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現実をもとにした話

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生活、映画・本・漫画の感想っぽい
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#雑記

粗食、飽食、ゆでたまご

 熱を出した。  我が家にある古い体温計は36.7度と高くもなければ低くもない温度を表示した…

石川加茂
2か月前
4

磁場、ZINE、同人誌

 少部数の自費出版。最近だとZINEともいうらしい。  ZINE(ジン)とは? Googleで検索して…

石川加茂
2か月前
4

声、読書、暴風雨

 頭のなかには声があった。あまりにも近くに、そして初めからあったので、それを声だと気づく…

石川加茂
4か月前
8

夜、痛み、夢の手前

 考えがまとまらなくて眠れなかった夜、動悸にのまれて眠れなかった夜、喘息で息ができずに眠…

石川加茂
5か月前
10

外套、毛並み、かつてあるもの

 コートは重いものにしなさい。それが祖父の、そして母の、防寒着についての指針だった。  …

石川加茂
5か月前
4

朝とセレモニー、そのにおい

 朝は、うっすらと体調が悪く、機嫌も悪い。  液体か、液体に限りなく近い流動食しか受けつ…

石川加茂
6か月前
10

生死、生活、生きるということ

 山に行った。お目当ては春の山菜、ギョウジャニンニクである。  推奨されるルートを経て山頂を目指す登山とは違い(藪漕ぎや沢登りなど、既存のルートではない道を選んで登る登山のジャンルがあることは存知)、山菜採りに道は無い。山頂は目指さず、山菜が生えていそうな沢と法面をひたすらに探す。  人の道は無いが、獣の道はそこらじゅうにある。目が慣れてくると、斜面に走る轍や、沢にかかる倒木や中州を越える筋が見えてくるようになる。その獣道に鹿の足跡や、フンがあれば大正解で、そこに足を置きおき

逃亡とビジネスホテル

 てんでダメな時期というものがある。  きっかけは時によって変わる。気候だったり、仕事だ…

石川加茂
7か月前
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愛と憎しみ、その街

 わたしにとって、その街は憎しみの形をしていた。  日本国の首都であって、一千万超の人口…

石川加茂
7か月前
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