英国流離譚:人生を変えた留学:日本留学準備編(8)1日のスケジュール
(2000年4月上ー中旬)
この頃、私の1日のスケジュールはこうだった。私は埼玉県の東武線沿線に住んでいた。
大体、朝6時頃起床。シャワーを浴びて、7時頃家を出る。
東武線から地下鉄日比谷線乗り入れで秋葉原乗り換え。秋葉原からJR線でブリティッシュカウンシルのある飯田橋へ。大体、朝8時半に着く。
飯田橋駅近くのハンバーガー屋に入る。ここで朝食を取りながら英単語の勉強をする。9時には授業が始まるので、ブリティッシュカウンシルに移動。授業は午後4時まである。
午後4時からはブリティッシュカウンシル一階の図書館に移動して勉強を始める。毎日各授業の最後に、大量の宿題が出されるので、それをこなすのが第一。
次に、6月中旬に受験するIELTS試験の準備を少しずつするのが第二。
図書館に揃えられた英国の各大学の学校案内をみて、願書を出す学校と学部を選ぶのが第三。
そして、情報交換が第四だった。1日の授業が終わった後、図書館に残って勉強するのは私1人ではない。ほとんどのコースメートがそのまま残って勉強するのである。
だから、この図書館とその入り口にある喫煙コーナーが我々の情報交換の場となった。
後から思うと、この情報交換がとても役に立ったのである。情報交換が始まったのは、コースが始まって1ヶ月ほどたち、緊張がほぐれてきたころであった。
要は、1ヶ月ほどたつと、館内では英語をしゃべらなければ、という強迫観念にも似た義務感が次第になくなり、先生の目を盗んで日本語で仲間同士話し始めたからである。
そうすると、ブリティッシュカウンシルの人間からは決して得られなかっただろう有益な情報が入ってくるようになった。
その内容は後日書くとするが、要は英国留学に日本人を導くブリティッシュカウンシルにも、それを受け入れる英国の大学側にもそれぞれ思惑があったということである。
その思惑とは、つまり留学生にできるだけ長い期間留学してもらうこと、もっと端的に言えば大学に学費をたくさん払ってもらうように導くことだ。
具体的に言えば大学院進学を考える場合、大学院に直接進むのではなく、1年間大学にある「大学院進学準備コース」に入学することを大学からもブリティッシュカウンシルからも強く奨められるのだ。
この「大学院進学準備コース」経由で大学院に進むと、直接大学院に進んだ場合の2倍の学費を大学に払わないといけなくなる。
特にロンドン大学の各カレッジは露骨で、ほとんど大学院に直接入学することを認めない姿勢であった。ブリティッシュカウンシルには、ロンドン大学の各カレッジの「大学院進学準備コース」からたくさんのリクルーターと呼ばれる人間が勧誘に来ていた。
ロンドン大学に関しては、大学院への直接願書提出すら拒絶しているような露骨さがあった。
まあ、英語が完ぺきにならないと留学しても苦労するだけだから、留学するなら2年間かけてしっかりとやるべきというのは正論ではあったのだが。。。。。
わたしも最初、この「大学院進学準備コース」への進学を考えていた。
それが当然だと思っていた。その考えを変えたのは、この喫煙コーナーでの情報交換がきっかけだった。
これについては、後ほど詳しく書く予定だが。ブリティッシュカウンシルは午後9時に閉館する。それまで図書館で勉強して、帰宅した。
午後10時頃家に着いて、12時くらいまでもうひと頑張りして、寝る。
これがこの頃の私の日常だった。