新しい道を通った話 【何かを変えることについて】
この場所に住んでうん十年経ちますが、初めて通る道だった。
野を超え山を越えとは、きっとこのようなことを言うのよ!
仕事でいつもと違う店舗へ行くことになった。
超駅前で駐車場にも限りがあるから、いつもは電車で向かっています。
というか、デスクワーク過ぎて身体を動かさないので、せめて通勤時間くらいは身体を動かそうと、爆速で自転車を漕いで駅に行く毎日です。
この日はなぜか、車に乗りたい気分だった。
片道1時間。電車でも変わりません。
片道1時間以上かかる場所に行く場合は、決まってお気に入りの道を通ります。(下道)
ただ、今回に関しては、その道から外れた場所にあったので、知らない道を通ったのでした。
Google mapに道を教えてもらいながらひとりドライブ。
途中までは通ったことのある道。
久しぶりに通った道だった。
新しいお店、増えた住宅、それでも変わらない景色。
見慣れた場所なのに、新鮮な気持ちになる。
途中からは未知の世界。
川沿いを走った。
竹林。サギの群れ。時折ちらつく青空。
前はたいていトラックが走っている。
知らない企業の看板を見つけては、何をしているところだろう?と考えを巡らせたりした。
しばらくすると開けた道に出た。
青空がまぶしい。
あたりを見ると、米、大豆、キャベツ
金色の稲穂が輝く中に、濃緑の畑が広がっているかと思えば、植わったばかりの苗がちらほらある。スプリンクラーの水がキラキラしている。
「トイレにいきたい。」
ちょっとまって、
普段は「なんもない」と思うことは少ないのですが、
この時ばかりはほんとうに「なんもないじゃないか!!!!」とひとり叫んだ。
田んぼ
大豆畑
キャベツ畑
田んぼ
大豆畑
キャベツ畑
セブンイレブンを見つけた!
救世主である。
「やっと!やっと見つけた」
縋る思いで店内のトイレへ一直線に向かう。
2個あるようだ。
前にいる男性がトイレを見る。
満室のようだった。
まって、コンビニのトイレって並ぶもんなの?
あたりを見渡すとすごく広い店内に人がたくさんいた。
そういえば、2列ある駐車場も半分埋まってたなー
激混みじゃないか!!!
まさかコンビニのトイレで都会の駅のトイレみたいな思いをするとは!
そんなこんなで大人しく並ぶ。
店内は家族連れ、休憩中の作業服を着たおっちゃんのみなさん、とにかくにぎわっていた。
用を済まし、外へ出る。
作業服のおっちゃんの皆さんが青空のもとでなにやらニコニコ談笑中。
まわりを見渡してみた。
すごくきれいだった。
金色の稲穂。奥で重なる山々。青空!みたいな。
広いな~
周りにいる人を含め、心地の良い空気だった。
再び走る。
今度は山道。
上がったり下がったり。耳が痛くなる。
動物と出会いそうだった。
うおお。山を越えている。市の境を超えている。と、頭の中に地図を思い浮かべる。
そうこうしている間に、街が見えてきて、職場に到着した。
行き道のたった1時間。でも、されど1時間。
いつもと違うことをすることで、発見があるのは確かだった。
日々のルーティーンで動くことも良いけれど、それでは見えるべきものを見逃してしまうのかもしれない。
本来ある幸せを、見る目がなくなる。
ルーティーンのなかには、頭の中を空っぽにしてリラックスできるのかもしれないけれど、その空っぽの中に悩みや不安が入ると厄介だ。
この日はちょうどそんなときだった。
新しい道を通ることで、新たな発見もある。こともある。
そういえば、土曜のドラマで芦田愛菜が言っていた
「歯ブラシを持つ手を変える。見たことのないドラマの予告を見てみる。そんな些細なことでも何かを変えていけば、人生が変わるということ。無理に変えようとしなくていい。生きているだけでいつか必ず変わる。」
今ある日常を否定しない言葉。
変わるっていきなりはできないけれど、少しずつならわたしにもできる。
躍起になって、全部を捨てて新たな自分に!みたいに考えなくてもいい。
自分を追い込むやり方も、時にはいいのかもしれないけれど、
少しずつ、変えてみるのも長期的に見て大きな変化に繋がるのかもしれない。
そんなことを思った秋の始まり。