競馬徒然・名馬は名種牡馬たる

2019年7月30日に記憶にも記録にも残る名馬・ディープインパクトがその生涯を閉じ、競馬ファンとしては結構なショックにも関わらず、8月9日にはこれまた名馬たるキングカメハメハが亡くなりました。
2004年にキングカメハメハが、NHKマイルCと日本ダービーの変則2冠を達成し、驚きをもってそのローテーションを受け止めました。とうとう日本にも、アメリカ三冠のように、1ヶ月で3つのG1を戦えるような馬が出現したのかと。
キングカメハメハは、その後秋に備えていましたが、屈腱炎のため3歳で引退。その年の暮れに、ディープインパクトがデビューする星回りでした。
2004年の暮れにデビューしたディープインパクトは、その後無敗のままで3歳クラシック競走3つを制す、三冠を達成。三冠馬をこの目で見たのは、1994年のナリタブライアン以来。そして、無敗の三冠馬は、1984年のシンボリルドルフ以来ですから、人生初の出来事でした。
当時の競馬ファンで、キンカメとディープが戦ったらどうだったんだろうか、と妄想した人は多かったのではないでしょうか。
その二頭は、種牡馬となってからも凌ぎを削り、ディープ産駒が本格デビューした2011年からは、リーディングサイヤーの1位と2位で争います。
ディープ産駒は、どちらかというと父と一緒でしなやかで、超良血の繁殖牝馬との間には、数々の名馬を生み出しました。キンカメ産駒は、こちらは繁殖牝馬の特徴をよく引き出していて、芝・ダート、短距離にマイル、中長距離まで幅広い競走馬が出ました。
この二頭をそれぞれ父・母父にもつワグネリアンが昨年の日本ダービーを勝ったのは、日本の主流血脈となるこの二頭がいわゆる血統や配合の面でも中心になって、無視できない流れになるんだろうなと思ったものでした。
さて、キングカメハメハのラストクロップは、昨年。ディープインパクト産駒は、今年ラストクロップです。
この先、残された産駒がどのような結果を残すのか、そして、その子達が父の血をどう繋いでいくのか、競馬の奥深さがこれから先も見られることに感謝したいと思います。

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