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43ミニカーこの1台 フェラーリ312B

ブルム Ferrari 312B  G.P. Austria (1970) 1° Jacky Ickx

今回は1970年のF1オーストリアGP優勝車のフェラーリ312Bです。耐久レース用の車「フェラーリ312PB亅が主要コンポーネントを流用したベースのマシンでもあります。以前noteに「312PB」を記載した時に、車名に「P」の文字があるのと無いので随分形が違うものなんだなあ、と気になってました。今回、撮影モデルとして取り上げた素朴な理由です。

フェラーリ312PB
フェラーリ312B

外観はかなり違いますが、カラーリングは近いですね。

モデル

ブルム社から2000年前後に発売されたリバイバルシリーズ、製品番号R312です。ミニカーの製品番号と実車の車体名の数字が偶然にも(偶然なのかな?)一致してます。

ブルム社のフェラーリ312Bのバリエーションは、リバイバルシリーズとしてオーストリアGP出場車のレガツォーニ車(R312B)、イタリアGP出場車の3台(R313)、anteprima serieのモデナテスト仕様(A003)などがあります。
オーストリアGP仕様とイタリアGP仕様の相違点はカーナンバー表記、シェルのデカール位置、ウィンドシールドの形状等です。

フロントウィング、ロールバー等が成形色そのままでオモチャっぽい部分もありますが、ボディやホイールの色合いは当時のF1の雰囲気をうまく表現されていると思います。エキパイがこすりそうな位に低い車高や丸見を持った形状ながらもスリムなボディの造形もなかなか良い出来です。

ボディの造形、タイヤサイズ、車高、塗装、すべていい感じ
ロールバーやウィング類が成形色のままなのが残念

裏返してみましょう(撮影している中でミニカーが一番危険な状態)。

ボディ下面は黒色、エンジン下部は以外にも細かく造形されてます。

このフェラーリ312B、ブルムのフェラーリF1の中では出色の出来かと思います。

実車

1970年のオーストリアGPでジャッキーイクスが優勝したマシンです。マウロ・フォルギエリ設計、水平対向レイアウトの12気筒エンジンをボディ後方に突き出したビームの下に吊り下げる方式を採用してます。

312Bは5台製造されて、1970年の13戦中4戦で優勝(イクス3勝:シャーシ№001、レガツォーニ1勝:シャーシ№004)、ラスト2戦となったワトキンスグレンまでイクスはドライバーズタイトルの可能性がありましたが燃料パイプ破損でタイトルを逃しました。タミヤのビッグスケールシリーズでもモデル化されていたのに残念でしたね。

312Bは翌1971年も第4戦まで使用され、第2戦の南アフリカGPではマリオ・アンドレッティが優勝してます。

撮影

今回も撮影ブース内でLED照明とアルミ蒸着PETフィルムを使い撮影してます。
照明
・VILTROX「 L116T」
・Ulanzi「VL120RGB」

背景
五条製紙さんのアルミ蒸着PETフィルム
・№319-1(明るめのシルバーでつや感抑え気味)
・№317(購入当時、五条さんの中で反射率最高レベル)

まずは背景紙№319-1から。
奥側の暗い領域をどこから作るかちょっと試行錯誤。ボディ、ウィング、エンジンの質感をリアルに写して模型カタログ風な感じに。

真上からメインライト、手前からフィルイン

次に背景紙№317。ほとんど鏡面なので関係ない物の写り込みに要注意です。エンジンのカムカバーの照射を強めにしてクローズアップ。

車体左後部の上方からメインライト、手前(車体右)からフィルイン。
SS1/40、絞りf22、焦点距離70㎜、WB4500K。

312Bは当時、最も美しいシングルシーターの一つとみなされていました。その特徴となるセミモノコックシャーシや12気筒エンジンの魅力を少しでも引き出せる様に色々トライしてみました。
ブルムのミニカーは見た目はおもちゃっぽいけど、写真にするとちょっと見映えが良くなって嬉しいです。

70年代のF1、特に葉巻型の時代の車はシンプルな造形がすごく魅力的ですね。

出典:AUTOCOURSE HISTORY OF THE GRAND PRIX CAR 1966-85 by Doug Nye




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