中国のイノベーションは大丈夫か?
中国政府がITプラットフォーマーやフィンテック企業への規制を強化し、成長分野の企業の行動を制約するのではないかとの投資家の懸念があります。しかし、いくつかの企業に特有の問題はありますが、全体として中国政府が民間企業の成長を阻害しようとはしていないと思います。まずインターネット通販大手企業に対して、独占禁止規制を当てはめることになりそうです。これは先進国の大手企業に対しても同じ規制が検討されています。つまり、プラットフォームに出店する企業に対して、プラットフォーマーが独占的であることで、不適切な費用が要求されたりしてはいけないということですから、中国特有の問題ではないでしょう。結果として、世界のITプラットフォーマー全体が、マージン低下や合併を利用してのこれまでの急成長の継続期待が低下するリスクはありますが、中国だけの問題ではないですし、適正な競争は経済成長につながるはずです。一方で、中国のフィンテック企業の上場をめぐる混乱や成長を阻害する可能性については、既存の金融システムとの整合性などが未整理だったことで起こった金融関連に特有の問題と考えています。デジタル人民元の実用化で決済の安定を確かにすることが必要なタイミングでもあります。一般的に中国共産党政権が、大きくなった民間企業を支配し、経済を阻害する恐れとは切り離してよいと考えています。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
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■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113
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