見は
・自分がやりたいことを地域でやってみて、集まった人と輪を作る。
・そうすると輪に入れない人たちの孤立は結局助長されてしまう。
・本当に社会的処方は「人助け」になっているのか?

 社会的処方はつながりを「作る」ことにフォーカスが強く、その作る作業は結局自分の得意なことや好きなことに終わってしまうのではないか。
自分が主語になっている行動に疑問を持っていました。
 しかし、飛び入り参加で来てくれた江角先生のお話から、本来は患者さんが主語で、患者さんの人生を聞き、嗜好を理解し、地元の社会資源の中でその人に合うものをつなげていく。そのことを社会的処方という。これにはとても納得がいきました。

・医療従事者が、社会資源を意識するという共通認識を育てるには?

 多くのメディカルスタッフが勤務する亀田では、研修施設でもあり若手の医療者がたくさんやってきます。メディカルな部分のみを研修するのではなく、医療の枠組み以外のことが健康被害を起こしている状況に気づくためにはどうするか。

 ここでも江角先生の面白いお話が聞けて、社会的処方外来を研修医にやらせるというアイデアが出てきました。患者さんの困りごとを聞いて、患者さんの嗜好を引き出し、解決できる社会資源を探しに地域に出ていってつなげるところまでやる。とてもおもしろいし、むしろ研修医だけじゃなくて看護師や他のメディカルスタッフと一緒に外来でお話聞いてもいいですね!

 どんな社会資源があるのか、鴨川で探し回るツアーも楽しそうです! 

あるものを知ることから始まる

様々な意見が飛び交い、初回なのに白熱した素晴らしい会でした。
次回も楽しみです!


次回は

「コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる」  (山崎亮)

です!


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