ミクさん(仮名)の話。 彼女には、特定の恋人はいないが性行為を同意しあった「エッチの練習相手」がいるという。その相手と関係を持つようになってからのミクさんの話である。 「セフレとは違うんですよ?なんて言うかな〜お互いに年齢差もあるけど、ほっとけないし、なんか自然にそういうことしちゃうんですよね」 至って明るくミクさんは語る。 その噂の彼というAさんは近所に住むサラリーマンで、彼と出会ったのはミクさんがまだ中学生の頃であったという。毎朝、同じ時間、同じバスに乗り合わせる若い
大学へ向かう途中で、雑木林を通る部分があった。今は住宅地に変貌したその雑木林に井戸があった。電車は必ずそこだけはゆっくりと進んでいった。おそらく時間調整とかの意味もあるんだろうな?とばかり思っていた。 大学でもその路線を使う生徒はかなりおり、当時の恋人だったMもそのうちの一人だった。そんな彼女が妙な話をしてきた。 「あの井戸のところにボロボロな学生服を着た皮膚が真っ赤な小学生くらいの男の子がいたのよ」 それは夕刻だったそうだ。Mは同じゼミの人たちと何気なくその電車に乗り合
「本日、世田谷区豪徳寺付近の路上で男性の轢死体が発見されました。何度も車で轢かれた跡があり、ブレーキ痕もないことから強い怨恨が伺えます...」 アナウンサーは今日も他人事のように淡々と原稿を読んでいる。感情というものがこの人にあるのでしょうか? 私はタクシードライバーとして各地を転々としております。ただ私は、以前の事故の影響で顔に大火傷を負っておりますので専ら夜、夜中に営業しております。ありがたい事にお客様は大勢いらっしゃいます。事件事故に巻き込まれ、被害を受けた方、家族や
11/13 AM 6:30 僕のTwitterに一件のDMが届いた。内容は 「noteで怖い話書かれてる狼ヶ森さんですよね?」 という出だしから 「私、実は怖い話持っていて良かったら情報提供みたいな感じで書いてもらえますか?」 だった。絵文字や顔文字の使い方から考えるに女性なのかな?と思った。しかしピンポイントで僕に来るのも珍しい話だなと思った。 「僕で良ければ書かせて下さい」 この気楽に返事をしたのが不味かったのか?その人は「長いのでお時間下さい」とだけ送って来
どんな小さな異常さえも起きない… そんな世界があるとしたら それってもの凄く異常だと思うんです。 毎日が平和で毎日が幸せ… 朝起きてから寝るまでがまったく同じ平穏な日々… そんな退屈で平和な毎日だけを望み そんな退屈で平和な毎日だけが繰り返される… そこには一切の異常な事がない… どんな小さな異常さえも起きない… そんな世界があるとしたら それって、もの凄く異常だと思うんです。
相手を犯したいという強い“願望”・・・その思いが人を狼に変える。 ただ彼女を守りたくて ただ笑顔でいてほしいだけで... 違うだろ? 幸福でいてほしくて 違うって 違う違う 本心はそんなことすら思ってないだろ? 自分だけを見て欲しくて 自分のモノにしたくて ただ、あの女が欲しくて そうか、俺は心から“狼”だったんだ... 愛するが故に、もっとも残酷な道を辿らざる得ない者の宿命 それでも 暗い夜に悲しい泣き声が聞こえたら黙っていられない それが狼の
108歳で、その生涯を終えたユウさんという老人がいた。 子供と孫、ひ孫に看取られて眠るように旅立ったのである。 いま思えば彼の人生は壮絶の一言に尽きる。よくぞこんな長寿まで生き延びたものだ...と思ってしまう程であった。 彼の人生が落ち着くまで、多くの人々が彼を操ろうとした。平気な顔で裏切りを行った者もいた。多くの人が彼を通り過ぎて行った。 生まれた時から傷ついて、傷つけられて、ひとりの人が流す涙以上の涙を流し続けた男。どうして、この男の周りには敵ばかりだったのだろう? 普
俺は死んだのか? 俺、金子雄太は死んでしまったらしい。いつもの休日に子供らとショッピングモールへ出かけたとき背後から誰かに押されて乗ろうとしていたエスカレーターを踏み外し、そのまま頭を強打したようだ。 なんで俺なんだ! 俺はどんなやつよりも生きるに値する! 俺ほど人に愛されているやつなんかいやしない! みんな俺が居なくなって悲しんでいる... 娘も息子も、妻も... あああああああああ!! なんで俺が死ななきゃいけないんだよ! なんでだ! なんで!! な
元同級生の話。 元同級生である金山(仮名)は、現在服役中である。そんな彼が何をしたのか。理由は簡単である。罪状は傷害致死だったそうだ。 事件を起こしたのは35歳の時だったそうだ。妻帯者であるにも関わらず、職場の後輩の合コンに無理矢理着いて行った金山は25歳とサバを読んだ。その場にいた誰もがこの中では一番の年長者だろ...と呆れていた風であったという。とにかく女と遊びたい一心だったのだろう。馬鹿みたいにおちゃらけ、事故だと言い張り体に触る。やがて女性の一人が 「寂しいおじさん
小学校時代の同級生・金子(仮名)の父親は解体業を営んでいる。そんな金子の親父殿が解体現場で起こった話を語ってくれた。 通称「赤煉瓦の家」という空き家が実家のそばに存在している。90年代初頭に建てられた物だったそうだが、最初の半年ほど老夫婦と息子夫婦が住んで以降は空き家になっている。理由はその家の父親が他の家族が出掛けている時に突然死したからだと言う。何でも夏の暑い時期だったそうで、発見時には腐乱が始まっていて凄まじい臭いを放っていたそうである。どうやら寝起きで既に熱中症を発症
みなさん、こんにちはorこんばんは 今回は「トラウマ」について考えてみたいと思います。さて僕の最大のトラウマであり、今でも絵を見るだけで目を背けるのは『はだしのゲン』です。もとい言い方は大変失礼ですが、漫画家の故中沢啓治さんの絵です。思想とか、想いって言うのは凄く良く分かります。当然、戦争も原爆も、争いも差別もすべて嫌いなので内容的には同意できるのです。じゃあ何でダメなの?っていうと、どうもあの絵を見ていると死を強く連想してしまうのです。中沢先生にそんな意図はないことは理解し
財津めぐみさん(仮名、※以下「めぐみさん」と呼称)は、ご主人を亡くされた未亡人である。現在、8歳になる娘さんを一人で育てている。 彼女がご主人と出会ったのは、お見合いパーティだったという。20代後半で一度も男性経験がなかった彼女が意を決してパーティに参加したのだと言う。旦那さんは、10歳上も歳上の初老の男性であったが話術、振る舞い、知識、体力、セックスの技術どれもが一流だったと彼女は懐古する。 しかし別れは突然やって来た。ご主人が交通事故に巻き込まれ、呆気なく他界してしまった