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自己満デザインから効果を生むデザインへ

現在自分はインハウスデザイナーとして、自社プロダクトの売り上げに貢献することを求められるロールにいます。
今回は現在のキャリアに落ち着くキッカケになった時の事を書こうと思います。


デジタルマーケティング部門への配属と新たな視点の習得

インハウスデザイナーに転身した当初の会社で自分はデジタルマーケティング部門へ配属されました。
チームの構成としては、自社プロダクトの

  • 広告集客を担うチーム

  • プロダクト改善を担うチーム

この大きく二つで、自分は後者のプロダクト改善にジョインしました。

こちらの会社の体制として、「デザイナー」や「エンジニア」という専門職のロールは存在しなく基本的にほとんどの社員が総合職だということでした。
そのため、自分はこのチームにデザイン業務を主に担う総合職として所属することになりました。

総合職とは
将来、企業における中核業務を担う幹部候補として、営業、企画、開発、人事、総務や経理などの業務を行います。

総合職と一般職って何?知っておきたいその違いと選び方を徹底解説

なお且つ、プロダクトの本体となるサービスサイトやアプリの開発はほとんどアウトソースをしていました。

この状況で、どうやってデザイナーのスキルを活かすのか?

事業会社へ所属し最初に覚えた単語として、KGI・KPIというものがありました。

  • KGI

    • 事業の売上高、利益率などのもっとも達成すべき重要目標達成指標のこと。

  • KPI

    • ユーザー数、サイトからの申し込み数、単価など、KGIを達成するにあたって必要な中間指標

自分が所属したチームは、事業売上を達成するためユーザーの獲得サイトからの購入(コンバージョン)サイトからの購入率(CVR)というKPIを達成することをミッションとしてました。

コンバージョンレート(CVR)とは、Webサイト訪問者のうち、購入や問い合わせなどそのWebサイトの最終成果に至った件数の割合のことである。
最終成果はWebサイトの目的により異なるが、ECサイトの場合は実際に商品購入に至った割合を指す。
企業サイトなどの場合は、お問い合わせや資料請求に至った割合、もしくは会員登録の割合等を指すことが多い。

コンバージョンレート(CVR)とは

チームメンバーとの連携

入社した事業会社のデジタルマーケティング部門では

  • プランナー

  • 広告運用担当

  • SEO担当

  • コンテンツマーケター

など、各々のスキルにマッチした業務を様々なメンバーが担当しており
プロダクト改善において他職種のメンバーとの協議が必須です。

KPI達成にむけてのデザインスキルの活かし方

前述通り本体サイトの開発がアウトソースであり、サイトやアプリで変更したい箇所がある場合は都度アウトソース先と連携して変更を進めていく必要がある中、スピード感を持って推進できる業務としてまず自分が着目したのがLPOでした。

LPOとは、「Landing Page Optimization」の略称で「ランディングページの最適化」を指します。

ランディングページ(以下、LP)とは、広告・検索結果・SNSなど、施策ごとにさまざまな経路で流入したユーザーが最初にたどりつくページで、資料請求や商品購入などのアクションを起こしてもらうための重要な要素です。

LPOとは?意味や重要性・やり方・SEOとの違い【基礎知識集】

自社プロダクト内の特定の商品やキャンペーンにフォーカスしたLPを作成し、そこからのコンバージョン獲得を目指しました。
主に

  • 既存のLPを改修してCVRを上げる

    • 広告強化しユーザーを集めたいもの

    • 自然流入が多いもの

  • キャンペーンやニーズのあるカテゴリのLPを新規に作成する

    • 近々実施を控えているキャンペーンのもの

    • サイト内検索数が多いカテゴリかつまだLP化されてないもの

この2点を中心に進めていきました。

今回は既存LPの改修にフォーカスします。

この会社で運用している既存LP関しても、アウトソースで作成された量産型のLPになっておりカテゴリの種類が多岐に渡るにもかかわらずレイアウトはすべて一緒でした。

アウトソースの既存LPレイアウトイメージ

デザイナー不在の中運用面を考慮しての構成だったと思いますが、ここを自分がデザイナーとして改善していこうと考えました。

まずチームのメンバーと、現行LPの各数値を確認。
流入数が多いLPをリストアップし、改善対象のLPを決める。

流入数が多いLPを中心に改善するのは、CVRを改善した際にリターンが大きいためです。

同じCVRの改善幅でも、流入数が多いLPのほうが購入数が大きく増える

次に、以下を実施し実制作へ入っていきます。

  • 設計の見直し

    • ページの読了率やCTAのクリックイベント数などの、ページに対するアクションに関する数値を確認し、重要な要素・一番訴求したいポイントの見せ方を工夫する

  • UI・テイストのリサーチ

    • ページに来訪しているユーザーの年齢や性別などを特定し、ターゲット層が頻繁に利用するサイトを参考にテイストを決定していく

改善例

こうして、デザインからコーディング、リリースまでを行います。

実感できる自分のデザイン効果

KGI・KPIという視点と、改善のステップを経る中で

  • 定量/定性両軸の分析スキル

  • 課題発見や効果測定

  • 新たな改善案や施策を考える企画力

こういったクリエイティブ制作以外のスキルも身についていったと実感しています。

自分が改善立案→リリースまで担当したLPのCVRが改善した際、目に見えて購入数が増えるので
「自分のデザインの効果が可視化されてる・・!」
と感じました。

また、広告運用のメンバーから
「神風さんが作ったLPのおかげでCPA削減することができました!」
と褒めてもらったことがあり

CPA?知らん単語がまた出てきたので、こちらもまた調べました

CPAとは

Cost per AcquisitionまたはCost Per Actionの略で、「顧客獲得単価」の意味。顧客・成果を獲得するために、1人あたりにかかった費用を指し、「コスト÷コンバージョン数」で算出できる。

たとえば、登録ユーザーを集めるキャンペーンを行った際に、広告費100万円に対して、獲得ユーザー数が1万人だった場合、CPAは「100円」と算出される。一般にCPAが低いほど効率がよいと考えられる。

CPA とは 意味/解説/説明 (シーピーエー) 【Cost per Acquisition,Cost Per Action】

つまり、CVRが改善して購入数が増えると、1購入を獲得するためにかかる費用が低くなるため、広告費用の効率が上がって利益に繋がるという事が分かりました。

その広告担当のメンバーが
広告費300万かけて750コンバージョンのところを、CVRを2%改善して1250コンバージョンにしてくれたので1購入あたり1600円も削減できた。
1250コンバージョン×1600円=2,000,000円
この削減額をLPの価格とすると、神風さんが作ったLPの価格は200まんえん!!!!

と、とても分かりやすく説明してくれた&モチベーションを上げてくれました><

この時点でインハウスデザイナーであることのメリットは

  • 自分のデザインの効果を数値という形で目に見えて実感できる

  • いろんなスキルを持つメンバーが周りにいるので、様々なスキルを吸収できる

  • モチベーションと学習意欲が自然と上がる

であることを認識し、これからずっと自分はインハウスデザイナーとしてキャリアを積んでいこうと思えました。

まとめ

こうした取り組みを通して、
数字に基づいた成果分析、改善施策の提案、他職種との連携といったスキルも自然と身につけることができ、キャリアの方向性に自信が持てるようになりました。

また、デザイン以外にも

  • Googleアナリティクスなどの分析ツールの活用

  • GTMの活用

  • MAツールの活用

  • SQLの活用

などの知識を習得・活用する機会が増えました。
自分としてはデザイナーの仕事の幅を広げるうえで自然と学び身についていった感覚です。
周りのメンバーとの雑談の中から学ぶことも多かったと感じてます。

これからも、さまざまな視点を吸収しながら、デザインを通じて事業に直接的な価値を生むインハウスデザイナーとしてのキャリアをさらに築き上げてればと考えてます。

読んでくださりありがとうございました!
またよろしくお願いしますmm

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