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Toporus-F (トポラスF)の見本帳ができるまで【後編】

引き続き紙谷 刷太郎ですっ!Toporus-F(トポラスf)の見本帳ができるまで【前編】では見本帳制作メンバーのご紹介と、見本帳制作の最初の工程となるオフセット印刷までをご説明しました~。後半はデボス、エンボス、箔押しと、抜き加工についてご紹介しますっ!では早速~!!!

②デボス、エンボス、箔押し加工

加工立ち会いのお話に入る前に違いがわかりにくいデボス、エンボスの違いについて簡単にご説明差し上げますっ!

・デボス(型押し、空押し)
簡単に言いますと、箔押しの箔を挟まずに押す加工のことです。凸版を箔押しの機械にセットして圧と熱をかけて押し、紙(絵柄)を凹ませる加工になります。特に嵩高の厚い紙やラフな紙肌の紙、パール塗工した紙(あと忘れてはいけないOKフロート!)などにデボス加工を施すことで押された部分の紙質が変化して、押されていない部分の紙質との差が生まれて、目立させることができます。

・エンボス(浮き上げ)
デボスが凸版だけ用いるのに対して、エンボスは凸と凹の2つの版で紙を挟み込んで紙(絵柄)を浮き上げる加工になります。エンボス加工の注意点としては、特に薄くて硬い紙の場合は加工時に紙が割れたりシワが入ることがあり、紙との相性が重要になってきます。デボスと同様、特に嵩高の厚い紙にエンボス加工を施すと、浮き出し部分を目立たせることができます。

泰清紙器製作所さんでの立ち会いの様子ですっ!アートディレクターの野田久美子さんにも再び同席して頂きました!(野田さん、毎度ありがとうございました~、そしてお疲れさまでした~!)

パッケージツールに押された箔押しを細かくチェック!

Toporus-Fは紙に空気を多く含んだ嵩高といわれる紙になるため、デボス、エンボス加工では特に大きな力を発揮しましたっ!!!また見本帳のケースに入るロゴの細ーい線も、とてもきれいにしっかりと浮き上げることができましたっ!デボス、エンボス、箔押しはToporus-Fが得意とする加工であることがよくわかりました~!

Toporus-Fロゴ部分がエンボス(浮き上げ)加工になります!
圧の加減や、位置合わせなど丁確認しながら丁寧に進めていただきました~

③抜き加工

そしていよいよ、最終工程となる抜き加工に入へ~!

トムソン型、ビク型と呼ばれる木型になります。
これだけ見てもどんな仕上がりになるのかなかなか
想像できないですね~

まずは上の画像をご覧下さいっ!

幾何学模様ですごくカッコいい~!!!

こちらはパッケージやPOPなどを打ち抜くときに使用する抜き型になります。ベニヤ板をレーザーでカットして溝を掘り、その溝に刃を埋め込んでいるのですっ!刃の周りには(オレンジ、ブルーの)スポンジが付いていて、紙を抜いたときに型の中に紙がはまらないようになっていますっ!

まるで迷路?こちらは2つ折りカードの抜き型になります~
はたしてどのような形に仕上がるのか~

せっかくなのでもう少し細かいところまでご説明したいと思いますっ。

茶色い板が筋押し部分の受けになるベーク板です。
これを下に敷くことによりしっかりと筋押しの線が入り、
紙を折るときに折りやすくなるのですっ。
手前のテープで固定されているものは「当て」になります。

さきほどご紹介した抜型に対して、こちらは型の「受け」側になります!鉄板にベーク板を貼り付けていますっ。これにより筋押し部分の筋がしっかりと入って、折り曲げがしやすくなるのです~。鉄板の手前に2つ、左奥に付いているものは「当て」になり職人さんが1枚1枚手で機械に紙を入れていきます!

1枚1枚職人さんが紙をセットして抜いていきます!
非常に無駄のない美しい動きです!

抜き加工時に注意しなければならないのは、機械を通した際に起きる紙剥けや、組み立てたときに起きる筋押し部分の割れ、あとは抜いた紙をむしった際に起きる剥離などがあります。今回はそうしたトラブルは起きず、順調に仕上げることができました~!(いや~、順調に仕上がって一安心ですっ!)

事前の微調整があってこそ~

実は、抜き加工の本番に入る数日前に、サンプルカッターによる試作で見本帳に収録されるパッケージサンプルや、二つ折りのカードを折ってみたところ微調整の範囲とはいえ、修整しなければいけない箇所がいくつかありました。本番の加工の時間が迫っていたこともあり、わたくし紙谷が急いで泰清紙器製作所さんに伺い、気になる箇所をその場で修正し、サンプルカッターで何パターンかの形状を切り出し微調整を繰り返して最終の型を決定したのでした~。泰清紙器製作所の佐々木さんには本当に感謝ですっ!

調整、サンプルカットを何度か繰り返し、
組み立てやすさをとことん追求しました!
気がつくと微調整でできた大量のサンプルたち!

そして最後のセット作業までを泰清紙器製作所さんにお願いし、入校から約3週間かけてToporus-Fの特別な見本帳が完成したのでした~!!!!!!

野田久美子さんにはToporus-Fという名前に決まる前から(確か5月、6月あたりだったかと~)見本帳について相談をはじめていたので、半年以上かけて、相談に乗っていただいたことになります。長期にわたりご相談に乗っていただき、本当にありがとうございました!

野田久美子さん(右)本当にありがとうございました~!!!

このように多くの方々のご協力により完成したToporus-F見本帳は、12月から本格的に配布を始めておりますっ!ショールーム「ペーパーボイス東京」でもツールの一部を展示、配布していますので、ご興味のある方はぜひショールームまでお越し下さいませ!

新商品「Toporus-F(トポラスF」をどうよろしくお願いしますっ!!!!!

12月から本格的に配布をはじめています!

前編、後編にわたってお読み頂きましてありがとうございました~、紙谷 刷太郎がお伝えしました~。


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