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【アカペラで歌ってみた】桐谷健太「海の声」
桐谷健太さんの「海の声」をアカペラで歌ってみました。
この歌を元に書いた短編「若き日の思い出」は【切ない恋愛短編集 8】の80話になります。
【切ない恋愛短編集 8】の「はじめに」を引用します。
第七十一話の「夏の日の恋」は、高校生のラブストーリーです。この作品、よく考えてみると「切ない」と言うより「胸キュン」ですね。どうしてこれを「切ない恋愛短編集」に入れたのか、自分でもよくわかりませんが、主人公の女の子の胸の内が「切ない」感じに思えたのかも知れません。
物語は、一人称の独り語りで書いています。主人公の心の中を表現したい時によく使います。彼女は同級生の彼の事が好きなのですが、恥ずかしくて告白できません。教室の中でもずっと彼の事を見つめているし、放課後の部活の最中にも彼の事を目で追っています。
憧れの彼はサッカー部。物語の中では、どうして彼の事が好きなのかは書いてありませんが、きっと彼は人気者なのでしょう。いつも周りに人がいて、引っ込み思案の彼女はなかなか近づけません。眩しすぎる彼の事を遠くから眺めているだけで、彼女は幸せだったのです。
この時点で、なんか切ないと思いませんか? きっと彼女は自分に自信がなくて、積極的に人に話しかけられない。活発な女子が彼に話しかけている姿を見て、羨ましいと思っていたはずです。彼は彼女の事が好きだったわけですから、それなりに魅力的な女の子だと思うのですが、自己肯定感が低い彼女はそんな事を知る由もありません。
ある日の帰り道、彼女は彼に「一緒に帰ろう」と誘われます。歩きながらいろいろと話しかけられるのですが、彼女は緊張してうまく話ができません。「せっかくのチャンスなのに」と、きっと自己嫌悪に陥った事でしょう。この不器用な感じがまた、「切ない」なあと思ってしまいます。
主人公はいつも受け身の立場です。「一緒に帰ろう」と誘われて彼についていきます。そして雨が降ってきたから「あそこに入ろう」と言われてバス停の中に入ります。次には「好きな人、誰かいるの?」と聞かれてドキッとします。いつも彼からのアクションを待っている感じです。
良くも悪くも運命というものは、行動しないと変わりません。「好きならば告白して、脈がなければ次の人にチャレンジする」こういう人の場合は道は拓けていくと思いますが、好きな人が振り向いてくれるのを待っていてはなかなか思い通りの結果には繋がりません。
この本の「切ない」物語の主人公たちは、受け身で待ちの姿勢の人たちが多い気がします。奥ゆかしくて、私としてはそういう人が好きです。愛すべきキャラクターたちの「切ない」物語を、どうかよろしくお願いいたします。
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