
HAMLET 2 #032 アンドロイドは子育ての夢を見る
※今回の話も、ちょっとエッチな内容が含まれます。筆者が書きたいからストーリーの都合上、仕方ないのです。
最初に書いていたものから、だいぶマイルドにしましたが、
概ね、PG12だと思います。
12歳未満の人は、大人と一緒に観てくださいね。
■洗濯物を干している霓宙(うんげい)
●お世話と称して、勝手に家事を始めた、アンドロイドの霓宙
●そんな霓宙に、イライラしているフランシス
「ちょっと、アンタ、何やってんのよ!」
「何って、洗濯ですが、何か??」
「勝手なこと、しないで!……私の仕事、奪わないでくれる?」
「仕事と言われましても。
こうしてお世話するのが、私のミッションですので」
「だったら、もうちょっと気を使いなさいよ。
だいたい、目につくところに下着を干すなんて、なってないわ」
「あら。申し訳ございません。オホホホホ。
こんな木綿のパンツなんて、久しぶりに目にしたので、つい……」
「……それは、妹のパンツよ」
「あら。じゃあ、こちらのTバックでしょうか?」
「……それは、たぶんメデューサのね」
「あら。じゃあ、消去法でこちらが、フランシス女史の……。
うん、いいセンスしていると思いますわ。
でも、もう少し冒険しても宜しいかと。
勝負パンツの1枚くらい、あったほうが良いですわよ。
うーん、そうですね。たとえば色で攻めてみるとか?
シースルーで赤とか、彼もきっと喜びますわ」
「彼って、誰よ!」
「おやおや、ご冗談を」
「ジムくんは、別に、彼氏でも何でも無いわよ!
だいいち、こんな状況で、下着にまで、こだわっていられないでしょう!」
「ああ、はい。ですから、すでに我が国に発注しておきました!」
「な……勝手な真似を……」
「下着は消耗品ですわ。
ヨレヨレのを着けていては、殿方も、その気にならないでしょう??
届き次第、例の場所に補充しておきますね」
「やっぱり、アンタ、勝手に私の部屋を片付けたわね!
勝手に物の場所を変えられても困るのっ!全部、決めてあるんだから!」
「Dr.フランシス、あなたが研究熱心なのは、よーく理解しております。
でも、研究をしていない今、言い訳は出来ませんわ。
あんな汚部屋状態では、男性を部屋にも呼べませんよ」
「ぅ……」
「Dr.フランシス、あなたは、研究でこそ才能が花開くお方です。
掃除や洗濯なんて、アンドロイドにやらせれば、いいのです!」
「……」
「今は研究が出来ないせいで、ストレスが溜まっているのでしょう。
どうです?今は、人間にしか出来ないことを、すべきでは、ないですか」
「人間にしか、できないこと?」
「ズバリ、子づくりですわ💛」
「ふざけたこと、言わないで!」
「ふざけてなんか、いませんよ。私が見たところ、3人の中で、最も妊娠の可能性が高いのは、Dr.フランシス、あなたです」
「えっ??……わ、私??……妹じゃなくって??」
「はい!この私のセンサーが保証します!
それに、お相手としても、ジム・ビリントンさんは適任です。
私、調べてみて分かりましたの。彼は素晴らしいですわ!!」
●目を輝かせて、ジムの検査結果を語る霓宙
「彼を隅々まで調べても、遺伝的な欠落が一つも見つかりませんでした。
しかも、カラダにシミ1つ、ほくろ1つすら無い。まさに完璧ですわ~」
「そんな……そんな人間が、いる訳ないでしょう!?」
「いいえ、事実ですわ。実際、彼はスタミナも抜群、体力も有り余っている。しかも、私のようなアンドロイドにも優しい。素敵な紳士ですわ」
「ジムくんが、誰にでも優しいってのは、事実ではあるけど……」
「ジム・ビリントンさまは、完璧な男性でいらっしゃいます。
そんな彼とDr.フランシスの間にできたお子さんを、私が育てますの。
ああ、アンドロイドとして、こんな幸せは、ありませんわ💛」
「アンドロイドが子育ての夢を見るなんて、呆れるわね……」
「ですから、Dr.フランシス。
あなたは、すぐさま子づくりの覚悟を、なさって。
もうじき満月ですし、頃合いも宜しくてよ」
●フランシスは、とっくにその場を去っている。
「あら、居ない……。まったく、人間って、面倒くさいですわね」
●速足で、食堂に向かっていくフランシス
※以下、フランシスのモノローグ。
ジムくんに、遺伝的欠落が、全くない??
そんな人間が、居るだろうか??
そんなことが、あるだろうか??
それなら、イギリスでの検査で、すぐに分かるハズだ。
もし、その変化が、最近得たものだとしたら……。
きっと、あの木の実のせいだ。
急いで、あの木の実を調べなくては!
■食堂
●メアリーが、木の実を食べている
「あれ??……どうしたの、お姉ちゃん、そんなに慌てて」
「メアリー、まだ食べてない実は、ある??」
「うん。冷蔵庫に……」
●冷蔵庫から木の実を1つ持ち出し、グリフォンの元へ急ぐフランシス
■クルーズモード(車状態)のグリフォン
●パイロットシートに座ったフランシス。股の位置に、例の木の実。
●グリフォンのパイロット向けセンサーで、木の実を調べようと奮闘中
●ジムが、その中を覗き込むようにしてアドバイスしている
●グリフォンのコクピット内に、アラームが鳴り続けている
(ピコン、ピコン、ピコン、ピコン……)
「ねえ、ジムくん。さっきから、この音うるさいんだけど、なに??」
「ああ、今、切ります!……これ、エネルギー警告なんです」
「エネルギー警告??」
「イギリスを出てから、ずっと無補給で動いているので、そろそろ限界なんですよ」
「そっか。なんだかんだ、動かし続けているんだものね」
●燃料切れアラームを止めるジム
「これでヨシっと!」
「でも、ホント、この中って狭いね……ジムくん、よくこんな状態で操縦してたわね」
「パイロットスーツがないと、あちこち、ぶつけて痛いと思います。
気を付けてくださいね。アザや擦り傷ができちゃうかもしれないですよ」
「いいわよ、そんなもの」
「そう言われても、こっちが気になっちゃうんですよ……」
「ウフフッ……ありがとう、気をつけるわ」
「センサー、引っ張り出せます??」
「んっ……なんだか、引っ掛かって、出てこない……」
「ちょっと、実を退かしてくれます?俺が見てみますよ」
「うん、お願い」
●両手で木の実を持ち上げるフランシス、ちょっと腰を浮かせる
●腕と頭をコクピット内に突っ込む形で、センサーを引っ張るジム
「よっ、と……」
「……ぁ、あっ……」
●さりげなく、フランシスの太ももに触れちゃうジム
「あっ、ご、ごめんなさい!!」
「いっ、いいのよ、わざとじゃ、ないんでしょ?」
「も、もちろんですよ」
「ゴメンね、気を遣わせちゃって。気にしないで、作業を続けて」
「は、はい……」
「うぅん、もうちょっと広ければ横に向けるのに……」
●狭さで、フランシスの肘が変形スイッチを押してしまう。
※カチャリ、という効果音。
※ぐいーん、という変形音。
「えっ??」
●コクピットハッチが自動で閉じ、グリフォンが変形する
「!!……うわっぷ!!」
「!!……きゃあっ!!」
■アサルトモード(人型と中間のガウォーク)に変形するグリフォン
●ハッチが閉じ、狭いコクピット内に押し込められるフランシスとジム
●お互いに、相手の股間が顔の部分に来てしまっている状態。
●フランシスの顔に跨る形で、ジムの体が上になっている。
●フランシスの股間にジムの頭が。ジムの頭の上に、木の実が。
●ジムの頭と、コクピットハッチの間に挟まれて、木の実がある状況。
●薄暗くて、訳が分からないフランシス
「あうっ……こ、これは……フランシスさんの絶対領域……」
「えっ、なっ、なに??……何が起きたの??」
「ふっ、フランシスさん、変形スイッチ押したでしょう??」
「えっ、こ、これっ??」
※カチャリ、という効果音。
※ぐいーん、という変形音。
「あっ、お、押しちゃダメですぅ……」
「も、もう遅いよ~」
■コンバットモード(ロボット状態)に変形するグリフォン
「うわっ!!」
(むにゅっ)
「きゃっ!!……あぁん」
●コクピットシートが、ロボット形態に合わせて90度回転
●ジムの体が滑って、頭がフランシスのスカートの中に。
●ジムの鼻先が、フランシスの股間に当たる。太ももに挟まれるジムの頭
●ジムの目の前には、フランシスのパンツがアップで。
「はうっ」
「やっ、やっ、ヤダヤダ、やだ……なんで、こんなことに!!」
●ジムの視線に気づいて、必死にパンツを手で隠すフランシス
※以下、ジムのモノローグ。
あ……もう隠されちゃった。残念。。
マリアさんもそうだけど、年上の女の人って、なんか、イイな。
で、でも、このシチュエーションは、ヤバいって。
フランシスさんの太ももに挟まれて、すぐ近くには彼女の……。
※ミシミシ、メキッ、という効果音。
●ジムの頭の上の木の実が、グリフォンの機材との間で潰れる
●果汁がジムの頭を伝い、フランシスの股間に流れていく。
●熟れた木の実の、甘い匂いがコクピット内に充満する。
「やっ、なっ、なに??……今度は何が起きたの??」
「あっ、あのっ、木の実が、潰れました」
「えっ??」
「それで、あのっ、今、まわりが、ベタベタで……」
「えっ、やっ、やぁぁ……」
●自分の手や股間が、汁まみれになったのに気づくフランシス。
●二人とも、熟れた木の実のせいで、みだらな気分に。
●その時、
バンッ!!
●効果音と共に、コクピット内の赤色灯が点灯。
●赤色灯に照らされて、今の二人の姿が、はっきり分かる。
「なっ、なんなのよ、もうっ……」
「あ……な、なんだか、すごく、イケナイことしてる感じ……」
「やっ、やっ、やだっ……ジ、ジムくんっ。
なんか、良からぬこと、考えているでしょっ!!」
「ごっ、ごめんなさいっ!!で、でもっ」
「ダ、ダメ……見ちゃイヤ!!息もしないで!!想像しないで!!
もうっ、ジムくんったら……こんな時に、最低よっ!!……」
(もぞ、もぞ……モジ、モジ……)
※カチャリ、カチャリ、という効果音。
※ぐいーん、ぐいーん、という変形音。
「ふ、フランシスさん??」
「あ」
「また変形スイッチ、押しちゃいましたね」
「あ……」
■クルーズモード(車状態)に再変形していくグリフォン
●そこに通りかかるメデューサ、目の前で変形中のグリフォンを怪しむ
「んっ??……」
●メデューサの前で、不自然に、グリフォンのコクピットがギシギシいう
「中に、誰か居るのか?」
●外側のスイッチで、グリフォンのコクピットハッチを開けるメデューサ
※カチリ、という効果音。
※ういーん、という音と共に、開くコクピットハッチ。
「えっ??」
「あっ??」
「うっ……」
●狭いコクピットの中で、相手の股間に顔を埋めるようにしている二人
●それを間近で見てしまったメデューサ
●しばし、そのままの姿勢で固まる3人。
●メデューサが、ポツリと呟き、二人を軽蔑した目をして去っていく。
「す、すまない、邪魔をした。
……気が済むまで、続けてくれ」
「……」
「……」
●無言のままのフランシスとジム
●そこに、アンドロイドの霓宙が通りかかる
「あらっ、まぁっ!!
Dr.フランシス、ずいぶん思い切りましたのね!?
どうぞ、続きはベッドの上で……。
あ、ご心配なく。コクピット内は、私がお掃除しますわ。
オホホホホホホホ💛」
●霓宙の言葉で素に戻り、ジムを押しのけて去っていくフランシス
「ジムくんっ、いつまで呆けてるの!!」
「えっ、あ、あのっ……待ってくださいよー」
●慌てて、フランシスを追いかけるジム
●二人が居なくなり、コクピット内の掃除をしようとする霓宙(うんげい)
●割れて、ぐしゃぐしゃになった木の実に気が付く
●木の実を分析する霓宙
「おや??……この果物みたいなものは、なんでしょうね??」
「ほぅほぅ、アミノ酸スコア、パーフェクト!?」
「あらあら、この液体の含有成分は、ジアセチルモルヒネとオキシコドン。
それにフェンタニルとタペンタドール……これは、これは、なんとも……」
「彼らは、これを何処で……この機体の行動履歴は……なるほど、なるほど」
「これは、とっても素晴らしいものを見つけましたわ!!」
(きらきらっ💛)
●悪だくみをしている感じの、霓宙の顔のアップ。
-フェードアウト
#032 アンドロイドは子育ての夢を見る、了。

※本作品について(再掲)
本作は、1993年にPC-98版ゲームソフトとして販売された『HAMLET』および移植版の『SPACE GRIFFON VF-9』の続編となるストーリーで、西暦2149年を舞台としたSF作品です。登場人物や組織などは、実在するものとは、一切関係がありません。前作は、wikiやプレイ動画等でご確認ください。
なお、筆者は当該タイトルの原作と脚本を担当した張本人ではありますが、現在は、いち個人で執筆しており、HAMLET2の権利は筆者に帰属します。
しかしながら筆者は、この作品の二次創作・三次創作を制限するものではありません。どなたか奇特な方がキャラ絵を描いてくれると嬉しいです。