(総選挙総括2)サイレントマジョリティの「戦略的投票」があった。
さて、今週はダラダラと小出しに総選挙総括をしていきたいと思う(笑)投開票日当日、私は野党支持者に対して「政権交代のために戦略的投票を!」と、ささやかながら呼びかけた。
もちろん、そんな呼びかけなど誰に届くわけではない。ただ、自民党・公明党の連立与党が過半数割れという、予想を上回る「大敗」の背景に、「戦略的投票」はあったのかは興味深い。
すべての選挙区の結果を詳細に分析するようなことは、もちろんできないので、印象レベルの話ではあるが、「戦略的投票」はあったと思われる。
ただし、それは各政党のコアな支持者ではなかったようだ。
彼らに「政権交代のために戦略的投票を」と呼びかけても無理だ。全国の駅前とかで候補者の周りで一生懸命ビラを配り、演説に盛り上がってる人たちにクールになりましょうといっても、聴いてもらえない。
全国の選挙区の結果をちらちらみたら、下位の候補者には、コアな党の支持者の票だけがきっちり入っている感じが並ぶ。そして2番目に自民党の候補。そして、一番にコアナ支持者だけではなく、サイレント・マジョリティの票をしっかり獲得した野党候補が当選しているケースが多いように思った。
要は、野党候補それぞれにまんべんなく票が分かれるというより、野党候補の中で1人が票を獲得して勝っているのだ。
これはつまり、サイレント・マジョリティが「戦略的投票」を行ったということになる。
簡単な事例じゃないが、うちのカミさんの当日の投票行動を観察してみた(笑)。典型的なサイレント・マジョリティである。
投票所に行く。小選挙区のボックスで、候補者の名前を左から右にみる。まず、「今回は、自民はないね」と考える。次に野党候補の中で、一番勝ちそうな候補を考える。勝ちそうなは難しいなら、いい感じの候補かもしれない。立民が調子よさそうだとか、玉木さんがいい感じだから国民民、かもしれない。そんな感じで投票する。
こういうのが効いたのではないですか?(笑)
何度も書いているが、サイレント・マジョリティはいまや5-6割。圧倒的多数派である。選挙の結果を左右するのは、左でも右でもなく、この人たち。
今回は、政党のコアな支持者が、無邪気に自党の候補を応援して内輪な盛り上がりをしていた(時には、他の野党を攻撃していた)一方で、本当に一回自民にわからせないと生活が大変と真剣に考えたサイレント・マジョリティが「自民以外に勝ちそうな候補者は?」と考えた「戦略的投票」が重要だったと考える。
この無邪気な「コアな政党支持者」と、真剣な「サイレント・マジョリティ」の意識のギャップこそが、日本社会・政治の本質的で深刻な問題なのかもしれんですね。
それでは、明日以降も総裁選総括、続きます。