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HAMLET 2 #010 残心

■A-MAX Knights機との戦闘(近接通信)

※ジムとナカモトがA-MAX Knights機と戦っていると、仲間が次々に参戦。

●リチャードのバギーが、攻撃しながらA-MAX Knights機の足を止める。

「やーい、デカブツ!!……潰せるもんなら、潰してみろってんだ!」
「リチャードさん!危ないよ!」
「こいつは、デカいがノロマだ。動き回っていれば、大丈夫さ!」

●ジェームズのガードロボがスモーク弾を打つ。

「敵の足が止まったら、次は視界を奪う!」
「ジェームズさん!……ナイス!」

●クラークの戦車が砲撃、敵の装甲に穴をあける。

「見たまえ!まともに当たったぞ!気分爽快だ!ハハハ!!」
「すごいよ、クラークさん!」

●セバスチャンの専用機が、剣を突き立てる。ナカモトが反応する。

「そこに、蜂の一刺しを!」
「殿下、お見事です!」
「さあ、ジム様、トドメを!!」

■A-MAX Knights機、活動停止(近接通信)

●A-MAX Knights機、爆散

「やったな、ジム君!」
「お見事です!」
「へっへー!ざまーみろだぜ!」
「力こそ正義だな!」
「神よ、感謝します」
「ありがとう!!みんなのおかげで勝てたよ!」
「周囲の電波状況が改善。通信が入っています」

●A-MAX Knights機の反応が無くなると、グリフォンのAIが反応。
●メアリーからの通信

「ジム!……今、もしかして、グリフォンで戦っているの?」
「ああ、なんとか踏ん張ってる!メアリーは、大丈夫かい?」
「あたしは大丈夫だけど、お姉ちゃんが、帰ってこないの……」
「なんだって!?」
「大事な研究があるから、って、出ていったきり。だから、心配で……」
「分かった!俺に任せて!」
「ありがとう!お姉ちゃんをお願いね!」

●メアリーからの通信終了。

「フランシス様の生体反応は、本機のセンサー範囲には、ありません」
「他に、フランシスさんの位置を、特定できる方法は?」
「取得可能な情報を検索……状況認識……推論……終了。
追跡可能な最後の時点で、彼女は移動中でした。今も移動中と思われます」
「最後にフランシスさんを検知した所から、推定移動範囲を割り出して!」
「承知いたしました」

●モニター内、マップ表示。

「80.25%の確率で、フランシス様は、この円の範囲にいらっしゃいます。
近づけば、生体反応を、センサーで補足可能です」

●城からドローンの増援が来て、ナカモトの周りに集まる。
●ナカモト、ジムを促す

「ここは私たちに任せて、君はフランシス君のところに行きたまえ!」
「はいっ!」

※ゲームなら、プレイヤー操作で、フランシスを探しに。

■市街地へ続く峠道

●街へと急ぐ、ドクターのバイク。タンデムしているフランシス。
●バイオモンスターが、人間やゾンビを捕食しているのを見てしまう二人。

「あれは!……バイオモンスターを地上に放つなんて!!」
「なんて、おぞましい……」
「これは、A-MAX FACTORIESが、事件の証拠を消しに掛かっている??……」
「巻き込まれては、たまらん!……急がねば!」

●バイオモンスター、捕食した人間の骨や装備を排泄物のようにバラ撒く。
●恐らく捕食された軍人のものだろう兵装が、ドクターのバイクを襲う。

「!!……ウワァッ……」
「!!……アァッ!!」

●投げ出されるフランシス。柔らかい地面とヘルメットやパッド類で無事。
●ドクターは、バイクの下敷きになっている。

「あぁっ!!ドクター!……」
「く、来るんじゃない……に、逃げろ、走るんだ、フランシス……くん」
「イヤぁっ、なぜ、ドクターまで……」
「行け……街に戻れ……ナカモトのところなら、きっと安全だ……」
「イヤです、私も、ここで死にます!」
「馬鹿を言うな……未来ある者は、年寄りと心中しちゃ、いかん……」
「……でも……でも……」
「未来を、諦めるな……君は、生きるんだ……」

●フランシス、ドクターの意を受け、歩きだす。

「行け……振り返るな……走れ……走れっ……」

●フランシス、泣きながら、その場を離れ、走り出す。
●ドクターのバイク、バッテリーから発火。爆発する。
●フランシス、背中に感じる熱でドクターの死を悟る。

■フランシスの反応を、グリフォンのセンサーが捉える

●センサーが、フランシスの反応を検知

「フランシス様の生体反応を検知しました」

●マップ上、フランシスの反応が表示されている。

「バイタルが不安定です。調合したハイポスプレーを、準備します」
「とにかく、ここにフランシスさんが居るんだな」
「移動速度が落ちています。合流を急いでください」
「分かった!」

■街へ向かうフランシス

●最初は走っていたが、徐々に遅くなり、ついには足を引きずるように歩くフランシス。ついに、その場に倒れてしまう。

※以下、フランシスのモノローグ。

疲れた……ダメだ……もう、ダメだ、私。
そうだ。ここで、ジッとしていよう。そうしたら、私、きっと死ねる。
ゾンビに殺されるか、炎に焼かれるか、バイオモンスターに喰われるか。
きっと、その、どれかで終わりよね。
ああ、これで、やっと楽になれるんだ……。
今度こそ終わるんだ、私の人生……。

●ふと、メアリーのことが頭をよぎる。

メアリー……。
こんなお姉ちゃんで、ゴメンね。
一人にして、ゴメンね。
ジムさんと、仲良く、ね。
先に逝っちゃうけど、許してね。
弱いお姉ちゃんで、ゴメンね。
悪いお姉ちゃんで、ゴメンね。

■フランシスを守る、巨大な怪物

●近くで爆弾が爆発する。死を覚悟するフランシス。しかし痛みは無い。代わりに叫び声が。

「グオォォォ……」

●大型化した怪物が、フランシスに覆いかぶさるようにして、彼女を守る。
●フランシスは、それがメイビル博士だと感じる。

「は、博士!?……」

●怪物の背中が燃えている。フランシスから離れるべく、身を離す怪物。
●炎にもだえ苦しみながら叫び、行け!と、彼方を指さす。

「何故です、博士!?……私は、何故、死なせて貰えないの?
何故、地獄でも生きなくちゃ、いけないの?」

●炎にまみれ、身をよじりながらも再び、行け!と吠える怪物。
●泣きながら、その場を去るフランシス。フラフラと肩を落としながら。
●離れていくフランシスを見ながら怪物は焼け尽きる。叫び声だけが響く。

■フランシスの姿を捉える、グリフォンのモニター。

●センサーがフランシスを検知。サーモ表示でズームしていく。

「あっ!……フランシスさんっ!」

●ジムが見ていると、足がもつれ、フランシスが倒れる。
●慌てて駆け付けたグリフォン。スピーカーで呼びかける。

「聞こえますか!フランシスさん!……フランシスさんっ!!」
「ジ……ジム……さん……??」
「何、ボーっとしてるんです!しっかりしてください!!」
「……」

●フランシス、なんとか立ち上がる。
●グリフォンのガンナーシートを開けようとするジム。
●しかし、エラー音が。AIが反応する。

「バックパックをパージしないと、ガンナーシートは使えません。
どうしますか?」
「フランシスさんのほうが大事だ。パージする!」
「バックパック制御リンク、ディスコネクト。
バックパック、パージ……パージ完了」

●バックパック無しのグリフォン、クルーズモードに。
●ガンナーシートのハッチを開き、フランシスを呼び込む。

「フランシスさん、乗って!」
「……」
「早く乗って!目の前で死なれたら、たまったもんじゃない!」
「!!」

●ジムの言葉に、ハッとするフランシス。
●首を振るようにして自分を奮い立たせ、ガンナーシートに座る。

「ごめんなさい。出して、ジムさん」

●ガンナーシートのハッチ、閉じる。
●動きだすグリフォン。
●ガンナーシートのフランシス、呆然とした様子。

「父さん……博士……それにドクター……なぜ、私が心を開いた人は、皆……」

●フランシスの目から、涙が溢れ流れる。それに、ジムは気づいていない。

■バックパックを外した為、大幅に火力と攻撃力を失ったグリフォン。
●ジムが兵装と燃料チェック

「これで何分戦える??……今、使える武器は??」
「バックパックの換装をお勧めします。ベースへの帰還が必要です」
「ベース??」
「ご案内します」
「よし、最短ルートをナビゲート!」
「承知しました」

※ゲームなら、敵対するものを攻撃しつつ、ナカモトの城を目指す。

#010  残心、了。


※本作品について(再掲)
本作は、1993年にPC-98版ゲームソフトとして販売された『HAMLET』および移植版の『SPACE GRIFFON VF-9』の続編となるストーリーで、西暦2149年を舞台としたSF作品です。登場人物や組織などは、実在するものとは、一切関係がありません。前作は、wikiやプレイ動画等でご確認ください。
なお、筆者は当該タイトルの原作と脚本を担当した張本人ではありますが、現在は、いち個人で執筆しており、HAMLET2の権利は筆者に帰属します。
しかしながら筆者は、この作品の二次創作・三次創作を制限するものではありません。どなたか奇特な方がキャラ絵を描いてくれると嬉しいです。

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