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賃金上昇率は低下傾向、FRBの利下げは?

アメリカの賃金上昇率は低下傾向を続け、米連邦準備理事会(FRB)は9月までに利下げに入る公算が高まっています。

7月5日に発表された6月の米雇用統計では、平均時給の伸び率は3.9パーセントと4パーセント台を割り込みました。インフレが落ち着きそうだとFRBが自信を深める要因の一つとなります。

もちろんこれだけで十分とはいえません。インフレ率そのものの低下も含め、あといくつかデータを見たいと思っているところでしょう。ですから7月ではなく9月の利下げの可能性が高まったとみています。

次の興味はFRBの利下げのペースになります。早めの利下げはアメリカの景気悪化の恐れが小さくなるという効果があります。アメリカの株式市場の金利に敏感な銘柄や不動産業などを含む借入金が多い業種には支援となります。いまのところ年末までにもう一度の利下げが市場では予想されていますが、今後、インフレ率や賃金上昇率がさらに低下するかが注目されます。

今後アメリカで利下げが始まると、日本とアメリカの金利差がどのくらいになればドル高から円高に方向転換するのかが議論されるでしょう。

いまは、日米の政策金利は5.5パーセントほど差がありますが、仮にアメリカが5パーセントまで下げてもあまり金利差が小さくならないので、ドル円相場は現状のレンジで変わらないとの見方があります。しかし、日銀が政策金利を年内に0.5パーセントまで引き上げれば、さらに金利差が小さくなるとの見方が市場に台頭するかもしれません。

年末に向けてドル円の変化に注目します。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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