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映画『上飯田の話』 劇中音楽を制作した本田真之さんインタビュー 「−−YMOだとカッコいいのでダサくして下さいと言われたんです」

こんにちは、菊川Strangerでの上映企画『まだ観てなかった!/もう一度観たい! 邦画セレクション Vol.2』での上映が迫ってまいりました。上映スケジュールは下記になります。

7/14金 21:20
7/16日 20:20 🌴舞台挨拶🌴
7/18火 18:55
7/20木 18:55
7/22土 18:55
7/24月 18:55
7/26水 18:55

WEBチケットはこちらです

今回は企画上映を記念しまして映画『上飯田の話』 劇中音楽を制作した本田真之さんインタビューさせていただきました。本田さんありがとうございます。

―映画『上飯田の話』の音楽をやることになった経緯を教えてください。また監督とはどのようなコミュニケーションをおこなって制作していきましたか?例えば「〜のようなテイスト」「〜な雰囲気」など制作の過程で出てきたキーワードがありましたら教えてください。
 
A: 元々は高橋監督が『文化の日 製本前の 紙重し』という映画で別の音楽家に映画音楽を依頼していたのですが、その音楽家の都合が合わず、代打で私が紹介されたのがきっかけでした。その時に作成した音楽が『上飯田の話』でもイメージに近しいジャンルの音楽だったので、今回も映画音楽のお話を頂けたのだと思います。
 
  『文化の日 製本前の 紙重し』では主にエレクトロニカやテクノを取り入れた、割と現代風な音楽だったのですが、『上飯田の話』では上飯田の団地が出来た時代を彷彿させる為に70〜80年代風のテクノをモノラル音源にして下さいという依頼を受けました。その時代ですと、YMOのような雰囲気ですか?と質問したのですが、監督からは、YMOだとカッコいいのでダサくして下さいと言われたんです。ダサいの具合は、聴き手の感性次第ですので納品する際には本当にこれで良いのか正解が分からなかったのですが、監督からは「良い具合にダサいです!」とお褒めいただけたので安心しました。

そもそも素朴な疑問なのですが、映画音楽に携わるきっかけは何でしたか?本田さんの携わった作品やキャリアと絡めて教えてください。
 
A: 映画音楽自体を主体に制作活動はしておりません。元々はバンドマンでして、そのバンドでたまたま知り合ったとある映画監督から映画音楽の依頼を受けた事があったり、舞台監督から舞台音楽を依頼された事があったのです。主には、今でもバンド活動や個人名義で音楽を作成して配信をしたりしているのですが、サラリーマンをしながら趣味の範疇で音楽活動を行っている程度です。
 
 
依頼を受けてから作品はいちはやく観ていると思いますが、他者の言葉や感想があまりなかった頃『上飯田の話』をどのように受け取りましたか?また作品を鑑賞したからこそ行った工夫や難しさなどありましたら教えてください。
 
A: 他者の言葉も感想も関係ありませんね。勿論、私の抱いたファーストインプレッションも今回の映画音楽の制作には不要だと考えていました。音楽は目に見える形でイメージを伝える事が出来ません。前述の通り、聴き手の感性次第で印象は変わってしまう媒体です。そして、監督の作風も多くを語らず、単純明快でもなく、観た人の捉え方次第で印象の変わる純文学のような作品だと思っています。映画は私の作品でありませんので、監督が求めているものを形にする為のお手伝いをする為に、独自の勝手な解釈をしないで監督に直接シーンの趣旨を伺うようにしています。『文化の日 製本前の 紙重し』の時から、こういうやり方で監督と擦り合わせて作成してきました。
『上飯田の話』に関われた事は非常に貴重な経験でした。個人で作品を作る際に、自身の感性的に「ダサい」と感じる作品を敢えて意図的に作ることなんてありませんので。これが兎に角、難しいことでしたね。

(終)


本田真之さんのその他の活動は下記になります。配信はsoundcloudのみです。

個人名義:marphon
https://on.soundcloud.com/o1NzJpBrtR4MxWBA8

バンド:oodako/sumo
https://on.soundcloud.com/DWt344RynWfxynUU9

nano naki mujica
https://on.soundcloud.com/QimExi4WgE3Ckhqw7

以上の3つの形態で活動しております。ぜひお聴きください。
 


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