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最悪にして最高のタイミングで生まれたアイドル

2019年11月、当時、ソロシンガーとして「ライブ配信アプリ」を中心に活動していた僕に現在のオフィスビット(事務所)の方に「セイヤくんはアイドルに興味ない?」と言われたその一言から始まった。

「俺がアイドル…?」自分がどんな姿でステージに立っているかとか、どんな振る舞いをしているとか正直想像ができなかった。最初からアイドルになりたかった訳ではなかったからだ。

「チャンスかもしれない…」そう思ったのは確かで、自分が変わりたい、そして売れたい!と思っている事には変わりはなかったからやらない訳がなかった。

ありがたいことにオーディションでは「歌声」を評価していただき、現グループ「DATTE (ダッテ)」のリードボーカルを努めさせてもらっている。

アイドルとしてステージに立つ…新しい試みだとワクワクしながら、デビューまでの数ヶ月レッスンに励む。仲間(メンバー)と一緒に同じことに取り組んだり共同作業をすることにも楽しさしかなかった。

2020年2月、デビューまで残り1ヶ月を切ったところで日本のテレビを少し騒がせたパンデミックのニュース。「自分達には関係ないだろう…」なんて気にすることなくデビューまでの準備が着々と進んでいった。

まもなくしてデビューを迎え、その後も渋谷でビラ配りなどをしながら活動に励んていた数週間後…自分たちの背後にあったのは遠くの世界で起きていたはずのパンデミックだった。100年に1度と言われるこの大規模なパンデミックは、当たり前のように自分たちの活動を止めることを余儀なくされた。

最悪のタイミングでのデビュー。

活動して1ヶ月で、活動をリアルからオンラインに変更。ライブなどの人と接触するイベントは全て中止・延期になった。

対バンをしていたグループなどの解散・活休…芸能や世界でもSNSやネットニュースには悲しくも嘆かわしいニュースばかりが流れていたのはご存知の通りだと思う。

「本当にこれでよかったのだろうか…」自分が人生で選択してきた決断に疑問を抱く日々。それはきっと自分だけじゃなかったはず。アイドル以外の道も考えた。でも自分には行く場所がなかった。どう悩んでも続けるしかなかったし、アイドルでどうにかしたかった。

2020年夏頃、オンライン活動を経て少しずつ環境が和らいできて数ヶ月ぶりに有観客でのライブを行うことに成功した。

「声は出せない」「完全着席での鑑賞」今ならわかるけど、アイドルを応援する「オタク」からすればこれは生き地獄だって笑いながら話しているお客さんの言い分もすごくわかる。(笑)

でも、人の顔を見て、目をみて、ライブができることの幸せがこんなにも幸せなことだとは知らなかった。

このタイミングにデビューしたからこそ、この瞬間に世界をも巻き込むパンデミックが起きたからこそ、出会えた人もいて、幸せな瞬間を共有できている人がいる。この瞬間まで続けたからこそ出会えた人もいる。

あんまり口にすることのない「奇跡」って言葉は多分この時のためにあるのかもしれないなって思った。

そんな風に出会えた人と、この先も一緒に歩めたらいいなって思っています。

最悪にして最高のタイミングで生まれたアイドル「DATTE」は2021年も進んでいきます。

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