10月8日(火)に放送されたNHKドラマ10「宙わたる教室」を、遅ればせながらNHK+で今観ました。
実はリアルタイムでドラマの後半から観たのですが、前評判通りに良かったのでNHK+で観ようと思っていたところ、下記の記事があったので早速観たのです。
「この様子を見ていた藤竹は、彼がディスレクシアという学習障害である可能性を伝える。つまり、文字の読み書きに限定した困難が生じているということ。この障害の存在が明らかになったのは最近で、親や教師、本人も気付かずに大人になるケースが多かった、と藤竹は続ける」
小林虎之介さんが演じる柳田岳人が勉強が苦手だったのは、この学習障害によるものでした。以前、似たような症状で悩んでいる人をテレビで見ていたので何となくは知っていました。
しかし、その時は「可哀想だな」と思っても、しばらくすれば忘れてしまいます。身近にそういう人がいない限り、そういう人の存在を忘れてしまうのです。
おそらく、今こうしている時にもこの症状で悩んでいる人はいるのでしょう。そして身近に理解してくれる存在がいないとすれば、ただの「勉強が苦手な人」としてのレッテルを貼られるわけです。
発達障害に関しては理解されるようになり、早期発見で対処する方法があるそうです。この症状が発達障害に分類されるのか、あるいは全く別の障害なのかはわかりませんが、広く周知されるきっかけになったこのドラマはすごいなと思いました。
「岳人は、この話を聞いて涙を流した。最初は自分が怠けていたわけでも努力が足りなかったわけでもないことに安堵した涙なのかと思った。だが、違った。岳人は悔しがっていた。なんでいままで誰も気づいてくれなかったのか。原因がわかっていたら、もっと対処できていたかもしれない。親から「努力が足りない」と言われることも、「不良品だ」と捨てられたおもちゃに自分を重ねることもなく、横目で眺めていたグループで歩く大学生たちのような生活を、自分だって送れていたかもしれないのだ」
藤竹(窪田正孝)は、良かれと思い岳人に障害の事を話したのですが、彼の反応は意外なものでした。「知らない方が良かった」と言うのです。今日までの失われた時間を取り戻す事が出来ない現実が辛いからです。
これを観ながら、自分もよく「良かれと思って」やっている言動が、その人にとっては良くない結果をもたらすかも知れないと思うと少し怖くなりました。
でも、岳人にどんなに反発されても藤竹(窪田正孝)は動じる事なく、彼に関わろうとする姿を見て、自分も頑張ろうと勇気をもらいました。