SorAZ 新曲「Scale the walls」感想(自分のブログから転載)
この曲は、アニメソングのようにカッコいい曲を世に送り出してきたSorAZの新境地であり、到達点なのでしょう。
これまでと大きく異なる、曲全体を貫く爽快感は、「壁」を乗り越えた先に見える、「壮大な未来」の景色を象徴しているかのよう。
サビで否定される「意味のない評価」に実体はない。それを乗り越えられる可能性を君は秘めている。真実の景色はどこまでも果てしなく広がっている。
——そんなメッセージを感じました。
そらちゃんのまっすぐ引っ張っていくようなハイトーンボイスと、どこか儚げなあずきちの歌声。
両者はお互いのイメージカラーである青とピンクのように、支え合って華やかなハーモニーを生み出している。
駆け上がるようなサビのそらちゃんパートの魅力も、瞑想的なあずきちの声によって支えられ、成立している。
先ほど「真実の景色」と書いたのは、恐らくあずきちの歌声に影響されてのことでしょう。
朝、夢から醒めて瞳をゆっくりと開いてゆく。このような静けさを感じたのです。行動ではなく、認識。
そらちゃんの歌声を動とすれば、あずきちのそれは静。
行動を起こして初めて見える景色。けれどもそれは元々、ごく身近に、いつもあったような感覚。
もちろんその行動は決して無駄ではない。
こうして言葉を紡いでいると、南泉斬猫という禅の公案を思い出しました。自分の解釈はどうも、仏教の影響を受けすぎているのかもしれません。
ですがとにかく私には、無明の微睡みからスッと目が覚めるような、そんな爽やかな曲に思われたのです。