米国の利下げが現実になりそう
8月23日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「政策を調整する時が来た」と発言したことで、いよいよ9月にも政策金利引き下げがスタートすることを改めて織り込み、為替市場は円高気味です。
といっても、従来から市場はおおむね9月からの利下げを予想してきました。しかも、実はパウエル発言から金利を下げるペースやその後の頻度が分かるわけではありません。これは今後の失業率など雇用関係の統計と、インフレ動向に左右されます。
ただし、今回のパウエル発言でわかったことは、FRBがこれまで以上に雇用を気にするようになったことです。そもそも今回のインフレはコロナ禍対応に始まる特殊なもので、インフレに対応して引き上げられた政策金利と雇用悪化との関係は不透明 なのですが、少なくとも雇用が悪化する恐れがあるなら、FRBは利下げで住宅購入を刺激するなどしたいと思っているようです。
8月初旬に発表された7月の米雇用統計で失業率が上昇したことで、金利引き下げが意識されて大幅な円高となりました。FRBの金利引き下げはこれから1年程度かけて1パーセントほど低下し、4.5パーセントになるとみていますが、為替市場は1ドル=140~145円の水準ですでに年内1パーセント程度利下げを織り込んでいて、今後の利下げでも円高がさらに進む可能性は高くないとみています。ただし、雇用統計が意外に弱いなどとなれば、FRBはさらに大幅に金利を引き下げることになり、円高が進むリスクは残っています。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
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