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新年のご挨拶 ー 巳年に思う ー

あけましておめでとうございます
2025年は「巳年」

巳年の張子/折形デザイン研究所

へびといえば、子どもの頃、「白蛇を見ると良いことがある」と、放課後に近くの神社で友だちと白蛇探しをしたことを思い出します。
その神社にある千本イチョウ(国指定天然記念物)には白蛇が棲むといわれ、姿を見たものは、幸福・財運を授かるという古くからの言い伝えがありました(*1)
推定樹齢1200年といわれるご神木は『江戸名所図会』にも記録されて、大きな木を見上げながら、「大昔の人たちもここで白蛇を探していたのかな」などと子どもながらに思ったものです。

子ども心といえば、、、「12支のはじまり」というお話があります。
神様から1年の大将をまかせる12匹とその順番を決めるといわれ、動物たちが1番を目指して神様の元へ向かうのですが、その中に動物それぞれのキャラクターが見えるシーンがあります。
ねずみは猫に嘘を教えたり、牛の背中に乗ってちょっとズルをして1番でゴールをするのですが、5番と6番を争うへびは「お先にどうぞ」と龍に先を譲るのです(*2)
「そんな優しいところも、へびが神様に愛された理由なのかしら」
なんて、想像をしてしまいます。

現在、世界には3000種類以上のへびがいるそうです。
森、砂漠、海、地中、木の上などさまざまな環境で暮らすことができるのは、細長いその体に秘密があるのだとか。
生物の進化を見ると、鳥が翼を持つように新しい機能が加わることによって繁栄するようなケースがほとんどですが、へびはもともとあったとされる脚をなくすことで繁栄をしたレアケース。
環境問わずニョロニョロと、どこでも暮らせるたくましさ、見習いたいものですね。

改めて干支を十干十二支でみると、今年は「乙巳」です。
乙(きのと)は「木」の要素を持ち、草木がしなやかに伸び、横へと広がっていく意味を持つそうです。
巳(み・へび)は、神様の使いとして大切にされてきた動物であり、脱皮を繰り返すことから「復活や再生」のシンボルともいわれています。
また、「巳」という漢字は、胎児の形を表した象形文字で、「起こる、始まる、未来がある」などの意味があります。

へびをイメージしながら重ね合わせると、なんだかとても良い年になりそうな予感がしてきました!

2025年が皆さまにとって、たくさんの笑顔と希望が溢れる年となりますように。
そして、紙の使い方が広がり、美しい和紙を含めた紙文化が復活・再生し、私たちの日常が美しい紙で溢れる年になりますように。
そんなワクワクの年になるよう、へびのような謙虚さを忘れず、マイペースにニョロニョロと、前に進んでいこうと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

*1  全国にこうした白蛇の言い伝えがあるようで、神様(弁財天)の使いとされているようです
*2  絵本によって若干エピソードが違います

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