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発達障害と過眠症の関連論文が少ない理由

過眠症と発達障害との関連は広く知られています。

当団体の独自研究上では過眠症の患者さんの中で2/3くらいの方が「発達障害の確定診断を受けている」もしくは「発達障害の傾向がある」という状況です。

当団体の独自研究では
過眠症の患者さんの中で発達障害は

1/3位が診断を受けており、
1/3位が「傾向がある」とご本人が証言されており、
1/3位が全く傾向がないという状況です。

例えば、当団体が過去に開催していた過眠症交流会に出席された患者様の中で9名中8名が「発達障害の診断を受けているもしくは発達障害の傾向がある」ということもありました。

しかし、発達障害は過眠症とこれだけ関連が強いと予想されるにも関わらず、発達障害と過眠症に関する論文が海外からほとんど発表されていません。

私は海外の講演会にも顔を出しますが、過眠症の併発症状として発達障害の話題が全く上がらなくびっくりしたことがありました。
英語話者は日本語話者と比べて人口が約10倍です。
理論的には英語圏の方が日本語よりも約10倍研究が取り上げられやすく、進みやすいということです。
英語の論文の数が少ないものであれば、総合的な論文の数は少なくなります。


この件に関して私は「海外の発達障害の定義が日本に比べてかなり狭いものであること/日本の基準であれば診断を受けている症状の患者さんが海外では診断を受けていないこと」が原因であると思いました。

私は海外/英語圏に8年以上住んでいました。
私の感覚では海外の発達障害の診断基準は日本よりも遥かに厳しいものです。
発達障害の人口は海外の方が日本国内よりも少なく見積もられています。
海外では日本であれば発達障害の診断を受けていたはずの患者さんが診断を受けていないような状況です。

この件に関する原因と思われる事項を次に並べます。

■英語圏に日本のような単一民族国家は珍しいものです。
別の文化の人が多く集まる状況で空気を読めない発言をしても文化の違いと受け取られ、問題とは認識されにくいものです。

■英語圏では日本のように真面目な人が相対的に少ないのです。
そのため、例えば、日本国内では発達障害の症状として問題視されている、時間を守らない、期限を守らないという症状は海外では問題になりにくいです。時間を守らない期限を守らないは海外では健常者でも結構当たり前なことで普通に受け入れられます。

■英語圏は日本と比べ一般的な学力レベルが低いものです。
アメリカの高校生は日本の中学生くらいのレベルの勉強をしています。
私的に「学歴社会」は日本ならびにアジア圏の文化です。海外でも英語圏でも「学歴社会」は存在しますが、それは出身校の学位と学んだ内容によるものであり、日本のような出身校の偏差値やランクやブランド名によるものではないです。
海外では日本と違い、学力が低いことが社会的にも問題視されない傾向にあるのです。
例えば、英語圏では九九の語呂がないので、私が海外に住んでいた時、日本人が一桁の掛け算を一瞬で行うとびっくりされます。私の個人的な経験では英語圏では成人でも立方体の展開図が描けない人が普通にいました。アナログ時計が読めない人も確率の計算ができない人もいました。このように、日本であれば学習障害だと認識される症状が海外では普通であると認識されます。日本では気づかれてしまう学習障害も海外では気づかれにくいものです。
例えば、私は個人的に下記の企画は仕込みゼロだと信じています。

◾️日本よりも社会福祉制度が手厚い国が存在します。
浪費癖があり、旅行、ショッピング、ギャンブルなどお金を使ってしまい、どんな大金を持っていても借金まみれになる人。遅刻が多すぎて解雇される人。ついさっき伝えた指示を忘れてしまうので、仕事の指示を聞いて仕事を行うことができない人。日本よりも豊かで社会福祉が手厚い国であれば、こういった素質を持っている方がすぐに日本の生活保護にあたる制度を申請でき、国からお金を貰い暮らすことができます。
日本よりも社会福祉制度が充実している国では、日本国内で暮らしていた場合に低収入で子供や家庭が持てない素質を持っている方々でも普通に結婚して子供や家庭を持てるのです。

■日本の労働環境は海外に比べて過酷なものです。
日本語の「過労死」Karoshiという言葉が日本語のまま英語圏で使用されるほどです。例えば、日本では24時間営業のお店も多いものですが、海外では休日しっかり休みを取られる傾向にあります。
発達障害はロングスリーパーや過眠の症状や慢性疲労の症状を発症する方が多くいらっしゃいます。ロングスリーパー(毎日10時間以上の睡眠時間が必要な体質)は日本国内であれば問題視されます。一方で海外ではロングスリーパーの方がいらしても、その症状は問題視されづらいということです。

■日本国内では高学歴の有名人の方がADHDやアスペルガー症候群を公言されていたりします。
しかし、海外では発達障害は一般学級に通えない/支援級に通うような症状であると認識されており、一般学級に通っていた人が発達障害を併発する可能性があるという認識があまり浸透していません。

こういった状況を総合して踏まえると、海外の研究での発達障害は日本よりもかなり過小診断されているのです。日本国内の発達障害の人口を集計することがあれば、海外よりも遥かに人数が多くなることが予想されます。

こういった状況なものですから、私は発達障害と過眠症に関して海外の研究が進むことはあまり期待できないと思います。

私は、発達障害と過眠症に関する研究を行うのは日本の研究者であるべきであると考えています。

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