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髪結いさんは歯が命

昔、歯磨きのCMで聞いたような…。

はい。髪結師も歯が大事なんです。
仕事中に歯を使うからです。

片手で髪を束ねて持ち(だいたい利き手でない方)、利き手で元結(もとゆい→もっといと呼ぶ。髪を結う水引のような紐)をぐるぐる巻いて結ぶのですが、この元結は紙ですからゴムのような伸縮性は全くありません。なので、緩まないように、ぐるぐる巻いている方ではない方の元結をピンと張っている状態にしておきたいのです。そのために噛むのです。

両手が塞がっているので、使えるものは使え。それで噛んじゃえ。なのです。
(噛んでいる部分は余るので、結び終えたら切り落としてしまいます。)

元結は伸縮性がないと書きましたが、元結を締めるコツは、力任せではありません。どんなに力を入れても緩むものは緩む。かえって力を入れすぎると元結が切れる時があります。

はじめのうちは、コツをつかめないうちは手も歯も力が入りすぎたりしますので、治療した奥歯が欠けてしまったことがあったり、元結が当たる小指の側面が切れたりしました。(今でも一日中結うと小指の側面が元結で切れます。それぐらい元結は丈夫。)

今では、噛まずに結わえる方法もできるんですけどね。
でもやはり、最低限の力で噛む方法は両手が使えるので一番結びやすいかな。

やっぱり髪結いさんは、歯が命。





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