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HAMLET 2 #033 満月の夜に①
※今回の話も、ちょっとエッチな内容が含まれます。筆者が書きたいからストーリーの都合上、仕方ないのです。
最初に書いていたものから、だいぶマイルドにしましたが、
概ね、PG12だと思います。
12歳未満の人は、大人と一緒に観てくださいね。
■メイビル博士の夢に苛まれるジム
●夢でメイビル博士から懇願されるジム。
●暗闇の中、ジムを呼ぶメイビル博士の声だけが響く。
「……ジム君……ジム君……」
「メイビル博士!……またですかっ!……もう、勘弁してくださいよ」
「年寄りの頼みを聞いてくれ、ジム君……」
「だ、だからって、俺のことを向こうが……」
「彼女を幸せにしてやってくれ!頼む!……」
●朝になり、夢から覚めるジム。
「ぁ……ま、また、あの夢か……」
※以下、ジムのモノローグ。
もう、毎日、メイビル博士が夢に出て来ている。
決まって、フランシスさんを幸せにしてくれと懇願してくるのだ。
俺だって、フランシスさんが嫌いな訳では、ない。
一緒に幸せになれるなら、それは、歓迎すべきことだと思う。
だけど、フランシスさんとの距離は、最近、開いていくばかりだ。
俺は、どうしたら、いいんだろう??
■ジム達のコンテナ、バルコニー部分
●翌朝、洗濯物を干しているフランシスと鉢合わせするジム
「あっ、じ、ジムくん……」
「あっ、フランシスさん……。
今日は、フランシスさんが家事をしているんですね」
「ええ、あのアンドロイド、今日は見かけないのよね」
「中国に帰ったんですかね?」
「そのほうが、私は嬉しいわ」
●メイビル博士の夢の影響か、ついフランシスを見つめるジム
「えっ??……なぁに、ジムくん?」
「えっ、あ、あのっ……」
●フランシスが少し屈むと、彼女の顔の向こうに干された先日のパンツが。
「あっ!」
「えっ?」
●少しジムを睨むようなそぶりのフランシス。
●バツが悪くて、目をそむけ、視線を下げる。
●自然と、フランシスの股間を見ている感じになるジム
「ジムくん、あなた、昨日のこと、思い出しているでしょう!」
「あっ、ごっ、ご、ごめんなさい……」
「これだから、男の子は!!」
「すっ、すみません、すみません、すみませんっ!!」
「……」
●逃げるように去っていくジム。不機嫌そうなフランシス。
■その夜。空に浮かぶ、大きな満月。
●ベッドで眠るフランシス
■フランシスの見ている夢
●独りぼっちで泣いている、5歳の頃のジム(フランシスの想像)
●ジムに近づき、声をかけるフランシス
「ぐすっ、ぐすっ……」
「坊や、どうしたの??」
「だいすきなヒトと、ケンカしちゃったの……」
「そうなんだ。それは悲しいね」
●ハンカチで、涙を拭ってあげるフランシス
「ぁ……ありがと、おねえちゃん」
「坊や、お名前は?」
「ジム……ジム・ビリントン」
「えっ!?……坊や、いくつ?」
「5さい……」
「そ、そう、5才なんだ……」
●5歳のジムを、まじまじと見るフランシス
「ねえ、ジムくん。大好きな人って、だぁれ?」
「えっ……」
「お姉さんに、教えてくれる??」
●照れる5歳のジム
「えっ、えぇとね……フランシスおねえちゃんっていうの……」
「えっ??」
「ボクね、フランシスおねえちゃんと、ケッコンしたいの」
「えぇっ??」
「ボクね、フランシスおねえちゃんの、おムコさんになるんだっ」
「そうかぁ……ジムくん、その人のこと、大好きなんだね」
「うんっ!ボク、フランシスおねえちゃん、だいしゅき!」
キラキラッ💛
(うっ……かぁいいっ♪ 5才のジムくん、かぁいいっ♪)
きゅんきゅん!!
●思わず、5才のジムを抱きしめるフランシス
「ぁ……」
「ねえ、もう一回、『フランシスお姉ちゃん、好き!』って、言ってみて」
●顔を真っ赤にした5歳のジム。たどたどしく、可愛く。
「フランシスおねえちゃん、だいしゅき!」
(あぁん、幸せ~♪)
「フランシスおねえちゃん、だいしゅき!
フランシスおねえしゃん、だいだい、
だいしゅきぃ!」
(はわわわわ……癒されるぅ~……)
●萌え悶えるフランシス、夢から醒める
「ハッ!!……」
「い、今の、夢??……」
●しばらく、夢を反芻するように、ベッドでまどろむフランシス。
●意を決して、ベッドから出る。
「そうだ。ジムくんと、仲直りしよう……」
「こんな時間に、いきなり部屋に行ったら驚くかな??……でも……」
●いそいそとカーディガンを羽織り、部屋を出ていくフランシス。
■ジムの部屋
●ドアをノックしようとしたフランシス
●中からメアリーの声が聞こえて、あわてて聞き耳を立てる
●ジムに甘えるメアリーの声、実は丸聞こえ。
「ねぇ、いいでしょう、ジムぅ……」
「あ、あのさ。なんで、こういう展開になるのさ……」
「夜に女の子を部屋に入れるって、つまり、そういうことでしょう??」
「そういうこと、って、ど、どどど、どういうこと、なのかな?」
「いくらジムでも、白々しいよ」
「ああ、こんなことなら、部屋に入れなきゃよかった」
「何よぅ、ジムの意気地なし!
こんな時間に、女の子が男の子の部屋に訪ねて来ただけで、全部察してほしいんだけどなぁ……」
(どきっ!)
●妹に自分の気持ちを見透かされた気がして、焦るフランシス。
●完全に、扉に耳をくっつけ、中の様子を伺うフランシス
「め、メアリーは、俺にお兄ちゃんになってほしいんだろ?
こんなこと、お兄ちゃんと、しちゃって、いいと思ってんの!?」
「んもぅ、ジムってば、女の子の言うこと、素直に受け止めすぎ!!」
「えっ!?」
「あんなのはさ、ジムを安心させてあげる為の、優しいウソだよ。
あたしが、ジムのこと、そんな簡単に諦められると思う??」
「……」
「ねぇ、ジム。いつも夢の中でしてくれること、今夜は、あたしが、してあげる……」
「えっ!ええっ!……な、なっ、なんのことかな……」
●メアリーの台詞に、フランシスの顔も真っ赤になっている。
「あたし、子供じゃないもん。男の子と仲良くするのに一番効果がある事、ちゃんと知ってるもん……」
(ささっ……すすっ……)
●衣擦れの音に、フランシスの焦りもピークに。
「ねぇ、ジム。二人だけの秘密、作ろぅ……」
「ちょ、ちょ、ちょっと冷静になろうよ。ね、メアリー……」
「冷静になったら、こんなこと、できないよ……」
「うぐっ……」
「ほら……ジムだって、もう冷静じゃないくせに……」
「わぁっ、おいおい、待て、待てって!!」
「そうよ!待ちなさい、メアリー!!」
バーン!!
■ジムの部屋のドアを、勢いよく開けるフランシス
●メアリーのアングルから見たフランシス。鬼の形相。
●フランシスのアングルから見たメアリーとジム。
●ジムの上に跨っているメアリー。
「お、お姉ちゃん、なんで居るの!!」
「それは、こっちの台詞よ!!」
●般若の形相で、メアリーを睨むフランシス。
--むちゃくちゃ長くなりそうなので、以下、次回に続く。--
#033 満月の夜に①、了。
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※本作品について(再掲)
本作は、1993年にPC-98版ゲームソフトとして販売された『HAMLET』および移植版の『SPACE GRIFFON VF-9』の続編となるストーリーで、西暦2149年を舞台としたSF作品です。登場人物や組織などは、実在するものとは、一切関係がありません。前作は、wikiやプレイ動画等でご確認ください。
なお、筆者は当該タイトルの原作と脚本を担当した張本人ではありますが、現在は、いち個人で執筆しており、HAMLET2の権利は筆者に帰属します。
しかしながら筆者は、この作品の二次創作・三次創作を制限するものではありません。どなたか奇特な方がキャラ絵を描いてくれると嬉しいです。