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CURIOUS Exhibition "WAVING FLAG"制作過程(中編 繊細過ぎる箔押し加工に度肝を抜かす!)

こんにちは紙谷 刷太郎ですっ!ようやく秋らしいさわやかな季節になりましたね~。本日は CURIOUS Exhibition "WAVING FLAG"で制作する箔押し加工による小型グラフィックの制作の様子をお伝えしたいと思いますっ。では、さっそく参りましょう~!!!

69種類の大漁旗カードを作る!

まずは紙と箔の種類についてまとめた下記の表と3種類の絵柄をご覧くださいませ~!結論から申し上げますと、

何と1つの大漁旗カードに対して2種類の異なる箔を使用し、全部で69種類のカードを作ることになりました~っ!!!!!

デザイン3種類に対してキュリアス メタルN 13種類、キュリアス スキンN 5種類、キュリアス マターN 5種類の合計23種類の紙を使用するのですが、使用する2種類の箔を紙の種類ごとに変えることになり、結果として箔も18種類使用することに!!!

紙は全部で23種類、そして箔は全部で18種類!
合計69種類の大漁旗カードの紙と箔をアートディレクターの
宮前 陽さんがセレクト!
デザインA データのスミ部分に箔1、箔7、箔13が押されて、
データのブルー部分に箔2、箔8、箔14が押されます!
デザインB データのスミ部分に箔3、箔9、箔15が押されて、
データのピンク部分に箔4、箔10、箔16が押されます!
デザインC データのスミ部分に箔5、箔11、箔17が押されて、
データのブルー部分に箔6、箔12、箔18が押されます!

この複雑な組み合わせにコスモテックさんでは、紙と箔の種類を間違えないよう事前に綿密な準備がされていて、加工当日は準備万端!(いやー、さすがですっ!)

箔の押し間違いが内容、紙と箔が整理して並べられていましたっ!
箔の種類は全部で18種類、これだけ多くの種類の箔を見るのは初めて!

改めて大漁旗カードのデザインを見て頂くとお分かりになると思うのですが、2種類の箔のみで大漁旗の絵柄が構成されていて、実はかなり加工の難易度が高くなります。そのため現場の職人さんが1枚1枚丁寧に仕上がりを確認しながら、また紙の種類や箔の種類に応じて、何度も調整しつつ加工されていたのが印象的でした~!

現場の職人さんが仕上がったカードを注意深くチェックし、
その都度機械を調整して、完ぺきな仕上がりに!
2色目の箔が押されて完成した大漁旗カードを前に、一緒に立ち合ったアートディレクターの
宮前 陽さんも想像以上の仕上がり!と紙谷同様に興奮気味でした!

アートディレクターの宮前 陽さんもおっしゃっていましたが、この大漁旗カードで使用した箔はどれもかなり個性が強く、2つの箔が押されて仕上がってくるまでは、完成の想像が全くできないため、仕上がる直前まで正直なところかなり不安がありましたが、仕上がったカードを見ると一瞬で不安も吹っ飛びましたっ!宮前さん、さすがです~っ!!!

「紙と加工の組み合わせによる表現は、仕上がりがなかなか読めないのですが、そこが紙加工の面白さかもしれない!」と感じました~。

超絶繊細、封筒の箔押し加工!

大漁旗カードを入れる封筒もキュリアスシリーズで作ることになり、ここで登場したのが半透明のトレーシングペーパー「キュリアスTL-N」という紙でした!トレーシングペーパーは紙の表面が硬いことから、トレーシングペーパーに箔押し加工は基本的に難しいと言われていて、箔押し加工会社さんによっては加工ができないと断られることも。また封筒に押す箔押しのデザインを見せて頂くと、かなり繊細な線画になっていて、これはさすがに綺麗に仕上げることはできないのではないかと思いました!

その封筒に押す箔押しのデザインがこちら~!

こちらが封筒のデザインです!おそろしく細い線と細かな点でできた波を
箔押しのみで表現するということで、非常に難易度の高い技術が求められました!

これにはさすがのコスモテックさんも「かなり気合いを入れて取り掛からないと~!」と厳しい表情でおっしゃられて、今回の箔押しがどれほど難しい加工であるかが紙谷にも伝わってきました~。

事前準備と、繰り返しの微調整で最終的に完ぺきな仕上がりに!

そしていよいよ封筒の箔押し加工に入りますっ!箔押しに使用する版も通常の版とは異なり、また箔のムラを取るため、鉄板にも様々な調整が施され、万全の状態で加工をスタートしたのですが、それでも最初の数枚は箔を押した全面にムラが出て、箔が乗って欲しいところが掠れて箔がきれいに乗らなかったり、逆に箔が絡んで線や点が潰れてしまったりと、綺麗に仕上がりませんでした!

やはりトレーシングペーパーでここまで繊細な表現は無理なのかもしれない、と半ば諦めていたのですが職人さんが何度も何度も機械の圧力や熱を調整し、また箔の種類を変えるなどするうちに徐々に精度が上がってくるのがわかりました!!!

細い線や細かい網点が掠れて箔が乗らなかったり、
逆に箔が絡まって抜けてほしい部分が潰れているのがわかります。

調整を重ねること数十分、下の動画を見て頂くとわかるように、キュリアスTL-Nの上に繊細な海の波の線画を美しく表現することができたのでした~っ!!!今回もコスモテックさんの技術の高さに助けられました~、ありがとうございますっ!

どこにどのようなムラが起きているのかを細かくチェックしてその都度機械を微調整。
何種類もの箔でテストをして、紙との相性を確認します!

企画当初の予定では、封筒の紙はキュリアスTL-Nだけで考えていましたが、キュリアスメタルNを使用したゴージャスな封筒も作ろうという話になり、最終的にキュリアスメタルNから3色(レッドラッカー、インク、スーパーゴールド)を追加して合計4種類の紙に、シルバーとゴールドの2種類の箔を使用し、合計8種類の封筒が無事に完成しましたっ!

どの封筒もめちゃくちゃカッコいい仕上がりに!
ぜひ会場でご覧ください~!!!

CURIOUS Exhibition "WAVING FLAG"制作過程について、前編、後編でまとめる予定でしましたが、箔押しの立ち合いの様子をまとめているうちに、つい熱くなってしまいました!ふぅ~。

大判ポスターの紙と印刷については、次回ご説明したいと思いますっ!大判ポスターの印刷はオフセット印刷なのですが、平台校正機というおそらくあまり知られていない印刷機を使って印刷しているので、印刷機についても触れたいと思いますっ。本日も長文をお読みくださりありがとうございました~。

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