私のコロナ禍就職活動
就職活動を終えて二か月近く経ちました。
記事にもしましたが、私はコロナ禍での就活を乗り越えて志望業界の内定を手にすることができました。
そんな私の就職活動の全貌を、可能な限りお話したいと思います。
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私は新卒、つまりは21年卒の学生です。
現役で今の大学に入って応用化学を学び、約一年間の留学をして卒業を半年後に控えています。浪人・留年はしていないので今年で22歳になります。
私が実際に本格的に就職活動をしていた期間は1年ほどですが、就職というか私の将来に関わる私の思考転換ポイントは複数あるので、長くなりますが読んでいただけると嬉しいです。
時系列
大学1年生
「就職」について初めて現実味を帯びて考えたのは大学1年生の時。入学してすぐに行われた学科のガイダンスで、大学院に進学するか就職するか、今の希望や考えを問われるアンケートがきっかけでした。
当時の私は迷うことなく進学の道を選択。絶対に就職する!と言い張る友人に対して「どうして院に行く気がないのに理系の学科を選んだのだろう?」とさえ思っていました。
理系はみんな大学院に行く。そうしなければ技術職や研究職には就けない。そう思っていましたし、その認識は現実と大きくずれてはいません。
ただ私は何か夢があったり具体的なビジョンがあって理系職を希望していたわけではなかったのです。化学を勉強するのだから、将来は化学の道に進むしか選択肢がないのだろう。そう思っていました。
私が所属する大学では、1~2年生向けのインターンシッププログラムが用意されていました。夏休みに行うものですが単位も取得できますし社会を知る良い機会だと思い参加しました。
私が参加したインターンは、理系公務員のお仕事をされている団体のものでした。
そこで私の考えは少し変わりました。
決まった業務を毎日こなしていく姿に私はどうしても惹かれなかった。
私たちの日々の生活を支えてくださっている仕事なのは重々承知でしたが私が将来携わりたいと思えるお仕事ではなかった。
そのインターンシップに参加したことをきっかけに公務員について、また理系の現場で働く仕事についてさらに調べて自分なりに考えましたが、どうしても私がやりたいとは思えませんでした。
ここで、私が「やりたくない仕事」のカテゴリーにいくつか条件が追加されました。大きな進歩でした。
同時期、私は映画「忍びの国」を観ました。
この映画は私にエンタメの世界への夢を思い出させてくれたきっかけの作品なんです。
作品は時代劇ですが、現代へと問題提起をするメッセージ性のある作品で、エンドロールを観ながら「私はこういう仕事がしたいんだ」と強く思ったことを今でも鮮明に覚えています。3年前のことです。
エンタメ作品を通じて、何かを伝えたい。人の気持ちを変えたい。そんな思いが芽生えたのが大学1年生の頃でした。
大学2年生
大学2年生になり、私は英国留学をしました。
就職に有利に働きそうだからとか、化学の知識を英語で高めたいから、なんて理由ではありません。ただ単に今と違う生活がしてみたかった、それだけでした。就職のことなんて少しも頭になかった日々でした。
そこでも気づいたことがあります。
「私は日本のエンタメなしでは生きてはいけない」ということ。
海外では、大好きな日本のテレビドラマも映画も演劇も見られません。それが自分の思っていた以上につらかった。私はそれだけ日本のエンタメ作品が好きなんだと痛感しました。
当時はそれに気づきながら、エンタメに携わる仕事をしたいとまでは思わず、「海外で生活するのは厳しいな、日本で働きたいな」と思った程度でした。
大学3年生
帰国して、日本でまた化学を勉強する日々が戻ってきました。そこでまた考えが変わったんです。ここまでずっとなんとなく大学院に行こうと思っていた私ですが、日本で実験や勉強を再開すると不思議なことに「楽しくない」と感じてしまったんです。
留学中、何もかもが楽しくて新しくて、毎日が楽しかった。そんな日々を送れていて幸せな気分でしたし、生き生きしていました。ですが日本ではそんな素敵な毎日を送れていなかったことに気づいてしまったんです。
原因はなにか。それは、そもそも「化学を楽しめない」から。
大学院に行くことを現実的に想像したとき、もうやりたくないと思ったのが正直な感情です。
そしてたまたま、私の周りにも男女問わず理系学部卒就職希望の友人がとても多かったんです。彼らが私の就職への後押しになりました。
大学3年生、6月。就職活動を本格的に再開しました。
まず始めたのは学内の就活に関するあらゆる説明会への参加。
ここで何となくの就職活動の流れや全体像をつかみました。
そして学外で開かれる合同説明会への参加。
ALL業界のものからエンタメ限定、理系学生向け、女子学生向けなどなど、とにかく少しでも興味のあるものには片っ端から参加しました。
同時にインターンシップへの応募も開始。
合同説明会で案内があるところがほとんどなので、エントリーをしてマイページを獲得したらエントリーシートを記入して応募。
夏休みは1dayのインターンシップの予定でカレンダーがいっぱいになりました。
「エンタメ業界」に希望を感じたきっかけが、クリ博ナビ主催のエンタメ業界限定の合同説明会でした。
少しの興味で参加した説明会でしたが、それに参加しなければ私はスタートがもっと遅れていたか、エンタメ業界への就職なんてしていなかったかもしれません。
そして、自分でも気づかぬままなんだか少し物足りなさを感じたまま就職して仕事をしていたかも。
エンタメ業界は厳しいとはよく言われることで、倍率が高いのは痛いほどわかっていました。
そのため私は一つの業界に絞るのではなく、複数の業界を見ていました。食品、医薬品、化粧品。主にメーカーの営業職です。全く軸の違う就職活動がここから始まりました。
夏だけでなく、1~2月も1dayインターンシップに多数参加しました。
インターンに参加することで、業界研究、企業研究が進められます。
私はこれらを通してさらにエンタメの世界への憧れを強めました。
自己分析も同時に行っていました。
私が活用したのは、キャリア美人という会社が開催している自己分析講座です。
女子学生のキャリア形成のバックアップをメイン業務としている会社なので講座は女性限定ですが、そこでは就活に限らず自分の人生の軸というか、根本の思考や人間性から見つめ直すきっかけをくれるんです。
たまたま出会った講座ではありましたが、私が大切にしたい思いや自分自身の気持ちに向き合うことができたのでとてもよかったと思います。
ただ何もかもさらけ出すような感じで、包み隠さず自分を出すので、それが是か非かは人によりますね。実際、素の自分や裏(?)の自分を自己分析のまま面接で話して落とされたことは何度もありました。
3月、私が参加したインターンの企業が、インターン参加者の早期選考を開始しようとしている最中でした。
新型コロナウイルスの蔓延。
スケジュールは見事に波に押されるかの如く後ろにずれました。
ですがそのおかげというとなんですが…エントリーシートを練る時間、企業研究をして面接に備える時間をたっぷり確保できました。
私は複数の業界を受けていたこともあってエントリー数では60社を超え、実際にエントリーシートを提出したところでも40社ほど、面接をした企業は20以上。とにかく準備に時間と労力がかかりました。
エンタメ業界の特徴かもしれませんが、手書きのエントリーシートを求められることが多いのです。なおさら時間がかかりました。
自粛期間中は起きて→企業研究をして→面接をして→反省をしての繰り返し。エントリーシートの期限が延長されたところに提出をすることもありました。受験期並みにずっと自分の机にいました。
私の内定先の企業の採用面接は4回ほど。多い方だとは思いますがエンタメ業界では比較的普通です。グループディスカッションが取り入れられることもこの業界は多いかもしれません。
そんな中で合否を受け取るタイミングもあるわけで。
面接の日に他社の不合格通知を見たときは最悪でした。やる気が出ない、今まさにもう泣きそうなのに面接の時間は刻々と迫る。準備をしなければ。接続テストをして待機しなければ。もちろん100%の力を出せずにその日の面接は不合格でした。
不合格通知からの立ち上がり方法は記事にしているのでよかったら。
さて、数々の企業の新卒採用試験を受けてきた私ですが、総じていえることがあります。
楽しかった。
もう一度やりたいかと聞かれたら答えはNOですが、思い返してみたら意外と楽しめたんです。
自分を見つめ直すこと、自分自身のことや将来について熟考すること、友人と語り合うこと、弱さを認めて誰かに頼ること。
就活を通じて経験したことか感じたことはきっとこの先の人生を支えてくれる気がするんです。
そんな真面目くさい話でなくても単純にいろんな社会人の方とお話をする機会って今までなくて新鮮でしたし、いろいろな業界や企業のことを知っていって面白かったんですよね。
就活しているその時はつらいこともあるけど、意外と乗り越えられたりするんです。泣いて落ち込む日々もそれなりにありますが、そこから立ち直るタフな精神も培うことができたんじゃないかと。
結果が良かったからそんなことを言えるんだと言われればそれまでなんですがね。
なんだかんだ幸運なことにいろんなことをうまく進めてきてしまったので挫折経験などが無くて、これから私の人生が崩れかけることがあったときにうまく対処できるか少し不安です。
コロナ禍の就職活動は先行きが不透明すぎて不安でいっぱいでした。
それでも乗り越えられた。働き出してこれからどうなるか楽しみです。