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Yoko Solo Exhibition“2999”の紙選定をお手伝いをさせて頂きましたっ!(後編)

「Yoko Solo Exhibition“2999”の紙選定をお手伝いをさせて頂きましたっ!(前編)」では、2023年5月2日(火)から5月14日(日)までOZ studio渋谷で開催されている個展 Yoko Solo Exhibition“2999”の展示作の紙と印刷のご相談を頂き、作品完成までの流れを簡単にご説明しましたっ。

そして、後半は一部展示作品の「紙」と「印刷」について詳しくご説明したいと思いますので、「紙と印刷による展示作品に挑戦してみたいっ!」という方には《必見》の内容ではないかと思いますっ!!!!

6作品全て使用している紙が異なります!

前編でもご紹介したこちらの6種類の作品、実は全く異なるタイプの6種類の紙を使用しておりますっ!!!

おまけにどの紙も、紙だけで見ると、

「・・・?」

と、「本当に作品に使用している紙なの???」と思ってしまうような個性的な紙たちなのですっ!

では早速、6枚ある作品のうち、左上の(背景が黄色)作品からご説明したいと思いますっ!

クールな女の子、その作品が印刷されたのは白い紙ではなく・・・

vivid+ツヤツヤの紙「ファンタス」

まずはこちらの動画をごらんください!鮮やかな黄色の背景が見る角度によってツヤツヤ、テカテカとしているのがおわかりでしょうか? 

黄色いタイルのようなツヤツヤとした「ファンタス」という紙がベースで、その上からショウエイさんの最新デジタルUVインクジェット機で印刷されていますっ!(すごくカッコいい~!!!)
「ファンタス」という紙は色数が全部で30色ある、カラーキャストと呼ばれる紙でして、ツヤツヤした光沢が紙自体にあります。今回に作品ではその中のヒマワリという非常に鮮やかな色を使用しています!

デジタルUVインクジェット機の特徴は?

ショウエイさんのデジタルUVインクジェット機は、色域が広いためオフセット印刷よりも鮮やかな色が表現できたり、オフセット印刷と比べて様々な紙素材に印刷できるという特徴がありますが、もう一つ「ホワイトインク」を効果的に使用することで、紙色や紙の質感まで隠蔽することができるという特徴がありますっ!!!

今回の展示作品では、カラーで印刷する前に、このホワイトインクを全面に入れるのではなく、イラストが入る部分だけに使用したり、グラデーションで入れることで、これにより紙質と相まって奥行きのある作品に仕上げることができたのですっ!!!←←←ここポイントです~

こちらの作品のように、色を忠実に再現したいキャラクターの女の子には、先にホワイトインクを印刷しておき、それ以外の部分はホワイトを入れずにファンタスの色鮮やかで光沢のある質感を活かした作品に仕上がっていますっ!

「ファンタス」は全部で30色!


あえてテスクチャ―が入った紙に印刷する!

続いて、お隣の作品を間近でよ~く見みると、細かな絹目模様が入っているのがおわかりになりますでしょうか~!

懐かしさや、温かさが作品から伝わってきます!
印画紙を模して作った紙なのですっ。

こちらは「WPHOエンボス」(「ホワイト  ピー  エイチ  オー  エンボス」と呼びますっ)という紙で、紙焼きの写真に使われていた印画紙を模して作った紙になりますっ!その紙のテクスチャーがイラスト作品と合わさり、作品に懐かしさが感じられます~。

テクスチャーが入っていないスムースな紙に印刷をした方が、よりデジタルの表現に近づけることはできますが、陽子さんの作品から伝わってくる「懐かしさ」や、「温かさ」といった表現を紙がさりげなくお手伝いをしている、そう感じるのはわたくしだけでしょうか~!

箔押し???作品から虹色の光が~!

まずは、2つの動画をご覧ください!
6点の作品の中の右下のウォークマン?を聴いている女の子のイラストと、入り口に展示されいる縦長の女の子の作品を移動しながら見ると、明らかに作品からキラキラした虹色の光が発せられていますっ!実は、こちらの作品には同じ紙が使われていますっ!

作品をよ~く見て頂くと、イラスト全体がキラキラと輝いているわけではなく、細い線の部分や、女の子の髪や黒目部分などからほんのりと虹色の光が放たれていて、視線を変えるとそれに合わせて光の色も変化しているのがおわかりになるかと思いますっ!!

一見すると白い紙に箔押し加工をして、それから印刷したようにも見えるのですが、そうではなく、紙そのものが虹色にキラキラと輝く、「コンパッソ」という紙を使用しているのですっ!

こちらが作品にご使用頂いた「コンパッソ」という紙になりますっ。
コンパッソには、金、銀、パールといった様々な種類があり、その中のホログラムフィルム(レインボー)という紙が作品と同じ紙になります~。

紙だけで見ると、かなり個性の強い、一見すると「使い方が難しい紙」という印象を受けるのですが、このようにホワイトインクを上手く使用することで、上品かつ繊細で不思議な雰囲気をもつ作品に仕上げることもできるのです~!

作品の持つイメージを大切に紙、印刷による様々な表現に挑戦!

真夏の青空の下で麦わら帽子をかぶる女の子の作品には、よ~く見ると、本当の麦わら帽子のような素材の紙を使用してますっ!

《使用している紙と印刷方法》
1.「OZK」という透明PETフィルムに、麦わら帽子に光が当たっている部分以外をホワイト+カラーで印刷
2.麦わら帽子の光が当たっている部分には何も印刷がされていない状態
3.麦わら帽子のような素材の紙「ファブリック」を透明PETフィルムの「OZK」下に敷き、重ねることで完成!

「OZK」(透明フィルム)と「ファブリック」(麦わら帽子のような素材)の2枚重ね!
こちらがファブリック ( 柄名:パナマ )になります。柄は全部で5種類
これも広い意味では紙なんですっ!

更に、紙だけではなく印刷でも~!

ショウエイさんのプリンティングディレクターの提案で、ホワイトやニスを部分的に厚盛りして立体感を出すなどして、印刷でもさりげなく、しかし細かなところまでこだわった作品に仕上げておりますっ。

何とよく見るとレース部分がホワイトインクで厚盛されていますっ!

というわけで今日は、ただいま開催中のイラストレーター陽子さんの個展Yoko Solo Exhibition“2999”の展示作品の紙と印刷についてご説明いたしました~。

展示会は5月14日(日)まで開催していますので、これから展示を見られる方は、ぜひ紙、印刷にも少し目を向けて頂き、アナログな紙だからこそ伝えられる表現を楽しんで見て頂ければと思います~。
ありがとうございました~。


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