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日本髪を結う前に、することあるの。

毛をコロセ…!の回でも綴ったのですが、かつらでも地髪でも、結う前に髪の毛を結いやすいように、コントロールすることがまず大事なのです。

女性で、お着物やパーティーで髪をセットアップなさったことがある方も多いと思います。結う前に、ホットカーラーを巻かれませんでしたか?あれで髪の毛をセットしやすくするのです。巻くと巻かないでは大違い。

日本髪でも同じです。
昔は髪を洗うのが月イチぐらいで、髪を解いて細かい櫛で埃などを取り、熱いお湯を含ませて絞った布で元結で縛っていた跡を消すぐらいでした。

でも現代ではしょっちゅう洗髪しますし、鬢付け油もしっかり洗い落としてしまいます。
サラサラの髪ではとても結いにくいです。
なので、洋髪でいうホットカーラーの役割をするのが、コテなのです。

かつらと地髪のコテは種類が全く異なりますが、地髪の場合は花街では"マーセルこて"を使っていました。ドイツ人のマーセルさんが開発したと、美容師の教科書に載ってます。

コレ以前はもっと別のコテ、あるいは布を熱湯に浸して絞り、熱いうちにクセをとるなどしていたようです。

それでマーセルコテなのですが、主に鉄製です。これを昔は炭に突っ込み、熱して使いました。使って冷めると熱されたものととっかえひっかえして使うのです。今はさすがに電熱器を使いますが、使い方は同じこと。コテはかなりの高温になりますから、使い方を間違えると髪を焦がします!舞妓さんの髪を焦がしたら…どえらいことです!(今考えても恐ろしい。)なのでこの熱のコントロールが勘どころになります。

マーセルコテの取っ手もそれなりの熱さになりますので、私の手も常に低温やけどの状態で水膨れが絶えませんでした。

機会があれば舞妓さんの髪をじっくりみてみてください。結いたてだととてもわかりやすいのですが、カチカチとコテの跡がついてます。実はコテがちゃんとあたっているかどうかで、日本髪の保ちが違うのです!

そして実は!このコテの痕で、後ろ姿でもどこの髪結いさんで結ったのかわかるぐらいなのです。

まだまだコテに関することは書くことがありますが、今回はこの辺でー!





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