新庄耕『地面師たち』を読んでー疾走する喪失者たちー
清潔な弁護士事務所に談笑する男たちにまぎれ、その取引現場には地面師がいた。真っ白な髪を染めあげ、既にその頭頂部まで悪事に浸かった男。興奮は彼が腕にはめたスポーツ用腕時計だけが心拍数として静かに伝えているーー。
不動産営業マンを主人公とした小説『狭小住宅』ですばる文学賞を受賞し、臨場感あふれる描写は読む者の心をかき乱し、一部インターネットでも話題となった。
(LINK:最高に荒んだ気持ちになりたいあなたへ、不動産業界で働く人の心をつかんで離さない小説「狭小邸宅」 http