日本酒由来の保湿成分の美容への効果とその科学
なぜ酒作りの職人の手は綺麗?
私たちが日本酒の美容効果について語るとき、しばしば杜氏(酒造りの職人)の美しい肌が引き合いに出されます。
この美肌効果の要因は何でしょうか?
答えは、日本酒独特の保湿成分「α-EG(α-エチル-D-グルコシド)」にあります
α-EGは日本酒に含まれる一種の糖類で、その保湿効果は古くから知られてきました。この成分が皮膚に与える影響についての理解は、科学的な研究により進んでいます。
最近の研究によれば、α-EGは低濃度・短時間の使用でも、高い保湿効果を得られることが明らかになりました。これまでにない発見です!
保湿だけではない?
α-EGが皮膚に提供する保湿効果だけでなく、さらに深い層での働きも見つかりました。
それは、コラーゲンの生産を促進するという役割です。
コラーゲンは皮膚の保湿効果を発揮する主要な成分で、真皮層の線維芽細胞によって生産されます。
α-EGは非常に低濃度であっても、この線維芽細胞を増やし、結果としてコラーゲンの生産を高めることができるという驚きの結果が得られました
石川県の地酒の特徴
さらに、α-EGの含有量についても興味深い発見がありました。
石川県の地酒には全国ブランドの日本酒に比べてα-EGが多く含まれていることが明らかになりました。
地元の酒造メーカーが長期間にわたって酒母(酒を作るための基となるもの)を作ることにより、酒に含まれるα-EGの含有量が増加することが分かりました
これも石川県の歴史ある酒作りから生まれた奇跡でしょう
日本酒や酒粕の未来
α-EGを含む製品の開発は、美容産業をはじめ、さまざまな分野で新商品の可能性があるのではないでしょうか?
日本酒の美容への効果は、それが保湿成分であるα-EGを豊富に含んでいることによるものですが、その他にもさまざまな成分が関わっています。
例えば、日本酒の濾過過程で生じる副産物である酒粕にはビタミンE、アルブチン、フェルラ酸などの成分が含まれており、これらは肌を明るくし、肌の老化を防ぎ、肌の水分保持能力を高めることが知られています
さらに、酒粕には脂肪蓄積を抑制する可能性もあります。一部の研究では、酒粕成分が脂肪細胞(アディポサイト)の脂肪蓄積を抑え、インターロイキン6(IL6)の発現を低下させることが示されています
これらの発見は、日本酒とその副産物が美容と健康に対して複数の有益な効果をもたらす可能性を示しています。
これらの成分が持つ潜在的な効果を最大限に活用するためには、さらなる研究が必要です。
しかし、すでに確認されているこれらの効果からも、日本酒とその副産物が美容業界における価値ある資源であることは間違いありません。
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