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はじまります

今週は旧暦のお正月を迎えますね。春節の時期です。旧暦でいうなら、年の瀬も推し迫ったというところとでもいうのでしょうか。新しい年がいよいよ始まります。よしえ食堂ができるまでということで、毎週月曜日私の半生を振り返っていますが、1月末に決断した想いを綴りました。今日は新たに立ち向かうお話しをしたいと思います。

さて何から
前回は、奈良での引っ越しをすませて、フェリーの中で原稿を書きながら、瀬戸内の海や島々を眺めながら寂しさと次への期待と不安でいっぱいになりながら福岡に戻ってきました。私は、福岡に住んで20年、居心地のよさは格別です。だから、降り立つとホッと安堵したものです。
ただ最後の1週間は、連日いろいろな人にご挨拶のために会ってました。限られた奈良での日々をお世話になった友人知人と過ごしながら、自分の想いを巡らせていました。気がつくと自分が思う以上に、体力も気力も使っていたようで、福岡の自宅に戻ると力が抜けていました(笑)。そのおかげで少しスロースタートにはなりましたが。
それでも、想いを日々整理して過ごしました。それができることって、ありがたいことだと思います。

「日常の食は非日常から」
亡き母の口癖だった「日常茶飯」「日常の食は非日常から」。それは、いつものごはんは毎日毎食、食べているとそのことが当たり前すぎて、見えなくなっているものが多くて、いったん非日常に置いて見てみるといろいろなことに気がつくというものなのです。毎日の白いごはんや、お味噌汁はなかなかしみじみといただくことが少ないものです。私の拠点でもある生活工房とうがらしは、台所だけの建物ということで、母が「日常の食を非日常の空間」に取り出して食を見直すために作ったものなのです。
フェリーで、海を眺めながらその言葉を思い出していました。私にとっての奈良は、引っ越した時点で、日常からに非日常になりました。フェリーも、通勤がわりに頻繁に往復していると日常ですが、もう乗る機会がなくなるなぁと思った時点から、非日常の空間に変わリマした。
すると不思議なもので、全てが愛おしく、もっとアレも見ておけば、コレも食べておけば、あの人にもこの人にも会っておけばと思うものなのです。フェリーも、せっかくだから露天風呂も、展望浴場も、船内の探検も、もっと楽しめばよかったなぁと思ったのです。
母が、何をきっかけにそのことを思いついたのか、今となっては定かではありません。
ただ、こうして退職、引っ越しを機に、その思いに触れるとは思っていませんでした。

日々を丁寧に
忙しいと、時間に追われ、用事に追われ、いろいろなことが雑になってきます。食べるご飯すらも、適当になってしまいます。もちろん、どんな時でも丁寧に生きていける方も多いのだと思いますが、本当に私はまるっきしダメなのです。引っ越しの荷物すらぼちぼちです。


だからそんな時は、ごはんを炊いて、丁寧におかずを作って、好きなものを食べることにしています。料理はとても正直なので、その時の私をよく表します。だからそれをいただきながら、わが身を振り返るのです。
自分の想いを整理しながら、ごはんを炊いて、おかずを作ること、それを丁寧に繰り返すのって、とても簡単なことなのに、難しいなと気がつきます。自分の身体が欲しがるものを作って、味わう。それってしあわせなことですね。

蕗の薹を炊く


実は、蕗の薹を炊きました。キクラゲと一緒に。母も大好きだったんです。これが本当においしいんです。この時期ならではの味わいなのです。雑に生きていると、蕗の薹を見過ごしてしまいます。今ではスーパーなどにも並ぶので季節が延びましたが、旬は一瞬です。身体が、冬の体から、春の体へと準備を始めたなぁって、苦味を味わうと体中に染み入るのがわかります。これが、春が本格化してくるおいしくないんですよね。この味わいは至福なんです。ぜひ機会があれば、召し上がっていただきたいです。

ということではじまります
よしえ食堂は、日々を丁寧に食を積み重ねて、おいしいものを作っていこうと思います。ごはんもいつもいつもおいしく炊けるとは限らない。お味噌汁も、お漬物も、おかずもです。でも、できるだけ、丁寧においしいものを積み重ねていこうと思います。
「ごはんはエール」。私もしっかり自分をもっともっと元気にして、エールというごはんをたくさんの人に届けたいと思います。「おにぎり握りたい!」
いろいろなコンテンツや手法は、今構築中ですので、またお知らせてします。


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