ことばあつめの夜のこと
今年の1月にプレイベントを開き、以降毎月開催してきた「ことばあつめの夜」。
先日、12月の回を終え、1年がんばったなあというよりは、いつのまにか1年経っていたという感じがします。
ことばあつめの夜は、夜の本屋さんに集まったみなさんで、一冊の本を作るイベント。
店内を真っ暗にして、ランタンの灯りで過ごしながら、生まれた言葉を「ことばポスト」に投函する。それらのことばを集めて本を作り、後日お届けするというイベントです。
このイベントが始まった頃、なんとも説明の難しいイベントだな、と思っていたけれど、それは今でも難しいまま。
夜の本屋さんで、
ランタンの光で、
集めた言葉が本になって、
と、「形」を説明することにはまあまあ慣れてきたのだけれど、いまだに「意味」を説明することはとても難しい。
「なんでそんなことするの?」に対するはっきりした答えが、まだうまく言葉になっていない。
なんというか、主に「店内が暗い」という環境にこだわることの意味が、とても説明しづらいような、あまり説明したくないような感じがして、ここがネックなんだよな、といつも思う。こればっかりは体験してもらうしか……ということに、いつまでもしておきたいような思いが、なんとなくずっとあるのだよね。
とはいえこの「開かれた暗闇」というシチュエーションは間違いなくいちばんに重要なので、なにか良い伝え方ができたらいいな、と思いつつ一年経ってしまった感じです。
しかし、そんな風に宣伝はぼんやりしたままでも、継続しているとイベント自体はどっしりしてくるもので、ことばあつめの夜は一年でずいぶん頼もしいやつに育ってくれたように思います。それにはきっと、このイベントを支えてくれている作家のみなさん、七月堂のみなさんの力が大いに関わっていて、とっても月並みだけれど、本当に感謝しています。
先日行われた第10回では、
「ことばあつめの夜」
-それぞれの窓につながっている-
というサブタイトルがつき、配信を通じて、会場に来られない方からも言葉を集める形を初めて試みた。
これは七月堂の後藤さんが提案してくれた企画で、環境が重要なこのイベントにおいてかなりチャレンジングなものだったと思うのだけれど、実際に集められた言葉を読んで、本当にやってよかったと思った。ひとりであってひとりでない「開かれた暗闇」が、遠くの窓にも届いたことが伝わるような、そんな投稿が集まった。
こちらの本は、今まさに編集作業中です。もう少しかかるけれど、参加してくれた方々にお届けできるのが楽しみです。
配信にて参加していただける「それぞれの窓につながっている」は、また後日開催いたします。その際はお知らせいたしますので、ぜひよろしくお願いします。
ことばあつめの夜は、豪徳寺の七月堂古書部にて、毎月第4土曜日に開催しております。(変更の場合はSNSなどで告知します)
次回は1月27日(土) 19:30〜21:30です。
この回からことばあつめの夜は2年目に入ります。1年目を支えてくださった方々、ありがとうございました。来年も色々と作戦を立てておりますので、2年目のことばあつめの夜もどうぞよろしくお願いします。
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