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朱色の子守唄⑦

「留守番電話サービスに接続します」

俺、狼谷はコロナというものに疑問を抱いていた。あれは本当にウイルスなのか?もっと違う何かなんじゃないか?そう思った。突然の発症、突然死、犬に噛まれたような痕...オカルトとしか言いようがない。俺は大学の同期だった篠宮に急いで連絡をつけたかった。だが彼女も忙しいのだろう。

「もしもし!?篠宮、狼谷だ。
至急連絡が欲しい。空いた時間に連絡を下さい。お願いします」

俺は編集長の死からずっと調査を続けていた。コロナの死者とされる人物は世界中で毎日のように報告されていた。そして死亡した中に犬に噛まれたような死斑がある者がほとんどであった。ありとあらゆる考えうる限りの脅威...病原体についての資料に目を通したが、コロナに似たものは見当たらなかった。そして考えたくはなかったが、これに霊的な何かが関わっていると考えた俺は旧知の篠宮に助言を求めたのだ。しかし、やはり向こうも忙しいのだろう...篠宮からの折り返しは来ることはなかった。

「もう21:30過ぎか...これ以上いるとやべえな」

そう思った時だった。携帯に着信が入る。見ると見慣れない番号からであった。地方ナンバー?俺は何となく電話に出た。

「もしもし...狼谷ですが」

すると受話器の向こうから安らぎを与えるような優しい声が聞こえて来た。

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