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私を鬱から救ったのは、コンピュータ

みなさま、お疲れ様です。
あくまで、私自身の僅かな経験を基にした話で恐縮ですが。
私を鬱から救ったのは、コンピュータだった」という話を書きたいと思います。
Youtube動画の原稿に、大幅に加筆してお送りします。

マイ寝袋で寝るのが前提の会社で。

私がいたゲーム会社は、男性社員が入社すると、マイ寝袋が配られるのが通例。
当時はもう、会社に男女兼用のシャワールームがあって、女性社員専用の、鍵のかかる仮眠室もありましたが、男性社員は、自分のデスクの下に潜って、マイ寝袋で寝るのが当たり前。
とあるディレクターは、スチールラックの最下段に挟まって寝る姿が、まるで聖骸布に包まれたキリストのようでした。
私は当時から腰が悪かったので、折り畳みのマットレスを持ち込み、デスク下で寝るのが常でした。

会社で眠り続けて、17時間

これ、なんのタイトルだったか、マスターアップだったか、製作が一段落した時の話か、そのへんの詳細は、全く覚えていないのですが。
周りのものが一瞬、全部緑色になって、「ああ、目が限界だ」となり。
「声が掛かるまで、寝てていいよ」と言われたので、そのまま横になったと思ったら、そのまま17時間寝て、起きなかったのです。
気が付くと、会社には誰もいない。
ドアには鍵が掛かっている。
鍵を開けたまま、会社を後にするわけにも、いかない。
慌てて、一番会社の近くに住んでいる人に声をかけて、鍵をあけてもらい、その日は久しぶりに家に帰りました。

「トイレにも起きないし、食事もしてないけど、息はしていたから、寝かせておいた」
と、平然と言われたのを覚えています。

それにしても、会社で、連続17時間睡眠。
もともと、一度家に帰ったら、そのまま失踪する社員も出る会社だったし、入社して3日持たない人もいたし、今の基準で見たら、ブラックこの上ない環境で働いてました。
でも、それが普通だと思って働いていましたから。

会社が傾くと、人間は倒れる。

最終的に、給料の欠配から生活状況が悪化して、私は追い込まれていくことになります。
カードの支払いが出来なくなり、家のローンの支払いのために、あっちで借りて、こっちで返して。
母親を養うはずが、母親のほうが、こちらを心配する始末。

ここまで来ると、人間関係が悪化しまくる。
普段から、月曜日に出社したら、金曜日の夜まで会社に泊まり込むような仕事をしていたので、人付き合いは会社内がほとんど。
会社が傾き始めると、そんな人間関係がギクシャクする。

「月末まで頑張れば!」が、「あと半年頑張れば!」になり、「このソフトを発売すれば、きっと!」になる。
幸せが見えてくるまでのゴールポストが動いていくと、心が荒む。
他人の言葉も、いっとき、それを信じた自分も、やがて信じられなくなる。

しばらくして、自宅で寝ている時も12時間超えの睡眠が続き、やがて、気が付けば、全く起き上がれず、鬱の状態に。
枕もとのコーラを飲んで寝るだけの日々が始まりました。
やがて、味覚も夢もなくなる。
辛さだけは、痛みとして感じるので、なんにでも唐辛子をかけまくり、ラー油をつかいまくり、唐辛子を入れて米を焚いて、目を蒸気で痛めたり。
そのせいで、いきなり、とんでもなく胃が痛くなったり、尿管結石になったりしていました。

ガジェットだけは、言うことを聞いてくれる。信じられる。

それを回復に向かわせたのは、PCやデジタルガジェットでした。
残念ながら、人間ではなかった。

PCやデジタルガジェットは、人間より、私の言うことを聞いてくれた。
私にとっては、自分を含めた人間をコントロールするより、PCやデジタルガジェットをコントロールするほうが、楽なんです。
PCやデジタルガジェットは、適切に命令するだけで、ちゃんと働きます。
ちゃんと働かないのは、適切な命令をしていないだけ。
適切な命令を、知らないだけ。

PCやデジタルガジェットを、分解して組み立てなおすだけでも、構造が理解できたようで、楽しかった。
分解して壊してしまっても、モノだから問題ない。
ある意味で、料理と一緒なのかもしれないけど、無心に手を動かしているのも、良かったのかもしれない。
テキストエディタに愚痴を打ち込むんで、保存せずに終了するのも、心を整理するのに良かったのかもしれません。

私は、人間や動物より、ガジェットに癒されるのかもしれません。
夢中になるものではなくても、少しでも心が楽しくなる方向になるものがあれば、それを積み重ねるだけで、きっと、人の心は回復していきます。

ヒト以外に癒されることも、あっていい

人間に傷ついて、人間に癒してもらうのが難しかったら、デジタルガジェットに救いを求めても、いいと思います。
今なら、AIが励ましてくれますからね。

人間によって幸せを感じる。
それと同じように、人間によって不幸を感じることも、とっても多い。
でも、そういう時は、無心にガジェット弄るのも悪くない。

今日は、そんな経験を、noteに書いてみました。

この話が、誰かの心を楽に出来たら、とても嬉しいです。
ではでは、また、いつか。

最近買ったPC。スマホより安いでしょw

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