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「黎明の学師」書籍化への道のり4

0. 目次
1.  Amazon PDO + Kindle 出版について
1.5  Amazon KDPが日本でペーパーバックの印刷開始
2. 書籍化への流れ
3. 加筆改稿・編集作業
4. 装丁について(本記事)
5. 表紙について
6. 発売までの道のり

紙本の装丁

判型

 Amazonから紙の本を出そう! と決意したあと、どんな判型で出すかについては結構悩みました。
 利用する仲介会社によって出せる判型が少しずつ異なりますが、概ね新書サイズからA5サイズまで1冊当たり同じ値段で出すことが出来ます。KDPから直接出す場合は判型サイズをカスタマイズ出来るので、例えばフリーサイズとして設定すれば文庫サイズの本も出版可能です。KDPでもA5版までサイズに依らずお値段は一定で、本の原価はページ数のみで決まります
 調べてみるとAmazon PODから出されている小説本はやはり、新書版が多いようでした。

 Amazon PODで出版できるのは現時点ではペーパバック版のみです(海外ではハードカバーもあり)。日本で出版されている小説の殆どがソフトカバー付きですので、これから自分の著作を書籍化したいと考えている方にとっては、少し馴染みが薄いかもしれません。
 私は海外翻訳小説を多く読んで来て、自作を読んで下さった方によると文章も海外翻訳小説の影響を受けているようです。ですので海外のペーパーバックのようなカッコいい装丁の本にしたい! というイメージが最初からありました。
 問題は判型をどうするかです。海外のペーパーバックのサイズに一番近いのは新書版かなあ? とも考えたのですが、四六判への憧れも捨てがたく……。
 現実的な問題として、Amazon PODから出す本の原価がページ数のみで決まることから、本の判型を小さくすれば一頁あたりの文字数が減り、ページ数が増えて単価が上がるということも気になっていました。
 四六判にしたいが、しかし四六判といえば上製本のイメージ、ペーパーバックにはどうかなあ? という迷いもあり。
 ここ数年、収納の問題から完全に電書へ移行してしまい長らく紙の本を買っていませんでしたので、久しぶりに本屋に偵察に行ってみることにしました。そこで四六判ソフトカバーの小説が沢山売られているのを見て、あっという間に「四六判ソフトカバー良いなあ!」となりまして・笑。四六判で行くぞ! と決意するに至ったのです。

本文用紙と表紙加工

 本文用紙をクリームにするのは既定路線です。ホワイトとクリームの二色から選べますが、小説本はクリームが一般的です。クリームの方が字が読みやすい、目が疲れないというのが選ばれる理由です。
 ここだけの(?)話、私にはもうひとつクリーム紙を選びたい理由があります。それは、クリーム紙の方がホワイト紙よりも厚みがあるということです・笑。
 紙の厚みは当然ながら本の背厚に影響します。「黎明の学師」は10万字程度の作品で、ページ数は200頁を少し超えるくらいです。はっきり言って、四六判の小説としてはやや薄めの本です。海外のペーパーバックは背厚が5cmくらいあるものも多くて、存在感があって素敵です。四六判としてもペーパーバックとしても、薄い本ってかっこ悪い……でもページ数が増えると本の単価が上がっちゃうというジレンマです。
 そんな私にとって、紙が厚いのは願ったり叶ったり。厚いといっても、ホワイト紙より厚いというだけで、そんなに厚い紙じゃないでしょうが、みみっちくそんなことを考えたりしておりました・笑。

 表紙は艶あり加工と艶なし加工が選べます。小説本は艶なし加工の表紙が多いですが、艶ありも好きなんだよなあ…と、ここでもまたまた悩んでしまいました。
 結果的に、現時点では艶あり加工にしたいと考えています。次回記事の「表紙について」で「黎明の学師」の表紙絵を紹介しますが、「この絵は艶ありで見せる(魅せる)べきだろう!!!」と思っているからです。

中面装丁

 中面の装丁については実際の本を参照しながら、ゆきさんと色々相談しました。
 昔に比べ最近の書籍では、文字が小さすぎず詰まりすぎていないレイアウトのものが多いです。四六判は大きめの判型ですが、一行あたりの文字数が多すぎると読みにくいというのは知られており、適度な長さで折り返しというか改行が入る必要があります。
 ゆきさんが字の大きさや一行あたりの文字数、一頁の行数などを変えた数パターンのレイアウトを具体的に作って提示して下さったので、上に書いたような内容を加味しながら、自分の好みに合い、かつ読みやすいと感じるレイアウトを選びました。(ちなみに一太郎ユーザーの方なら、自動的に綺麗なレイアウトにしてくれる機能が備わっており、困ることはないようです。余談までに。)

 この、ゆきさんと本の装丁について語り合う時間は本当に楽しかったなあ・笑。自分が装丁やデザインまで含めての本好きであることを実感しました・笑。

 中ページを冒頭だけチラ見せ!(*まだ仮原稿です)

中扉。ゆきさんに自分の持っている本の中扉を写真で送って、こういうの付けて下さいとお願いした・笑
本文1頁目。本文の文字は少し大きめで、余白も十分で見やすいレイアウト。そして…そう、実は脚注があるんです!

電子書籍の装丁

 装丁というほどのものでもありませんが、リフロー形式と固定形式があり、前者は読み手が文字の大きさや行間を自由に変更できます。私自身いつも電子書籍をリフロー式で読んでおり、好きに字の大きさを変えられるのが読みやすいと感じていますので、ここはリフロー式一択です。
 KDPではリフロー式の書籍のファイルとして、Wordデータとepub形式のデータを推奨しています。つまりWordユーザーは自分の書いたWordの文章をそのままアップロードすれば、自動的にリフロー式のKindle本を作成できるわけです。
 Wordデータを直接アップできるというのは、本当に楽だし有難いです。2段組などの複雑なレイアウトには対応できないこともあるようですが、普通に小説の文章を流し込むだけなら全く問題ありません。
 上で少しお見せしたように「黎明の学師」には脚注表記があるのですが、Kindle上での脚注の見せ方がまたカッコいいんです! 脚注の数字をタップしたらポップアップウィンドウが現れて内容が表示され、そこから脚注一覧のページに飛ぶことも出来ます。Wordの脚注機能をそのまま使っだけで、自動的にこんなカッコいいレイアウトに変換されちゃうなんて、本当に素晴らしいっ!!!

 電子書籍の装丁についてはこのくらいかなあ・笑。

「黎明の学師 混沌の惑星」冒頭の試し読みはこちらから!

遥か未来に人類が移住した惑星では、あらゆる物質に混沌エネルギーと呼ばれるエネルギーが宿っていた。初期移民である先住民は、この惑星のあらゆる物事を探求し、生命との調和の道を探る学問体系「ティエラ教義」を生みだし、惑星本来の環境下で暮らしている。一方、数百年後に移住した後期移民は、地球環境に近い人工都市を築いて暮らし、都市人と呼ばれていた。

ティエラ教義の総本山であるティエラ山に二年ぶりに帰ってきた学師のエドガルドは、「アダンの再来」と呼ばれる学徒ナサニエルと出会う。養い親である大学師プラシドから、ナサニエルは身分を偽りティエラ山に潜入している都市人だろうという話を聞かされたエドガルドは、ある作戦をナサニエルに持ちかける。
初めは己れの目的のために互いを利用しようとしていたエドガルドとナサニエルだったが、徐々に信頼関係が育まれていく。それに伴い、隠されていた二人の過去も明らかとなる。
エドガルドが生き延びた過酷な経験、ナサニエルの抱える秘密と孤独とは……!?

凄惨な過去を生き延びたエドガルドと、深い闇と孤独を抱えて生きてきたナサニエル。ティエラ山での出会いが、二人の運命を大きく変えていく。

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