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反転授業動画公開:比較制度第11週「移民政策」

反転授業の予習としての動画を公開します。比較制度の第11週「移民政策」の講義です。

講義の概要
1.日本の移民問題:概略
2.日本の移民問題の背景
3.「外国人技能実習制度」
4.日本の「改正入国管理法」
5.技能実習に代わる外国人材の新制度「育成就労」

私はこの授業で、伝統やイデオロギーの話は一切していない。そういうものではなく、日本の経済・社会の現状を直視することが大事だ。

まず、日本の少子高齢化と製造業、建設業や農業の労働力不足の問題を概観する。労働力不足を補うために、本来は海外支援政策として行われてきた「外国人技能実習制度」を使ってきたこと、その制度下で、人権侵害問題が起こってきたことを説明する。

日本で技能実習生の労働環境が劣悪である一方で、中国、韓国、台湾で外国人に対するよりよい労働環境や高い賃金が得られるため、外国人労働者の獲得競争になり、日本に来る実習生が減少していた。

その結果、本来保守派である安倍晋三政権は、支持者である中小企業や農業の強い要望を受けて、2019年に入管法を改正し、初めて外国人の単純労働者の受け入れを決めた。

それでも、日本は近隣諸国に労働者獲得競争で勝てない状況である。岸田政権は、技能実習に代わる外国人材の新制度「育成就労」を導入した。

いわゆる「移民の受け入れ」に反対する人は保守派を中心に多いわけです。その主張自体は理解するが、では受け入れない場合、どんな対案があるか、私は聞いたことがない。ある国会議員とかに直接聞いたことありますよ。答えはあやふやで、何も中身がなかった。

仮に保守派がいうように、教室にいる女子学生が全員、家に入って結婚し、子どもを産んだとしても、その効果が現れるのは、早くて20年後である。

その間の20年間、どうするのかということだ。20年も耐えてたら、国滅びますよ。「日本人は伝統とともに名誉ある死を選ぶべき」というのかもしれないが、それこそかつての無様な「竹槍戦法」と同じ精神論ではないですか?

AIの開発やデジタル化、ロボット化で業務を効率化し、人手不足を補うというが、それこそ岩盤規制だらけで遅れに遅れているわけでね。

エッセンシャルワークを日本人自らが勤勉の美徳でやるのだというかもしれないが、それこそ、日本の会社などの高度職業人は中国人など外国人に占められて、日本人は使われる立場になるのでは?

まあ、移民が入ると社会が乱れるという人がいますが、欧州に住んだこともない人が勝手なことを言ってますよね。確かに、いろいろな人がいれば、いろいろな問題が起きます。でも欧州はそういう問題の経験を蓄積して、総じて成熟した、よくできた社会。少なくとも日本よりははるかに住みやすい。

実際に7年住んだ、私が言うんです。

英国など、出産に1ポンドもかからない。3-4日で大丈夫だって病院追い出されますけど(笑)。老人が生活に1ポンドもかからないというのだ。

どうしてこう、庶民に対して金回りがいいんだろうね。経済状況は悪く、政権交代が起こる状況だし、経済自体も日本の方がはるかに規模がでかいのにね。日本はどこが間違っているのだろう?

などなど、言いたいことはたくさんありますね。私は右でも左でもない。伝統もイデオロギーもどうでもいいんです。そんなもののために死ぬつもりはありません。社会の現実の話をしたいと思いますね。

尚、この予習後の教室での「質疑応答ライブ」は、今学期が終了し、受講生の課題提出が終わった後に、公開予定です。

「反転授業」がどのようなものかの説明はこちら。



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