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HAMLET 2 #031 彼女たちの見た夢
※今回の話からしばらくの間、ちょっとエッチな内容が続きます。エロゲも作っていた筆者が、書きたいから書いているので仕方ない。ストーリーの都合上、仕方ないのです。
最初に書いていたものから、だいぶマイルドにしましたが、
概ね、PG12だと思います。
12歳未満の人は、大人と一緒に観てくださいね。
■ジムが霓宙に身体チェックをされている夜の出来事
※3人がそれぞれ、未来のジムとの夢を見る
■メアリーの見た夢
●事件が一段落した後の、未来のいつか。
●場所は、メアリーとフランシスの住む部屋。
●メアリーのベッドで、裸で抱き合っているジムとメアリー
「うぅん。本当に、このまま、ここに居て良いのだろうか??」
「何よ、ジム。今になって、ビビってるの??」
「いや、そんな訳じゃないけど……。
今まで、君たちの家で、デートした事なかったじゃない? 今までは」
「うん。お姉ちゃんを刺激しないようにね」
「それが、なんで今日は、ここまでのこと……」
「だって、こうでもしないと、お姉ちゃん、認めないんだもん!」
「そりゃあ、そうかもしれないけど……」
「何よぅ。さっきまで、さんざん盛り上がってたクセに。
『好きだよ』とか、『愛している』とか、いっぱい、いっぱい、言ってくれたのにぃ……」
「いや、もうじきフランシスさんが帰ってくると思うと、背徳感が」
「なんなら、お姉ちゃんの前で見せつけてもいいんだよ??」
「いや、さすがに、それは……」
「だって、お姉ちゃん、ずっと、あたしを子供扱いするんだもん!
それに、ジムがまだ、自分のものだと思ってる。そんなの耐えられない!」
「そうだね。このままじゃ、俺たち、一生幸せになれないよ」
「あたし、お姉ちゃんに気を使いながら、ジムと付き合うなんてイヤだよ。
ジムと一緒になりたい!力づくでも、お姉ちゃんに認めさせなきゃ!」
「うん」
「ねぇ、ジム。お姉ちゃんに、ちゃんと言ってよね。
あたしたち、愛し合っているんだもの」
「あ、ああ……わ、わかってるよ……」
●フランシス、仕事から帰ってくる。
「ただいまー」
「おかえり、お姉ちゃん」
●フランシス、ベッドで裸で抱き合う二人と、ご対面。
「きゃー!!二人とも、何やってんのよ!!」
「見てのとおりよ。お姉ちゃん、あたしたち、愛し合ってるの」
「子供が、馬鹿な事を言わないでちょうだい!
ジムくんも、ジムくんよ!こんな、子供のおふざけに、付き合わないで!」
「おふざけじゃ、ありません!メアリーが言った通りです」
「ジムくん、あなた、妹に、なんてことしてくれたのっ!?
妹を、たぶらかさないで!」
「あたし、たぶらかされてなんか、ないよ!本気だもん!」
「そうです!メアリーだって、もう、あなたの許可が無くったって、自由に生きていいはずです!」
「ナマイキ言わないで!!
……馬鹿やってないで、二人とも、服を着なさいよ!」
●フランシスの言葉を無視して、二人、裸のまま、ぎゅっと抱き合う。
「お姉ちゃん、あたし、ジムと結婚するから!
お姉ちゃんが認めてくれなくても、一緒になるから!」
「そうです!
あなたに、どんなに邪魔されても、俺たちの愛は、壊せない!」
「勝手になさい!!……出て行って!!……今すぐ!!」
●裸のまま、外に放り出されるメアリーとジム。
「やっぱり、二人きりで生きるしか、無いようだね」
「うん……でも、あたしは、ジムが居てくれれば、それでいいよ」
●二人の服が、投げ渡される。
「忘れものよ!!」
「……」
●固く抱き合う二人。
「メアリー……愛してるよ、メアリー……」
「ジム……あたしも、愛してる……」
「これからは、ずっと一緒だ」
「うん……二人でなら、何があっても、大丈夫……」
●現実世界に戻る。枕を抱いて、キスをしている姿勢のメアリー
「ん……ジム……ジム……ぁ……」
●今まで見ていたものが夢だと気づいて、愕然とするメアリー
「えっ、ウソ……夢……なの……」
※以下、メアリーのモノローグ
その日から、あたしはジムとの未来の夢を、見るようになった。
妙にリアルで、でも、とっても幸せな未来だった。
夢から醒めると悲しくなったけど、本当に、そんな未来になったら嬉しい。
そんなふうに、あたしは思うようになった---。
■フランシスの見た夢
●事件が一段落した後の、未来のいつか。
●場所は、ジムとフランシスの住む家。
●ジムが主夫になっている家に、研究所からフランシスが帰ってくる。
※ジムは、自分を「僕」と呼ぶが、それがフランシスの趣味だからです。
「ただいまー」
「おかえり!……お風呂沸いてるよ」
「ありがとう、ジムくん。すぐ入らせてもらうわ」
「今夜は、ビーフシチュー作ったんだ!……合成肉だけど」
「ごはん、食べずに待っていてくれたの?」
「うん。君と一緒に食べたかったから」
●照れるジム
「いつも、ありがとう。とっても嬉しい!」
●二人揃っての、食事シーン
「どう??」
「うん!……とっても美味しい!!」
「よかった!時間かけた甲斐があった!」
「うふふっ♪……私、幸せだなぁ……」
「君が幸せを感じてくれたら、僕も幸せだよ」
「うふふっ!……ありがとう、ジムくん」
●食後、フランシスをマッサージしているジム。
「あ~、幸せ~♪……私、こんなに幸せで、いいのかなぁ……」
「僕も幸せだよ。家で待っているだけで、君が帰ってきてくれるんだから」
「私、このマッサージの為に帰ってきてるの。
実験の為には、研究所で暮らしたほうが良いのかも。だけど……」
「僕が研究所に住んでもいいよ」
「ダメよ。そうしたら、イライラしたり、カリカリした姿を、ジムくんに見られちゃうもん」
「そんな君も、見てみたいな」
「だ~めっ!……うふふふふっ♪
あ~、なんだか、眠くなって来ちゃった……」
「じゃあ、ベッドに行きますか、お姫様??」
「あン」
●ひょいっ、と、フランシスをお姫様抱っこするジム。
「いつも、ゴメンね。
私だけ好きな研究を続けて、ジムくんは、私の為に、いつも……」
「いいんですよ。僕が自分で選んだ道だもの」
●お姫様抱っこされたフランシス、ジムを誘う。
「ねぇ、ジムくん。今夜は、久しぶりに……ね? いいでしょう?」
「えっ……でも、明日も早いんじゃないの??」
「大丈夫よ。だって、ジムくん、いつも、すぐ終わっちゃうんだもの」
「そっ、それは、君が……とってもステキだから……我慢できなくて」
「……クスッ」
●ジムをけしかけるフランシス
「どうするの、ジムくん。今夜は、もう、お疲れ??」
「……そんなに言うなら、今夜は寝かさない」
「あン!」
●ベッドに投げ出されるフランシス。
「あっ……ちょ、ちょっとジムくん、今夜は積極的……」
「あっ、だっ、ダメよ、そんなに……がっつかないで……」
「あっ、もっ、もうっ……どうしちゃったの??
いつもみたいに、優しくして……」
……どたんっ。
●ベッドから落ちて、現実世界に戻るフランシス。
「痛っ……痛ぁ……えっ、い、今の、夢、なの……??」
※以下、フランシスのモノローグ
その日から、私はジムくんとの未来を、夢見るようになった。
夢の中の彼は、私に、とっても従順で、いつも私を満たしてくれた。
夢から醒めると、そんな自分の妄想が情けなくなる。
でも、そんな夢に、私は次第に夢中になっていった---。
■メデューサの見た夢
●事件が一段落した後の、未来のいつか。
●場所は、治安の悪い、どこかの未来都市。
●街の悪者を、バッタバッタと倒していくメデューサ
●仮面をつけた悪者のボスが、メデューサに追い詰められていく。
「貴様の悪事は、もう終わりだ。覚悟しろ!」
「ちぃっ!……まだだ、まだ終わらんよ!」
「面白い。どう終わらんというのだ!?……やってみせろ!」
●体術で、悪者のボスを圧倒するメデューサ。身柄を確保し、仮面を剥ぐ。
「クッ……さすがに強いな……」
「さて、貴様の顔を拝ませて貰おうか」
「チッ……」
●仮面を剥ぐと、悪者のボスはジムだった。
「ジム・ビリントン!……なぜ、お前が……」
「分からないのか??……なぜ、俺が、こうなったか??」
「……分からない……」
「では、お前は、なぜ、俺の前から消えた?」
「自分は、戦いの無い世界では、生きられない……」
「やはりな。だから俺は、お前の生きられる世界を作ってやった。
そして案の定、お前は、帰ってきた」
「ジム・ビリントン、では、この争いは……」
「もちろん、お前を取り戻す為に、やったことさ!」
「なんで、そんなことをした!なんで、他人を巻き込んだ!?」
「そうしないと、お前は、帰って来なかっただろう!!」
「そ、そんなことしなくても、自分は……」
「何度もお前には連絡をした。それでも、お前は返事をくれなかった!」
「……」
「何故だ!?」
「自分は、もう、お前と関わるべきでは無い。
こんな自分では、お前を幸せに出来ない……」
「そんなものは、お前の思い込みに過ぎない!!」
「……」
「お前の居ない人生は、無意味だ!お前の居ない人生は、空っぽだ!
俺には、そんなものは、耐えられない……」
「本気……なのか??」
「メデューサ、お前に殺されるなら、本望だ。
俺の元に戻る気が無いなら、いっそ、一思いに殺してくれ!!」
「そんなこと、できる訳がない……」
「なら、また他人が巻き込まれるだけだ。血が流れるだけだ」
「……そんなことは、させない!」
●ジムを抱きしめるメデューサ
「もう、お前の手は汚させない」
「なら、もう、俺の前から消えるな。頼む」
「わかった」
「……」
●キスをするメデューサとジム
「ジム・ビリントン。
お前を、終身刑に処す。
お前を、禁固刑に処す。
お前を縛るのは、自分だ」
「光栄だよ、メデューサ。
俺も、もう、お前を離さない……」
●現実世界に戻る。枕を抱きしめている姿勢のメデューサ
「んっ……ジム……ビリントン……は……」
●今まで見ていたものが夢だと気づいて、愕然とするメデューサ
「今のは、夢、なのか……??」
※以下、メデューサのモノローグ
その日、自分は、初めて夢というものを見た。
それまで自分は、眠っていても、夢を見ることは無かった。
ジム・ビリントンのおかげで、自分は、夢というものを見ることが出来た。
自分は、そんなジム・ビリントンに寝ても覚めても惹かれていった---。
-フェードアウト
#031 彼女たちの見た夢、了。
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※本作品について(再掲)
本作は、1993年にPC-98版ゲームソフトとして販売された『HAMLET』および移植版の『SPACE GRIFFON VF-9』の続編となるストーリーで、西暦2149年を舞台としたSF作品です。登場人物や組織などは、実在するものとは、一切関係がありません。前作は、wikiやプレイ動画等でご確認ください。
なお、筆者は当該タイトルの原作と脚本を担当した張本人ではありますが、現在は、いち個人で執筆しており、HAMLET2の権利は筆者に帰属します。
しかしながら筆者は、この作品の二次創作・三次創作を制限するものではありません。どなたか奇特な方がキャラ絵を描いてくれると嬉しいです。