おいしい本「ありのまま飯」 day4
日清のカップヌードルを食べたいなぁ、となるときがたまにあって、それは、ラーメンを食べたいなぁ、という気持ちとは似て非なる。同じようにヒガシマルのうどん出汁が飲みたくなったり、一平ちゃんが食べたくなったりも。ごはんって豪華さや丁寧さでは語れない、いろんなおいしさがある。
きょうは「ありのまま飯」。
このワードはday2にも取り上げた雑誌『ku:nel』を紹介したくて浮かんだのでした。なので、今回は『クウネル』です。『クウネル』は2016年に大幅なリニューアルを行い内容がガラッと変わってしまったのだけど、私はそのリニューアル前の『クウネル』を今も全巻大事にしています。
パッと無作為に抜き取ったこの五冊も、もう何百回も繰り返し読んでいるから全ての表紙にノスタルジー。「銀座わがまち。」「アロハー。」「捨てないはぎれ。」……いつもコピーも簡潔で可愛いんだ。
特集もだいすきだったけれど、私が特別だいすきだったのは真ん中の紙質が変わるあたりの連載ページ。教えてもらったレシピを紹介する伝言レシピは参考の宝庫だし、だれかのお弁当を盗み見できるのはたのしいし、いろんなひとがまいにちのご飯を一ヶ月レポートする見開きはわくわくが止まらない。学生時代、この一ヶ月のごはんをレポートするゲストに出たいなぁって夢みてた。きっと自分が出たらここぞとばかりにすきなお店に行ってエンゲル係数が跳ね上がり、全然ありのままを出せないだろうなぁ。
ときにはインスタントラーメンや、シンプルなトースト、あたためただけのホットミルクなんかが登場するのも『クウネル』らしいいいところ。みんなが知ってる味や、いつも簡単に腹を満たしてくれるメニューへの安心を『クウネル』はたくさん教えてくれた。
どの号だったか、仲直りのときになにを食べるか? を、母娘やカップルたち何組かがエピソードを交えて紹介する企画があって、あぁ、やっぱり食べるってしあわせだなぁと思った。そのことが何年も何年も忘れられない。