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「もう本当に歩けない」と「本当にもう歩けない」の違いについて

 私は毎日、ニコニコ動画に朗読の動画を投稿しています。

 主に、怖いお話ネットさんがブログで公開している「怖い話」を朗読しています。

 その中の一つである「ジョギング中に熊と遭遇した結果 ○| ̄|_」を朗読していた時の事です。

 このお話では、ジョギングの途中でクマに出くわして逃げた時の一部始終が語られていますが、文章の後半になって次のような記述があります。

「死に物狂いで逃げていた時、川を渡ろうとして足を滑らせ全身を岩に打ち付けてしまい、もう本当に歩けない状況だった」と。

 ここまで読んで私は、違和感を覚えました。

「もう本当に歩けない状況だった」

 文字で読むとそうでもありませんが、声に出して朗読してみると何故かしっくりこないのです。

 投稿者は「もう歩けない」と言いたいところを、「もう本当に歩けない」としています。「歩けない」と言う事を更に強調したくて、「本当に」と言う言葉を付け加えたわけですが、どこか違和感があります。

「本当にもう歩けない状況だった」

 「もう」と「本当に」の順番を入れ替えるとしっくりきます。「もう歩けない」という状態を言いたいのに、「もう」と「歩けない」を分断してしまったからおかしかったわけです。

 普段から文章を読む時に「朗読するとしたら」と考えながら読むクセがついているので、こういうちょっとした表現が気になってしまいます。

 美しい文章はそれだけで芸術作品です。せっかく良い内容が書かれているのに、誤字脱字などのせいで「残念だなぁ」と思う事がよくあります。

 これからもnoteでたくさんの芸術作品に出会う事を楽しみにしています。

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神野守
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