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ねあんでる カミシモ2考③

みんな~~カミシモロスに、ねあんでる?悩んでないで、アーカイブ配信見よう。
28歳男です。カミシモ2を3回みて虜になりました。
今日は、木津つばさ氏と中尾暢樹氏のコンビ・ねあんでるについて考えます。そのネーミングや立ち回り、ネタの難易度などは抜群。現実も舞台上も勝手しやがる先輩たちの中で熱く輝く、次世代のエースの魅力に迫ります。

普通にイケメン 木津つばさ氏


「チャンネル登録 お願いしまァス!」

(アアッ…後ろの酔狂…)

木津つばさ氏
1998年1月7日(24歳)、広島県出身。KETEL所属。
舞台『東京リベンジャーズ-血のハロウィン編-』で主演の花垣武道役を熱演し話題を呼ぶ。
本作ではYouTuber出身芸人のねあんでるのツッコミ担当千波未明(せんば・みはる)役を務める。大変な主演が続いたからか解放的な演技でトリッキーな役を飄々とこなしている。独特の半角カタカナのような発語(イェア、ヘェイ、ヤーなど)や小刻みな動きなどを繰り出しパーリーピーポーを快演している。しかもSNSも上記のように、おじさんたちの中でスノウ的な加工をして役柄を推したファンサができる真面目秀才だ。
本作ではチャレンジングな動画投稿を続けてきたところ相方が、バズりが目的化してしまい本来の自分たちのやりたいことなどが揺らいでいるところ、未明があの頃に戻れる無人島ロケ企画に向き合う中で相方と共に自分たちの夢を再発見するとても爽快な役柄である。
一方で序盤は先輩芸人らを煽るヒールとなっている。この辺りの敵が味方になる感じも爽快だ。とにかくどこにでもいると嬉しい普通にイケメンである。私は初めて知ったが、初見では一番好きになった役者さんだ。詳述するが芸が細かい。そして可愛いし普通にイケメンである。

普通にイケメン 中尾暢樹氏


「ちげーよ ライバルだよ」

(アアッ…後ろの酔…!ハァ!!?

中尾暢樹氏
1996年11月27日(26歳)、埼玉県出身。ワタナベエンターテイメント所属。
ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』で主演の うずまきナルト役を担い勢いに乗っている。なんなら髪型パクってないか!?
ブレーンとしてバズり芸を繰り出すYouTuber出身芸人でボケ担当の黒旗晩役。尖っているキャラということで髪型もとがっている。よく動くがよく髪は固まっている。
お笑いへの憧憬と、YouTuber出身芸人はなめられるという常識/偏見から、屈折した人物像で登場するが、最後には先輩芸人の思いや実力に触れ、芸人として舞台で生きる決意をするに至る。
派手な見た目だが、コンビのブレーンであることから、あらゆる所作は計算済みな感じで立ち振る舞うのであまり前には出てこない。こちらも前記ノノクラゲの狭間と同じタイミングで、芸人への憧れを爆発する。
がたいがよいが、目立ちすぎず、体幹がブレないしちょっと低めで語り掛けるような声もいいし、笑顔もいいし、普通にイケメンである

(お誕生日おめでとうございます。)

ドラマへの期待 2人は仲良し

2人の詳細な出自は明らかになっていない。なので、今後描きようがいくらでもあるということだとニヤついている。ドラマ版ではおそらく芸人の無駄なこととかをバカにする発言等を行いおそらく大阪代表を怒らせる。そこに俺たちの荒牧慶彦氏もしくはお前たちの和田琢磨氏が何か諭しにくるのようなシーンが容易に想像つく。がために、それを超える演出はあるのか、ドラマでは2人を追いかけたいので見せ場をお願いしまァス!

さて現実でも2人は共演歴もあり息はぴったりだ。舞台『東京リベンジャーズ』が二人ともあるけどそこなのかな?

相方役が木津つばさであることはちょうど舞台の共演中に知ったので、「またかよっ!」って軽口叩きながら(笑)。芯を持った男なので信頼していますし、コンビとしてやれることにワクワクしましたね。
【舞台カミシモ2】公演パンフレットより中尾暢樹
元々お笑いが好きということもあって「やる側」となることにプレッシャーは感じましたが、相方役が共演経験のある中尾暢樹くんだと聞いてありがたく思いました。予想外ではあったのですが、ポジティブに「楽しくなるでしょ!」と言い合えたので良かったなと。
【舞台カミシモ2】公演パンフレットより木津つばさ

一番の若手だが、一番安心して見られた。速攻で目立つことも、影で先輩を立てることもうまく、アドリブも堂々とこなすし、それぞれの座長の舞台を観に行きたいと思った。
一方で、仲が良いというのは、身内ノリが発生しやすくもあり、私のような初心者からするといわゆる”ワチャワチャ”は極力避けてほしいものなのだが、そういったこともなく、しっかりと「お互いを信頼している仲良し」を演じていて改めてよかったと思い起こす。

ねあんでるのネタ① なぞなぞ

ねあんでるはリズムネタを物語冒頭で行う。最後のネタ披露はそれをアップグレードしたものでいく、ということになっている。
いずれのネタでも決め台詞は「センキュッ」であり、二人そろって左右に飛び出し、そのまま舞台上をゆっくりと一周するという心臓の剛毛が清々しい徘徊芸を見せる。これはおそらく界隈で流行している。

ちなみに冒頭のリズムネタはパンフレット曰くセリフだけ与えられているらしく、「だからこそなんでもできるな」(中尾氏)ということで、動きはリズムは2人の創作という。ある程度は勉強して用意したはずで、末恐ろしい2人である。以下、その冒頭のリズムネタが25秒から(サムネは気にするな)。

他の芸人は複雑なネタが多いだけに、シンプルに言葉と勢いで笑いをとるという役割に対する真摯な姿勢に感動した!センキュッ!!

ネタの流れ(ネタバレ注意)

なぞなぞを出し合う2人だが、なぜか黒旗は未明が出題を終える前に回答するので未明はだんだんいじけていく。一方、黒旗が出すなぞなぞは若干トンチが入っていて未明はだんだん変な気持ちに……
最後に出すなぞなぞは、雨夜、電柱に女性が立っていてなんだか怪しい…声をかけられてやりとりをして。ふと顔を上げると次の瞬間、いなくなっていた!?なーんだ、という戦慄狂気の出題がなされて…?

ということで、ところどころでリズムネタや勢いネタが投入されるため、彼らの漫才が一番疲れる(疲労度でいうと別だろうが)。基本的には常人なパーリーボーイが鬼畜なパーリーボーイにかく乱されていくということである。あの狂ったネタばかりもつ先輩たちと同じ舞台でやるんだという思いも感じ取れ、初見ではラストに出てきたこともあって本当に泣いた。
本ネタは一方で黒旗の狂気とまさかなぞなぞで怖い話をし始めるの…?といううまいフリが仕込まれているので普通にとても見やすい。

ねあんでるのネタ② バイト

こちらは①よりももっと動きが多い。おそらく、二人でたくさん研究したのだろうと思う。一方で情報量が多いこともあって、たまに置いて行かれる。置いて行かれたところで「センキュッ」「……」(舞台上を一周)という無を生み出すので、そこで緩急をつけて挽回できるから、もう強いコンビだ。

ネタの流れ

YouTubeだけじゃ食っていけないよ、バイトしようと未明に、黒旗が、政治家や医者など、弩級の専門職のロールプレイに巻き込む。

ここでは、政治家だけど急に生い立ちを話し始めてお母さんをやる黒旗に付き合って子どもの役をやる未明が出てくるが、こうした切り替わりが非常にうまい。まいなびニュースはなぜここを切り出したのか分からないが、以下2分49秒あたりから。(サムネは気にするなぁぁぁ!!!)

ともかく千変万化する二人は一見の価値がある。

2人の役 ねあんでるの役名

さて、後述キャラソンの歌詞にこうある。

黒旗「ねあんでるでるでる
ねあんでる @メンションして」
未明「名前ヘンって?計算済みです」
キャラクターソング
「あいつが上手で下手が僕で」シーズン2 EPより「bememe+81」(作詞・みきちゅ

「悩んでる?」というネタがあり、そちらの韻かと思うが、ネアンデルタールという説を妻と考えた。
我々ホモサピエンスからすると、むしろ旧世代の人間なので、彼らはYouTube、逆転していることからの皮肉か…?と思ったのだが、調べてみると、「ネアンデル (Neander) とは、彼の姓ノイマン (Neumann、"新しい人") のギリシア語訳である。」というような話もある。ねあんでるこそ”新しい人”で、黒旗は黒船なのか…という考えが膨らみワクワクしてきた。
キャラソンの名前はmeme(ミーム)であり、進化生物学で使われている用語だ。詳しくはうまく語れないがネットミームで宇宙猫とかよく聞くと思うが、多くの人がそれを理解できる言語の体系という感じ?
ミームが「進化」する仕組みを、遺伝子が進化する仕組みとの類推で考察できるということである。
それをバズろうとする新しい人たちが繰り出すって、これ、何大学~~~!!!???

ねあんでるのキャラソン『bememe+81』

さて、恒例のキャラソンだが、本作はメリハリを考えて
あっさり(エ) こってり(ラ) あっさり(メ) こってり(ね)
という配列だというのはここまで考えてきた(ネタは逆)。
ラストワルツ同様かなり作りこまれていて歌詞も多い。まず構成は以下。

  • サビ

  • Aメロ

  • Bメロ

  • サビ(歌詞変え)

  • Cメロ

  • サビ(歌詞変え)

  • ねあんでる…(を繰り返す)

  • Dメロ

  • サビ(歌詞変え)

  • ねあんでる…(変え)

歌詞は最初は「吐いて捨ててルールなんて Yeah」ととがっていたところから、
黒旗「尊敬してる先輩たち」
二人「ハイハイハイまだ追いつけない」
と、最後のサビでは出てくる。これは、まさに物語で行われた彼らのマインドセットの変遷である。ぜひキャラソン買ってほしい。万が一ストリーミングがあるなら、3曲目と5曲目は最低でも!!
なにより、その、自分たちが悩みながらバズり芸から先輩たちとともにネタをやるんだ!と、悩みが解消されていく様子が、実は上の「ねあんでる…」と繰り返される音の動きに出ていると筆者はみている!!
調号に自信がないが

1回目のねあんでる
2回目のねあんでる

ということだ。最初は5度で上下し、悩んでる感じ。
次は5度上がって上がりっぱなしなんです。
最初は悩んでたけど、先輩の背中を追いかけ始めてもう悩んでない、という曲なんですよ、おい作曲・犬太郎ぉぉぉぉ!!
また、タイトルの「+81」は「バイ」ってこと!?そんなネットミームな俺たちにバイバイ……ってこと!?ウ・ワ・ワ ウワ

キレキレのダンスとアドリブ アイドルを超える縦横無尽

2人はダンスもキレキレだ。最初に見たとき、本業はアイドルの方たちなのかなと思ったくらいだ。しかも顔に余裕がある。顔が変わらない必死ダンスのベテランとは全く違う。
とても爽快感があって、とにかく魅了されてばかりだった。「炎上さえ承知の上 マーケティング」という歌詞の「グ」で下がりながら親指立てて自分を指す中尾氏はまじでかっこいい。

なにより、彼らは長セリフもあるのだが、その陰で、先輩どもがいらぬ動きをしていることも多い。それでも彼らに惹きつけられた。アドリブも多くある。特に荒牧氏に「配信時代、どんなすごいことしてたんだ!?」と振られることに対して木津氏が答えて中尾氏が重ねる、というところはすごい。
私が行ったときは(うろ覚え)
①全く知らない会社の社員旅行に行った→飲み明かしたぜ!
②知らない大学の新歓サークルに行った→盛り上げたぜ!
③海で2週間過ごしたぜ→さすがに窒息しかけたが、カメと友達になったぜ!
など、正直シンプルに面白かった。ここは溺れて意識を失った主人公が復活するシーンの後で、シリアスからの転換の役目がある。③は溺れた主人公のことも考えている感じで優しい。
毎回の引用で申し訳ないのですが、こちら桃氏をご参考いただければアドリブの多さも見えるだろう。

そして何より、3回目に私が見たとき、木津氏は、ネタ中の「センキュ!」の一周で顔芸を入れてきたのだ。大阪公演で、観客の反応が違ったのかもしれないが、流れに合わせて様々な引出しを引き出せる。そしてその受けがよかったのかラストのセリフで感極まりすぎている木津氏に中尾氏が観客にかわって突っ込むところも大変よかった。二人の仲の良さ、というより相性のよさが抜群に発揮された名舞台である!!

「これはオレの人生のリベンジだ」【花垣武道】
間違えた、
センキュッ!!!


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