見出し画像

長期金利の上昇は日本株・経済にとって良くないのか

長期金利が上昇しています。が、日本経済が立ち上がれない、歩き出せない原因になるとは思えません。

コロナ禍前からの約5年の間、株価と金利はどちらも上昇しています。長期金利がマイナスから1パーセント程度まで上昇する間に、日経平均株価は2万円程度から4万円程度に上昇したのです。このことだけでも金利上昇が株価の上昇に悪影響を与えたとは言えません。

金利上昇に伴う株価の下落は、「金利が上がると不安になりやすい、下がると安心しやすい」という市場心理に関係していて、短期的には起こり得ます。しかし、インフレが原因の金利上昇の際は、ヒト・モノ・カネが不足しているので、賃金や仕入れコストが上がりますが、ともに売上げも増えるので、金利上昇は株価には中立のはずです。

さらに、今回の日本の株価上昇では、コロナ禍対応の世界的財政拡大などを背景に、リーマンショック以来のヒト・モノ・カネの「余剰」が「不足」に転換しているとみています。企業は売上げの拡大に対応して雇用増や設備拡大に資金が必要となり、利益増加期待から株価が上昇しながら金利が上昇している自然な状態です。

また、昨年はインフレ率が賃金上昇率より高く、消費が伸びなかったのですが、今年はベースアップ率が高まるなどから賃金上昇率がインフレ率より高くなるとみられ、消費拡大、企業の売上拡大、賃金上昇継続、という好循環が期待されます。

金利が上がるから株価が下がるとみるのは誤りです。今後も好景気やインフレを背景として金利と株価上昇の両立が続くとみています。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

いいなと思ったら応援しよう!