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『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』のレビュー

2016年4月発売。

どん底にあったUSJを5年でV字回復に導いたマーケターが書いた本。マーケティングってなんなの?という高校生の娘さんの疑問にも答えられるように書いたそうで、分かりやすい説明が特徴的です。

マーケティングを分かりやすく書いた本

マーケティングというと、カタカナ用語が多かったり、4Sだ5Cだと分かったようでよく分からない略が多く出てくるイメージがありますよね。

「抽象化」もマーケティングの分かりづらさと関係あるかもしれません。

ただこの本では、USJの具体例が常に出てくるので、そうした分かりづらさはまったくありません。マーケティング初学者でも想像しやすく理解しやすい内容になっているということです。

著者の森岡さんは何冊か本を出しており、どれも評価が高いです。マーケティングをわかりやすく書いた本が少ないからということも理由のひとつでしょう。

ずばりマーケティングとは何か?

で、そんな稀代のマーケターと言われる森岡さんがいうマーケティングとはなにか?

マーケティングとは「売れる仕組みをつくること」だといいます。

具体的には、消費者の頭のなかにあるブランドイメージをつくったり、認知率をあげたりすること。一般消費財であるならば、配荷率やPOPを考えることも含まれます。価格設定は当然、重要です(本書ではそこについては軽く触れる程度)。

そういうのを全部ひっくるめて売れる仕組みをつくるのがマーケティング。

つまり、企業のどの部門であっても、マーケティングに関わらない部門はない、ともいえます。広報もマーケティングにおいてはいわずもがな超重要です。

なお、本書では、マーケティングの基本として、

・目的・目標・戦略・戦術の違い
・戦略の良し悪しをチェックする基準(4S分析)、
・戦況を分析する方法(5C分析)

などが分かりやすく紹介されています。

とくに目的を設定した上で、目標、戦略、戦術と落とし込んでいく考え方は、マーケティングに直接関係がなくても日常業務にも役立つ視点だと思います。

たった1つの考え方とは?

ちなみに、タイトルのUSJを変えるきっかけになった1つの考え方とは、すべてを「消費者視点」に変えたことだったといいます。

大事な視点は、「ゲストが喜ぶもの」は必ずしも「ゲストが喜ぶだろうと思って作り手が考えること」とは一致しないということ。

常にゲスト視点に立って考えたことが、結果的にUSJをV字回復させたポイントだったそうです。アマゾンの顧客至上主義と通じるものを感じますね。


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