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HAMLET 2 #014 追い立てられ、北へ。

逃げよ、逃げよ

すべてのジュネーブから逃げ出せ

黄金のサチュルヌは鉄に変わるだろう

巨大な光の反対のものがすべてを絶滅する

そのまえに大いなる空は前兆を示すだろう

ミシェル・ノストラダムス師の予言集 9章44番 より


※設定的には、シーズン1でイギリスに投入される前に、既に全ての人間は始末され、A-MAX FORCEは、トップを除いて、全てAIとロボティクスで運用された軍隊になっている。
※各国が自国の混乱を収めるのに必死な為、A-MAX FACTORIESを止めるものが無い状況を示す。
※A-MAX FORCEが、いかに悪逆非道で、非人道的な戦争をしているかを表すシーンが続く。

■イスラエルを攻撃するA-MAX FORCEの無人兵器群

●A-MAX FORCEの攻撃に、アイアンドームが反応する。
●アイアンドームを使いつくしたのを見計らい、ドローンが領土に侵入。
●ドローンの自爆攻撃が、イスラエル中枢を破壊していく。

■モスクワを攻撃するA-MAX FORCEの無人兵器群

●潜水艦から発射されたVFが、降下しつつ、モスクワの対空防衛システムを無力化。
●飛来する無人兵器群に、人力で抵抗しているロシア軍。
●潜水艦から発射されたRZ-01が降下し、火炎放射でロシア軍を焼き尽くしていく。

■メッカを攻撃するA-MAX FORCEの無人兵器群

●大巡礼の参加者を狙って、A-MAX FORCEが攻撃を始める。
●爆撃機がBC兵器を落とす。
●バイオモンスターが巡礼者を捕食していく。

■ジュネーブを攻撃するA-MAX FORCEの無人兵器群

●A-MAX FORCEの大型爆撃機、ジュネーブを爆撃していく。
●バンカーバスターで、地下壕の破壊が進む。
●スイスからの自動放送が潰える。

※以下、ジムのモノローグ。

その頃、世界は、A-MAX FACTORIESからの猛攻撃を受けていた。
俺たちは洋上にいて、それに気づかず、穏やかな日々を過ごしていた。
波は穏やかで、フランシスさんの体調も落ち着いていた。
このまま、幸せな日々を送れるかと思っていた。
でも、それは、一時的なことに過ぎなかったんだ。

■ベイ型補助揚陸艦 RFA Cardigan Bayの食堂にて

●3人で食事をとるシーン。船内の調理器具のおかげで、普通の食事。

「うん!……美味しい!!
これ、すごく美味しいですよ、フランシスさん!!」
「うふふっ、お口に合って、良かったわ!
イギリスで食べたサンドイッチが美味しかったから、再現してみたの。
ジムくんが喜んでくれて、私も、工夫した甲斐があったわ」
「フランシスさん、料理できるんですね。なんか、意外だなぁ」
「なぁに?そんなに意外かしら??……料理って、段取りと配合と温度変化でしょう?それって、化学の実験と、ほとんど変わらないのよ」
「いやぁ、ずっと軍用のレーションばかりだったから、体に沁みますよ」
「うふふっ、じゃあ、また作ってあげるわね!」

●仲が良さそうなジムとフランシスを、メアリーが怪しむ。

「へぇ、お姉ちゃんが料理ねぇ。。
月じゃあ、そんなこと、やったこともないくせに」
「アレンジ無しで保存食を食べるのは飽きた、って、あなたが言ったのよ」
「あたしが料理しようと思ったのに、お姉ちゃんが、しゃしゃり出て来たんでしょう??」
「はいはい、横取りして、ごめんなさいね」
「まったく、点数稼ぎが見え見えなんだから」
「点数稼ぎって……私、そんなつもり無いわよ」
「そうだよ、メアリー。そんな言い方、しなくてもいいんじゃない?
それに、なんだか最近、君、怒りっぽくなってるような気がするよ」
「……だって、ジム。最近、あたしの扱い、雑なんだもん!?」
「ざ、雑になんか、してないって!」
「じゃあ、あの日、何があったか言いなさいよぅ」
「あの日って??」
「ジムが、お姉ちゃんのいる医療室から、出てこなかった日!」
「あの日は、何も無かったって、私言ったよね?メアリー?」
「お姉ちゃんからじゃなくて、ジムから聞きたいの!?」
「な、何もないったら……」

(ジィィ……)

「そんなに睨んだって、何も変わらないよ!」
「そうよ。メアリーは何を怪しんでいるの?
私とジムさんに、何があったと思ってるの?」
「そ、それは……」
「何があったと思っているか、ハッキリ言ってごらんなさい、メアリー」

●メアリー、恥ずかしさで顔を赤くする。

「やましいことは、何も無かったわ。あなた、考えすぎよ」
「そ、そうだよ。俺たち、何も無かったよ」
「ジムのうそつき!お姉ちゃんのいじわるっ!」
「……」

●メアリー、食堂を出ていく。

「あ。メアリー!……」
「追いかけてもいいのよ、ジムくん」
「えっ、で、でも……」
「どうせ、ありのまま伝えても、メアリーの誤解は晴れないわ。
むしろ、余計ひどくなると思うの」
「そ、そうですね……」

●突然、全艦にアラートが鳴り響く。爆発音や振動が続く。

「!!」
「い、いったい何が!?」

●AIが状況を説明する

「攻撃を受けています。今のところ、威嚇射撃のようですが」

●メアリーが食堂に戻ってくる

「ジム、なんなの、これ!?」
「攻撃を受けているらしい。二人は、ここにいてくれ!」

■ベイ型補助揚陸艦 RFA Cardigan Bay、ブリッジ

●こちらに近づいてくるA-MAX FACTORIESの艦影
●AIに判断を求めるジム

「相手は、こちらを落とすつもりなのか?
ここは、まだ公海上のはずだけど……」
「先ほどから、各国語で『本土に近づくな!』と警告を投げてきています。日本の、本州には近づかせないつもりのようです。
彼らからしたら、私たちは、近づきすぎたのかもしれません」
「こちらも、丸腰とはいえ、軍艦だからね。警戒させてしまっているのか」
「ホバークラフトに乗り換えましょう。グリフォンとパワーローダー程度なら積めます」
「わかった!二人にも協力してもらおう!」

■ベイ型補助揚陸艦 RFA Cardigan Bayの食堂

●ジムからの艦内放送を聞いて、慌ただしくなるメアリーとフランシス。

「メアリー!フランシスさん!この艦を捨てる!
ホバークラフトに積めるだけ積みたい!手伝って!」

■ドッグ内のLCAC-100級エア・クッション型揚陸艇

●グリフォンを運び込み、揚陸艇に固定するジム。
●メアリーとフランシスのパワーローダー、食料や雑貨を積み込む。

「二人とも、ありがとう!これ以上は、無理だね。
今は、とにかく敵を振り切ることだけを考えよう!」

■ドローンの攻撃を受けるRFA Cardigan Bay

●夜陰に乗じて、RFA Cardigan Bayから出ていくLCAC-100
●RFA Cardigan BayからLCAC-100が離れていく
●敵のドローンが、RFA Cardigan Bayに体当たり攻撃をしていく
●ドローンの自爆攻撃が続く
●メアリーが、ドローンの攻撃に気づく。フランシスとAIが応答

「あっ!あれ見て!」
「敵は、ついに実力行使に出たようですね」
「あの船に残っていたら、今頃は……」
「また、命拾いしたね、俺たち」
「これで、どこまで行けばいいの??」
「ジュネーブの人たちが、どこかに支援物資を落としてくれているはずなんだ。それを探そう」

■RFA Cardigan Bay、轟沈

●3人が見守る中で、RFA Cardigan Bayが沈んでいく。

--時間経過のフェードアウト・フェードイン等。

■北へ向かう最中の夜明け

●自動操縦中の、LCAC-100の中で眠っている3人。
●津軽海峡が見えてくる

#014  追い立てられ、北へ。、了。

※本作品について(再掲)
本作は、1993年にPC-98版ゲームソフトとして販売された『HAMLET』および移植版の『SPACE GRIFFON VF-9』の続編となるストーリーで、西暦2149年を舞台としたSF作品です。登場人物や組織などは、実在するものとは、一切関係がありません。前作は、wikiやプレイ動画等でご確認ください。
なお、筆者は当該タイトルの原作と脚本を担当した張本人ではありますが、現在は、いち個人で執筆しており、HAMLET2の権利は筆者に帰属します。
しかしながら筆者は、この作品の二次創作・三次創作を制限するものではありません。どなたか奇特な方がキャラ絵を描いてくれると嬉しいです。


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